THE LOAD OF THE RINGS:THE RETURN OF THE KING
邦題 | ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 | |
レーベル | ALLIANCE ATLANTIS | |
制作年度 | 2003年 | |
上演時間 | 200分 | |
監督 | ピーター・ジャクソン | |
出演 | イライジャ・ウッド、イアン・マッケラン、リブ・タイラー | |
画面 | 2.35:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch-EX 英語 DOLBY DIGITAL 2ch フランス語 |
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字幕 | 英語、フランス語 |
あらすじ
サウロンのローハン侵攻を阻止したアルゴルンたちは、サウロンの次の侵略であるゴンドールを阻止すべく動き出すが、執政は息子の死に動揺して身動きが取れなかった。ゴンドールの軍の指揮をガンダルフが取り、サウロン軍に相対するが、軍の威力は強大で、押されてしまっていた。一方フロドとサムは、ゴラムの道案内の元、モルドールに近づいていたが、指輪の魔力にとらわれたゴラムによって仲違いをしてしまう。
レビュー
第一部、第二部ともに大ヒットを収めたシリーズの完結編に当たるのが、この「ロード・オブ・ザ・リング / 王の帰還」です。アカデミー賞では、作品賞を含む 11 部門の受賞をしています。
今作は物語の完結編と言うこともあり、ストーリーが徐々にまとまっていく様が描かれています。物語は初め、アラゴルンたちが、ピピンやメリーと再会するところから描かれていきます。
近作は完結編と言うこともあって、旅の仲間が再集結するのかなと思いましたが、そうではなく、アラゴルンたちの戦いと、フロドの旅が平行で描かれています。アラゴルンたちは、ゴンドールへのサウロンの侵攻を食い止める話が主体になっています。
前作まで戦いに参加していなかったホビット族のメリーとピピンも今作ではゴンドールの戦いに参加すると言う展開になっています。また、ガンダルフがゴンドール軍の指揮をとっているのも特徴的ではあります。
ゴンドールの執政は、第 1 作で死亡したボロミアの父親であり、その死に動揺してまともな指揮が取れなくなります。兵達が戦っている中、傷付いたもう一人の息子であるファラリアが死んだものと思い込み、自分も死のうと儀式を執り行っている様が、違和感を感じさせます。結局それはガンダルフによって阻止されるのですが、これではサウロンに侵攻されるのも無理ないな、と思います。
ゴンドールの侵攻を阻止したのは、ローハンの兵士達と、アラゴルンが引き連れてきたゴーストたちのおがけと言うことで、かなりピンチだったのではないかと思います。到底勝てない戦いを必死で戦っていたゴンドールの兵士達には同情を禁じえません。
一方、物語のラストまで旅の仲間達と一緒にならなかったフロドとサムは、ゴラムによって導かれていきますが、ゴラムの指輪への執着によって仲を引き裂かれてしまいます。しかし、サムの献身的なフロドへの友情が、最後まで持続することによって、フロドは旅を続けることができます。
そのフロドも指輪の魔力にとらわれてしまっていて、モルドールの火山に来ても、指輪を捨てることができません。ここで、ゴラムとの指輪をめぐる戦いがあり、結果として指輪は溶岩の中に溶け、サウロンの魔力も消滅するのですが、この辺は観ていて緊迫感のある演出がなされていると思います。
サブタイトルの「王の帰還」とは、多分物語のエンディングでゴンドールの王となったアラゴルンのことを指しているのではないかと思いますが、ラストの花びらが散る美しさは、これまでの緊迫感のあるストーリーを静かにする役割を果たしているのではないかと思います。
物語は、ラスト、ホビットの村でのフロドやサムのその後を描いて終わりを迎えますが、第一作のスタートがホビットの村の様子を描いていたのに呼応する演出ではないかと思います。フロドは、最後旅に出てしまいますが、友人との別れは感動的なエンディングではないかと思います。
映像は、CG の多用が見受けられ、独特の世界観を創出しています。時にはロケーションの美しい映像が挟み込まれますが、基本的にはダークな世界を描いているようです。しかし、映像は鮮明で、観ていて引きずりこまれるものがあります。サウンドも前2作と同様に広大な空間を創出しています。また、サブウーハーも効果的に鳴っています。
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