WAR OF THE WORLDS
邦題 | 宇宙戦争 | |
レーベル | DREAMWORKS HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2005年 | |
上演時間 | 117分 | |
監督 | スティーヴン・スピルバーグ | |
出演 | トム・クルーズ、ダコタ・ファニング | |
画面 | 1.85:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、フランス語 DOLBY DIGITAL 2.0ch 英語 / DTS 5.1ch 英語 |
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字幕 | 英語、スペイン語、フランス語 |
あらすじ
ある日、奇怪な稲妻が各地で観測される。その稲妻の落ちた先からエイリアンが登場し、地球上を攻撃し始める。妻と別れた男、レイは、その現場を目撃し、必死の様子で脱出を図る。息子のロビー、娘のレイチェルとともにボストンにいる妻の元を訪ねようとしたレイは、各地でエイリアンの攻撃を受けるがからくも逃げのびる。軍の攻撃にもびくともしないエイリアンの退治方法はあるのか、レイ一家の生死は。物語は淡々と進んでいく。
レビュー
H.G.ウェルズの同名小説を映画化した作品が、この「宇宙戦争」です。1953 年に一度映画化されており、今回はそのリメイク版とも言えるでしょう。
スピルバーグ監督といえば、父親不在の映画作りが有名でしたが、今回は、トム・クルーズを父親役に設定し、父と子供の絆を復活させる映画作りを行っています。
物語の最初では、親子の断絶が描かれています。トム・クルーズ扮するレイという男は、妻と別居生活を送っており、二人の子供を抱えて生活しています。二人の子供は必ずしも父親に同情的ではなく、反発心を抱いています。
そこからしばらくは、エイリアンの登場シーンと、人類を無差別に攻撃していく様が描かれています。この作品の特徴は、エイリアン側の視点からは描写されていない為、エイリアンがまるで竜巻や台風といった災害として描かれているように思います。実際映画の最初のほうでは、エイリアンの描写が広角で撮影されているために、何となく冷徹な印象を受けます。
そしてエイリアンの攻撃がひと段落すると、レイは、ロビーと、レイチェルとともにボストンにいるはずの妻の元を訪ねようと、車での逃避行をし始めます。ここでは、まだ親子の絆は溝が埋まらないままです。
そして逃避行の途中で彼らは避難民の中に突入し、車を失ってしまいます。この過程で、レイは子供達を守ろうと、必死の形相になってきます。しかし、あくまで普通の家族として描かれているために、ヒロイックな描写はありません。
フェリーに乗り込んだ彼らですが、エイリアンの攻撃を受けて、海に落ちてしまいます。このあたりでもヒロイック描写はありません。また、エイリアンの攻撃もあくまで淡々と描かれています。その後、軍隊が登場する段になって、初めてエイリアンに対する攻撃が描かれるのですが、これもヒロイックな描写ではなく、まるでドキュメンタリーのように淡々と描かれています。ここで、息子のロビーとレイは別れてしまいます。
後半は、地下室にもぐったレイとレイチェルのエイリアンに対する攻撃をかわす展開になってきますが、この辺になってようやく主人公らしく、エイリアンと戦うようになってきます。娘のレイチェルを守ろうと、レイは、手榴弾を使ってエイリアンを攻撃したりしています。地下室の住人とは、意見の相違でおそらくレイが抹殺してしまったのではないか、と思わせる描写もあります。
最後のボストンのシーンになってようやくエイリアンが倒されるようになってきます。それも人類の知恵でもなんでもなくて、地球上にいた微生物によって勝手にエイリアンは自滅していきます。そして、レイは、妻の元にたどり着き、途中で別れてしまったロビーとも再会します。ここで、父と子の愛情が復活したことを示唆して物語は終わりを迎えます。
物語全般を占めるのはレイを主人公にした物語ではありますが、印象的にはその他大勢のキャラクターと同じような位置付けにしているために、ヒロイックな活躍をしていないところが特に印象的です。
画質は、スピルバーグお得意の銀残しを使っているようです。物語の画面の色調が、どことなくドキュメンタリー風の印象を受けます。シーンによっては、ソフトフォーカス名場面もあったりして、特にその印象が強いです。音響は、DTS 5.1ch を 2ch ステレオで鑑賞しましたが、エイリアンの登場するときの「ブォー」という音が特に迫力があって印象に残ります。かなりサラウンドに音を回しているみたいで、2ch ステレオでも迫力が満点です。
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