レディ・プレイヤー 1
No Image | 原題 | READY PLAYER ONE |
レーベル | WARNER BROS. HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2018年 | |
上演時間 | 140分 | |
監督 | スティーヴン・スピルバーグ | |
出演 | タイ・シェリダン、オリヴィア・クック、ベン・メンデルソーン | |
画面 | 2.40:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY ATMOS 英語 | |
字幕 | 日本語 |
あらすじ
2045年、世界は食糧不足等で荒廃し、人々は仮想空間「オアシス」で生活をするようになっていた。「オアシス」はジェームズ・ハリデーと言う男が作り上げたものだが、ハリデー自身は2040年に死去していた。ハリデーは死去の際に「オアシス」にイースター・エッグを組み込み、3つのイースター・エッグを見つけたものに「オアシス」の所有権を与えるとしていた。それから世界中の人々がイースター・エッグを探していたが見つからなかった。オハイオのコロンバスに住むウェイドという若者も「オアシス」でイースター・エッグを探していた。ある日、ウェイドは自身の「オアシス」でのアバターであるパーシヴァルとして、初めてイースター・エッグを見つけ、一躍有名になる。しかし、「オアシス」の第二位にいる企業IOIのソレントという男が、ウェイドに接近し、イースター・エッグをよこすよう話をつけ始める。話を断るウェイドは、「オアシス」での仲間であるエイチや、アルテミス、ダイトウなど共に、イースター・エッグを探し始めるが、ソレントはそれを横取りし、ウェイドを亡き者にしようとする。
レビュー
アーネスト・クラインの原作小説「ゲームウォーズ」を映画化した、仮想現実での主人公の活躍を描いたアドベンチャー映画が、この「レディ・プレイヤー 1」です。劇場公開時に日米の1980年代のポップ・カルチャーをふんだんに盛り込み、そのストーリー性から1980年代に青春時代を過ごした観客から高い評価を得て、大ヒットを記録したことでも知られています。
この映画の特徴はといえば、前述のように1980年代の日米のポップ・カルチャーをふんだんに盛り込んで、それを映像化しているところにあると思います。仮想空間である「オアシス」内ではなんでもありという状況で、日本のアニメ「アキラ」、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、「ジュラシック・パーク」、「キング・コング」、「アイアン・ジャイアント」、「機動戦士ガンタム」、「チャイルド・プレイ」など、多数の映画、アニメからキャラクターが登場し、それを探すこと自体が映画を楽しむ要素の一つになっていることが挙げられます。また、サウンドトラックも1980年代にヒットした音楽がふんだんに盛り込まれているのも特徴です。
その一方で、現実世界が荒廃した未来という設定で、夢も希望もない世界になっているのが、仮想空間「オアシス」との対比で印象的なのが挙げられます。主人公であるウェイドも両親を早くに亡くし、叔母の家に居候をせざるを得ないというところに、彼が「オアシス」に逃避する要因になっていると言えます。それが主人公ウェイドだけでなく、世界中の人々が逃避してしまっているところにこの映画の「重さ」のようなものを感じます。
しかし、映画は「オアシス」を舞台にしながら、現実逃避していたウェイドが、恋するアルテミスや友人であるエイチなどと交流することにより、次第に現実世界でも「オアシス」を自分のものにしようとする巨大企業IOIと対峙するようになり、ウェイドが現実世界でも前向きに生きていこうとするという、スピルバーグらしい展開になっているのが肝だと思います。「オアシス」の生みの親であるハリデーが、現実世界で自分の気持ちを表現できないことで、過去を後悔する設定になっていたことから、ハリデーのイースター・エッグを探すウェイドがハリデーの二の舞を踏まないようになっていくというのは、スピルバーク作品の展開としてよくある話であると思います。
ハリデーという男は、どことなく現実世界で言うところのスティーヴ・ジョブズを彷彿とさせるところがありますが、映画の中でも「ジョブズを超えたか?」と言及されるシーンがあり、キャラクター設定でスティーヴ・ジョブズを意識していると感じるところであります。もちろん、性格的に正反対な面はありますが、革新的な製品を生み出すところなどは、妙にシンクロしているのではないかと思います。
映像は、Apple TVの配信では4K、DOLBY VISION対応していますが、自宅の設備はフルHDまでですので、4K、DOLBY VISIONでの視聴ではありません。HD画質ではありますが、現実世界の後輩した色を抜いたような寒々とした色調や、若干感じる低レベルの解像度を除けば、「オアシス」の世界のカラフルな色調など、十分映画を堪能できるクオリティになっていると言えます。音響はDOLBY DIGITAL PLUSをベースにしたDOLBY ATMOSですが、観客を包み込むようなイマーシヴサラウンドはかなり効果的で、映画に没入する効果を発揮しています。しかし、録音レベルがかなり低く、AVアンプのボリュームをかなり上げないと、迫力ある音にならないのは、ちょっと残念かなと思います。
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