THE TERMINATOR(4K UHD Blu-ray)|ターミネーター|輸入盤DVDで観た映画のレビュー

THE TERMINATOR(4K UHD Blu-ray)|ターミネーター|輸入盤DVDで観た映画のレビュー

THE TERMINATOR 4K UHD Blu-rayジャケット 邦題 ターミネーター
レーベル Warner Discovery Home Entertainment
制作年度 1984年
上映時間 107分
監督 ジェームズ・キャメロン
出演 アーノルド・シュワルツェネッガー、マイケル・ビーン、リンダ・ハミルトン
画面 1.85:1/DOLBY VISION
音声 Dolby Atmos 英語/dts-HD MA 2.0ch 英語/Dolby Digital 2.0ch 英語、チェコ語/dts-HD MA 5.1ch フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語
字幕 英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、チェコ語、デンマーク語、オランダ語、フィンランド語、マンダリン語、ノルウェー語、スウェーデン語

あらすじ

1984年のロサンゼルスに二人の男がタイムトラベルをしてやってくる。一人は大柄の男で、もう一人は普通の男だった。二人は共通の人物を探していた。それは、サラ・コナーという女性だった。

大柄の男は、銃砲店で大量の武器を手に入れて、電話帳で探し出したサラ・コナーという女性を片っ端から抹殺していく。普通の男も警察から武器を奪取し、やはり電話帳からサラ・コナーという女性を探し出す。

そのサラ・コナーは、レストランで仕事をしていたが運に見放されており、仕事でミスをするし、デートの相手にも見捨てられていた。そんなサラ・コナーは、同姓同名の女性が殺されていることを知り、怖くなって警察に電話をするが連絡が取れず、ルームシェアの相手に居場所を伝えてしまう。その情報を大柄の男が嗅ぎつけて、サラの居場所に向かう。

警察に連絡の取れたサラは、安全そうなディスコに逃げ込むが、大柄の男はディスコに現れ、サラを殺そうとする。それを止めたのは普通の男だった。普通の男は2029年の未来でマシンとの戦争で戦っていたカイル・リースという戦士であり、2029年のマシンとの戦争で人類が勝利しそうになったので、マシンがターミネーターと呼ばれるサイボーグを過去に送り、人類のリーダーであるジョン・コナーを産むことになるサラをジョンが生まれる前に抹殺するよう指示をしていたのである。かろうじてカイルはサラの身を匿うが、大柄の男、ターミネーターは執拗にサラの命を狙って追いかけてくる。戦いの末、ターミネーターは破損し、カイルとサラは警察に保護される。

カイルは1984年の警察では信じられないであろう未来の戦争の話をするが、やはり信じてもらえなかった。その警察署にターミネーターが現れ、警官を皆殺しにしてでもサラを抹殺しようとする。その隙に逃げ出したカイルは、サラと一緒に逃避行の旅に出る。カイルはなんとしてもサラを守り抜くつもりだった。そして、二人の間には愛が芽生えていた。

レビュー

主役のターミネーターを演じたアーノルド・シュワルツェネッガーと、監督のジェームズ・キャメロンの名を一躍世に知らしめた傑作SF映画が、この「ターミネーター」です。まだ、駆け出しだったジェームズ・キャメロンが監督を務めているため、低予算のB級的映画としてリリースされていますが、劇場公開後には高い評価を得て、A級映画的な扱いを受けています。シュワルツェネッガーとキャメロンはこの続編として、「ターミネーター2」を制作、公開しています。評価が高いと書きましたが、Rotten Tomatoesでは批評家評価はなんと100%、観客評価も89%と極めて高い評価を獲得しています。

ジェームズ・キャメロンのトレードマークになっている強い女性が活躍する、という展開は初期の作品であるこの作品ですでに見え隠れしています。ターミネーターに命を狙われるサラ・コナーは最初はかなり弱い女性でしたが、ターミネーターの繰り返しの襲撃を受けたことや、サラを守る守護神であるカイル・リースの助けもあって、最終的には自分自身でターミネーターを抹殺するという力強さを見せています。また、最初はカイルに引っ張られる存在だったサラは、最後にはカイルを鼓舞する立ち位置に変化を遂げます。

その一方でこの映画は、サラとカイルのラブストーリーでもあります。しかもカイルは1984年の人ではなく、戦争によって人類が滅亡しかかっている時にマシンと戦う未来の戦士でありますので、時空を超えた愛が成就するというSFならではの設定が魅力的です。未来でのマシンとの戦いでは、サラのまだ生まれていない子供であるジョン・コナーが人類のリーダーとなっていて、マシンとの戦いを行い、人類が勝利しかかっているという設定になっていますが、そのジョン・コナーの父が誰だったのかは大変ユニークな設定です。ある意味タイム・パラドックス的な展開ですので、作品に味があります。

そして、この映画はホラー映画でもあります。ターミネーターは何度攻撃を仕掛けても、ダメージを負っても頭脳が生きている限りサラ・コナーを抹殺すべく彼女の前に立ちはだかります。その執拗ぶりは、まさにホラーとしか言いようがありません。ターミネーターが全くの無表情でサラを追撃する様は、演じたシュワルツェネッガーの風貌と肉体と相まって、かなり怖いものがあります。

以前、輸入盤4K UHD Blu-rayの「ターミネーター2」を鑑賞していますが、改めてオリジナルの「ターミネーター」を見ますと、「ターミネーター2」が意図的に「ターミネーター」の細かい設定を流用しているのがよくわかります。セリフや状況設定などで「ターミネーター2」がただの続編ではなく、SFX等をパワーアップしたリメイク作品と言ってもいいぐらいに両作は酷似しています。ただ、「ターミネーター2」では映画冒頭でしか描かれなかった2029年の人類とマシンの戦いのシーンは、実はSFXこそ貧弱ではありますが、この「ターミネーター」の方が描写シーンが多く、結構絶望的な表現をしています。

映像は4K/DOLBY VISIONで収録されています。4Kではありますが、海外のレビューを読みますと、2013年に4Kマスターで作ったものをBlu-rayのために2Kに落としたマスターを作り、今回の4K UHD Blu-rayのためにその2Kマスターから4Kにアップスケールしたものとのことです。なので、実質はアップスケール4Kになってしまい、オリジナルマスターがフィルムなのにも関わらず、2Kの解像度しか出力できない状況です。解像度は2Kに制限されていますが、視聴している限りではさほど不満は感じません。また、今回の4Kマスターを作る際にAIを活用しています。そのせいかどうかはわかりませんが、DOLBY VISIONによる色彩表現は、過去のBlu-rayやDVDと比較しても画面全体が明るい印象が強いです。画面が明るいとは書きましたが黒浮するような明るさではなく、黒はちゃんと締まったままで、全般的に見やすい明るさになっている印象を受けます。DOLBY VISIONによる効果は絶大で、フィルムグレインの極小化と相まって、リアルな映像を提供しています。感覚的に4K版「ターミネーター2」に合わせた色彩になっています。

音響はリマスターされたDOLBY ATMOSミックスを収録しています。DOLBY ATMOSにミックスした時にかなり音響はいじっているので、ブラッド・フィーデルのBGMが意識的に各チャンネルに音色によって振り分けられています。そのため、BGMに関しては違和感を感じる部分が多々あります。効果音に関して言えば、天井方向を含めた効果が出ていて、音に包み込まれる感覚はありますが、肝心の銃撃シーンがどことなくチャンネルベースの音作りのような感触を覚えるため、オブジェクトとしての効果が期待したほどにはありません。DOLBY ATMOSのミックスに関して言えば、少々やり過ぎ感が否めないサラウンドになっています。

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