TM NETWORK 2024 intelligence Days FANKS inside|東京ガーデンシアター
2024年12月31日
はじめに
TM NETWORKのデビュー40周年記念のライブは、2024年5月の「YONMARU」で終わったと思っていた。しかし、9月にリリースされたその「YONMARU」のライブBlu-rayの中に、2024年12月31日に東京ガーデンシアターでライブを開催する、というチラシが入っていた。そのチラシにはチケット先行予約のためのシリアルナンバーも記載されていた。
横浜に引っ越ししたため、年末年始に実家に帰省する必要はなくなり、年始に顔を出せばいいと判断できた。それで、僕としては初めて大晦日である12月31日のTM NETWORKのライブに行くため、チケットの先行予約に申し込んだ。後で聞くとチケットの先行予約で落選した人も結構いたらしいが、僕は運良く当選した。ただ、チケットはローソンチケットが発券するので、ローソンに行ってチケット代を振り込まなければならなかった。ローソンは歩いて12-3分のところにあるので少々面倒くさかったが、チケット代も振り込んで、チケットが届くのを待った。
チケットは12月中旬に届いた。バルコニー席であったのであまりいい席ではないかなと思ったが、チケット先行予約で取れなかった人も多いとは聞いていたので、取れただけラッキーと思うようにしていた。
年末の風邪でライブ参戦をするか、しないか迷う
年末、12月24日には恵比寿で佐野元春のクリスマスライブがあって、そちらにも行ってきたのだが、寒さと疲れが溜まっていたのか、28日から体調不良で調子悪かった。朝起きて体温を測ると微熱なのである。昼間測ると平熱に落ち着くのだが。また、Apple Watchの睡眠測定を見ると、脈拍数と呼吸数が基準値より高くなっていた。鼻水は止まらないし、「TM NETWORKのライブに行けるのかな? 下手するとキャンセルせざるを得ないかな?」と思っていた。29日には友人たちとの忘年会があったのだが、そちらはキャンセルさせてもらったぐらいである。
31日、調子が思わしくないので、地域の休日急患診療所に行って、診察してもらった。インフルエンザかコロナに感染していれば、完全にライブはキャンセルするところであったが、検査してもらったところ、インフルエンザもコロナも陰性だった。単なる風邪だったようで、総合感冒薬を処方してもらって終わった。
それで、風邪ならばマスクをしっかりしてTM NETWORKのライブに行ってみるか、という気になった。昼間は平熱だし、鼻水は出るがマスクしていれば止まるし、咳もしないから飛沫感染もないし、と思ったのである。昼寝をして、調子がなんとかなると思ったので、午後から有明にある東京ガーデンシアターに向かった。
新橋の大戸屋で早めの食事
東京ガーデンシアターは有明にあるが、当然ながら行ったことはない。場所や季節柄、レストラン街は混んでいると思ったので、途中の新橋駅で早めの夕食を食べることにした。新橋には大戸屋があったので、そこに入って、17時前に夕食を食べてしまった。時間が時間なのと、大晦日という季節柄のせいか、店はガラガラだった。生姜焼き定食を食べて、ノンアルコールビールで気分だけビールを飲んだ気になっていた。もちろん、食後は総合感冒薬を服用したのはいうまでもない。
東京ガーデンシアターは大混雑
大戸屋で早い夕食を済ませて、新橋駅からゆりかもめで有明まで移動した。有明駅から歩いて4分で会場である東京ガーデンシアターに辿り着けるとホームページにはあった。ここにくるまでは大晦日ということもあってか人気がまばらであったが、東京ガーデンシアターだけは別格だった。TM NETWORKのライブを見にきたファンで大混雑していたのである。皆、外で軽食を食べたりしているし、入場のための行列はどこが最後尾かわからないぐらいに人が詰めかけていた。
係の人に聞いて、自分の席の入場口にたどり着くための列の最後尾に並んだ。18:00には開場したようであるが、入場者が多いので、実際に入場できるまでそれなりに時間がかかった。
入場しても、どこの入り口が自分の席なのかがよくわからなかった。グッズ売り場でグッズを買う人の行列が会場内でも長蛇を作っていて、それが分かりづらくしている要因だった。今回はパンフレットはないという話だったので、グッズはキャンセルして、自分の指定された座席、バルコニー1の入口を探して、ようやく席に辿り着いた。
席に荷物を置いてから、トイレに行った。夕食にノンアルコールビールを飲んだため、トイレが近かったのである。トイレから戻ってきて、iPhoneをふとみると、携帯電話の電波は圏外になっていて、緊急通報の衛星通信のアイコンが現れていた。iPhoneのキャリアは楽天モバイルだから東京ガーデンシアター内は圏外なのはしょうがないな、と思って、早々に機内モードにした。
席はステージからは遠かった。ステージの横にはモニターが2つあり、TM NETWORKの3人がファミレスで談笑している映像と、デビュー40周年記念ツアーのドキュメンタリー映画の宣伝映像が繰り返し流れていた。
18:49から、不気味な低音が流れ始めた。当然誰もステージに上がってはいないのだが、すでにこの時点からライブの序章は始まっていた。そして、19:06にシアター内の照明が消え、ショーが始まった。
セットリスト
- Instrumental
- Just One Victory
- Kiss You
- Human System
- Show My Music Beat
- Still Love Her
- Looking at You
- Beyond The Time
- Good Morning Mr.Roadie
- How Crash?
- Coexistence
- Rainbow Rainbow
- Accident
- Give You A Beat
- Nervous
- Whatever Comes
- TK Solo
- Get Wild Continual
- Carry on the Memories
- intelligence Days
最初は曲名不明のインストルメンタルだった。ステージ上には映像が流れ、英語で「赤い線は、TM NETWORKのFANKS insideのフローです」的なメッセージが流れていた。
続けて、最初の曲は「Just One Victory」だった。この楽曲がトップに来るのは珍しい。「Just One Victory」が最初に来たということは、「Carol組曲」はセットリストにないことがわかる。
続けて「Kiss You」が来た。意外な位置での演奏で少々驚く。アルバム「DEVOTION」のアレンジに近いのではないかと思う。
次の楽曲は「Human System」だったが、イントロとアウトロの部分は、なんと木根尚登がベートーベンの「第9交響曲」をギターソロで弾いて、年末を音楽で祝うという趣向を凝らしていた。ステージ上のスクリーンでは「FANKS intelligence Days」で演奏された楽曲のタイトルが次々に現れ、「Just One Victory」と「Kiss You」だけは赤い文字ですでに演奏した、という意味で表現していた。
次の楽曲も木根尚登のギターから始まり、宇都宮隆もギターを抱えて、「FANKS intelligence Days」ですでに木根尚登と小室哲哉の二人でボーカルを取って発表していた新曲「Show My Music Beat」を、宇都宮隆ボーカルに修正したバージョンで披露していた。
六曲目も木根尚登と宇都宮隆のツインギターである「Still Love Her」を披露した。映像は、どことなくロンドンを思わせる風景が流れていた。冬の今、この楽曲を聴くと、心に沁みる。途中で宇都宮隆はファンに歌詞を歌わせて、会場が一体となってコーラスしていた。木根尚登のハーモニカもいい感じだった。
七曲目は予想外だった。木根尚登ボーカルでソロで「Lookig at You」を披露したのだ。ライブビデオで見た記憶はあるが、生で聞くのは初めてである。さらに驚いたことに、ステージ上に立っていたはずの木根尚登は、途中で演奏をやめ、ステージから観客の方に近づいていき、ステージの縁に座って、マイクを通さずにギター一本で弾き語りしてしまったのである。この想定外の演出にファンは興奮していた。
メンバーがステージに戻ってきて、「Beyond The Time」を演奏した。言わずと知れた「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」のエンドソングである。映像もどことなく「ガンダム」のエンディングを彷彿とさせる描写になっていた。
また、三人で新曲「Good Morning Mr.Roadie」を歌った。この楽曲もツアーの中で最初に木根尚登と小室哲哉のボーカルだけで初披露された楽曲である。今回は、宇都宮隆がボーカルを取って、木根尚登と小室哲哉がコーラスに徹するアレンジで披露された。ツアーの中で初披露された楽曲は3曲あったので、今回のライブはそれを全て披露するのかな、とこの時点で思った。
十曲目に「How Crash?」が演奏された。この楽曲が提示する問題に対する解決策は、実は良くはわからない。それを考えることが重要なのでは? という意味でこの楽曲の存在意義があると思っている。
十一曲目に「Coexistence」がきた。小室哲哉のソロなのだが、「YONMARU」の時には小室哲哉ではなく、サポートメンバーのソロ楽曲として演奏されていたと思う。今回は、小室哲哉のソロプレイで演奏されていた。映像も目まぐるしく場面が変わる中、「?」、「TM NETWORK」、「Coexistence」という文字が瞬間的に表示されていた。
次の楽曲は最初はなんの曲かわからないぐらいにイントロのアレンジが変わってしまっていた。長いイントロの後、ようやく「Rainbow Rainbow」だと分かったぐらいである。この楽曲は、ファンにコーラスをさせる箇所が多くて、会場の一体感が生まれていた。
続けて初期の楽曲が続く。セカンドアルバムから「Accident」である。この楽曲のアレンジはツアーの時にも聞いていたので、割と分かりやすかった。この楽曲もファンはサビをコーラスしていた。
小室哲哉がまたソロで演奏を始めた。次はなんの楽曲だろう? と考えていると、まさかの「Give You A Beat」である。しかも、アルバムの中ではオープニングのちょっとした小品に過ぎない楽曲がものすごい膨らんでいた。アレンジもすごいが、サンプリングボイスも興奮させるものがあった。
当然のことながら、続く楽曲は「Nervous」になる。ファンとしては大喜びである。当然、サビは皆で歌う。宇都宮隆がこの楽曲をライブで初披露した際のダンスを真似した振り付けをしてファンを喜ばせる。
十六曲目は「Whatever Comes」だった。最近の楽曲だが、アニメ「シティハンター」の映画の主題歌だったので、知名度は高い。この楽曲が歌われたあたりでそろそろライブも終盤かと思い至る。
続いたのは小室哲哉のソロである。「Coexistence」の時もソロだったが、今回のは曲名はない。とにかくテンションが上がるソロ演奏だった。
小室哲哉のソロに続けてお馴染みの「Get Wild」が演奏された。もちろん、リニューアルした「Get Wild Continual」の方である。映像はAIによるメンバーの生映像をアニメ化したものが延々と流れていたが、この効果は変な意味で印象に残った。AIが上手くアニメ化でききれていなかったので、映像が破綻していたのである。
ライブ最後の楽曲は、新曲3曲のうちの最後の一つである「Carry on the Memories」だった。当然、宇都宮隆がボーカルを取り、木根尚登と小室哲哉はコーラスという構成である。
「Carry on the Memories」のを歌い終わると、メンバーは楽器を置き、ステージ中央に集まって、スクリーンを見た。スクリーンには説明文が載っていて、「Human System」という楽曲の持つ意味が改めて提示されていた。このライブ自体は「FANKS intelligence Days」の総集編的位置付けではあるが、そのコアになっているのは、「Human System」ということなのだろう。
メンバー三人はステージから去って、スクリーンにライブスタッフのクレジットが流れ、シーケンサーで「intelligence Days」が流れて、ライブは終了した。最後に爆発音が鳴り、モニターにはWOWOWで今晩のライブの模様を放送する旨、そしてスクリーンには2025年3-4月に「YONMARU+1」のライブ開催の告知が表示されていた。
賞味2時間のライブであった。体調不良の件もあって、最初はなんか乗れなかったところもあったが、次第に魅力的な映像と照明、メンバーの演奏する楽器の奏でる音に引き込まれる思いであった。場所が有明と微妙に遠いので、行き帰りは苦労したが、2024年の大晦日に初めてこういうイベントに参加できて、楽しい思いをした。
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