SILENT NIGHT(4K UHD Blu-ray)|サイレントナイト|輸入盤DVDで観た映画のレビュー

SILENT NIGHT(4K UHD Blu-ray)|サイレントナイト|輸入盤DVDで観た映画のレビュー

SILENT NIGHT 4K UHD Blu-rayジャケット 邦題 サイレントナイト
レーベル LIONSGATE ENTERTAINMENT
制作年度 2023年
上映時間 104分
監督 ジョン・ウー
出演 ジョエル・キナマン、スコット・メスカディ、ハロルド・トレス
画面 2.00:1/DOLBY VISION
音声 DOLBY ATMOS 英語/DOLBY DIGITAL 5.1ch スペイン語
字幕 英語、スペイン語

あらすじ

2021年のクリスマスイブ。ブライアンと妻のサヤ、幼い息子のテイラーは、自宅の庭で遊んでいた。そこに抗争を続けるギャング団の車が通りかかり、ギャング団の放った流れ弾に当たったテイラーは死んでしまう。怒りに燃えるブライアンはギャング団の車を追いかけ反撃をするのだったが、リーダー格のプラヤに銃で喉を撃ち抜かれてしまい、瀕死の重傷を負う。

病院に緊急搬送されたブライアンは一命を取り留めるが、銃で撃ち抜かれた喉は回復せず、喋ることが一切できなくなった。妻のサヤも動転していて、ブライアンとの会話はスマートフォンのSMSで行うのみだった。

テイラーの復讐を誓うブライアンは、テイラーが死んだ日の1年後に当たる2022年のクリスマスイブにギャング団を壊滅させると決め、自分の体を鍛え始める。人を殺害するナイフの使い方をビデオで学び、射撃場で銃の扱い方を学び、車の運転もプロ並みの扱い方を学んでいく。ブライアンの復讐の念に耐えられなくなったサヤは、ブライアンの元を去っていく。

ブライアンは入院中、警察のベッセルの訪問を受けていた。退院した後、ベッセルの元を訪ねたブライアンだったが、ベッセルは不在だった。しかし、ベッセルの事務室にはギャング団の指名手配写真が壁一面に貼られていた。ブライアンはそれらをスマートフォンのカメラで撮影し、ギャング団の組織を覚え、誰に復讐するのかを狙い始めた。

2022年のクリスマスイブに、予定通りブライアンはギャング団への復讐を果たしに動き始める。ギャング団の抗争は激しくなり、警察も劣勢で機能不全に陥っていた。そんな中、ブライアンはたった一人でギャング団壊滅を図る。

レビュー

1980年代後半に香港で「男たちの挽歌」シリーズを監督し、1990年代後半から2000年代前半にかけて「フェイス・オフ」などのハリウッドアクション映画を演出した伝説の映画監督、ジョン・ウーが久しぶりにハリウッドに戻ってきて、斬新なるアクション映画を作り上げました。それが、この「サイレントナイト」です。残念ながら全世界での興行収入は制作費をかろうじて上回る程度でしたし、作品評価も芳しくありません。Rotten Tomatoesの批評家評価では60%ですが、観客評価は50%と低迷しています

ジョン・ウー久々のハリウッド映画でありますが、ジョン・ウー独特の激しいバイオレンスシーンや、2丁拳銃、スローモーション、ロングコートなどお馴染みのトレードマークが映画の中で登場しますので、「ジョン・ウーが帰ってきたな」という感覚をこの映画の中から感じ取ることができます。トレードマークで出なかったのは鳩が飛ぶシーンぐらいでしょうか。

この映画が独特なのは、登場人物のセリフがほとんどない点です。主人公であるブライアンはギャング団に喉を銃で撃ち抜かれたという設定ですので、喋ろうにも喋れない状況にありますし、ブライアンが会話を交わすのは息子であるテイラーがまだ生きていた時の2、3言ぐらいしかなく、それもフラッシュバック的な表現ですので、全く喋らない主人公という異様な状況が続く映画になっています。喋らないのはブライアンだけでなく、他のキャラもほぼ喋りませんので、会話が成立しない映画になっていまして、それが物語の起伏を乏しくさせている部分はあります。

会話がない代わりにあるのは多用されるBGMです。BGMを絶えず流す事で、登場人物の心境を代弁しているところがあり、それが物語の成立に大きく貢献しています。そして、BGMで中心になっているのはクリスマスイブということで、クリスマスソングというのも印象的です。クリスマスというお祝いの日にバイオレンスたっぷりのアクションが繰り広げられる様は、ある種の違和感を強調するものになっていて、独特の作風を放っています。

アクションシーンもかなり残虐です。主人公ブライアンが喉を撃たれるシーンはどぎつい描写ではありますが、その後のブライアンの復讐もギャング団がただ死んでいくのではなく、実に残忍な方法で死んでいきますので、その復讐の度合いが激しいものになっています。ブライアンもギャング団への復讐の過程で痛めつけられるのでありますが、その描写も痛みを感じるものになっていて、リアリズムを感じさせます。

映像は4K/DOLBY VISIONで収録されています。DIは4Kですのでネイティヴ4Kでの収録になっています。解像度は高精細で映像にリアリティを感じさせるものになっています。その場にいるかのような映像です。DOLBY VISIONによる色彩管理もリアリティを高める効果を生み出していて、現実世界をディスプレイを通して見ているかのような感覚に陥らせてくれます。

音響はDOLBY ATMOSで提供されています。収録されている音声がかなり小さいので、AVアンプのボリュームを通常より20dB上げないとまともに音声が聞き取れないのですが、DOLBY ATMOSによるサラウンドは実に自然で、視聴者の周囲に三次元の空間を生み出していて、リアリティがあるサラウンドになっています。天井方向への効果音も綺麗に広がります。BGMも楽器によって天井方向で鳴っていたり、リアチャンネルで鳴っていたりと、多彩な効果を生み出しています。

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