ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(HD/Netflix)
No Image | 原題 | SICARIO:DAYS OF THE SOLDADO |
レーベル | LIONSGATE HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2018年 | |
上演時間 | 122分 | |
監督 | ステファノ・ソッリマ | |
出演 | ベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリン、イザベラ・モナー | |
画面 | 2.40:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語 | |
字幕 | 日本語 |
あらすじ
アメリカとメキシコの国境は、メキシコの麻薬カルテルの手はずにより、金さえ払えばメキシコからアメリカに密入国することが簡単になっていた。そのメキシコから密入国したテロリストが、アメリカのテキサスのスーパーで自爆テロを行う。アメリカの国防総省はそれに対抗すると宣言、汚れ仕事をするマットに対して、メキシコの麻薬カルテル壊滅を指示する。マットはアレハンドロと協力して、メキシコの麻薬カルテルのリーダーの娘、イザベルを誘拐して、他の麻薬カルテルのテリトリーで解放する手筈を整えていた。メキシコに幾つかある麻薬カルテル自身を内戦状態にして、麻薬カルテル壊滅を狙ったのである。しかし、他の麻薬カルテルのテリトリーにイザベルを運ぶ途中にメキシコ警察と対峙してしまい、アメリカとメキシコの関係が危うくなったため、ミッションは中止され、アレハンドロとイザベルの殺害をマットに指示する。アレハンドロとイザベルはメキシコ側の国境で生存していて、なんとかアメリカに戻ろうとするが、麻薬カルテルに関わるテキサスの学生によって生命の危機に陥る。
レビュー
2015年に公開され、大ヒットを記録した「ボーダーライン」の続編にあたり、「ボーダーライン」でも主役を務めたベニチオ・デル・トロとジョシュ・ブローリンが再び主役を務めた作品が、この「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」です。今作はアメリカ国内と国外では配給会社が異なるようで、アメリカではSONY PICTURESが配給していますが、Netflixの日本ではLIONSGATEが配給しています。批評家の評価は前作ほど高い評価を得られませんでしたが、興行収入は製作費を少し上回り、ヒットとしてとってもいいのではないかと思います。
物語はメキシコの麻薬カルテル殲滅に向けて動き出すアメリカの組織の話になっていますが、麻薬カルテルの資金源が麻薬の売買ではなく、メキシコからアメリカへ密入国するための手付金が収入源になっている、というのが新鮮な展開であります。そして、その麻薬カルテルがアメリカに密入国を手配したために、テロリストたちがソマリアからメキシコ経由でアメリカ国内に紛れ込み、スーパーで自爆テロを起こす、というのが物語の発端であり、麻薬カルテルを壊滅させるための口実になっています。
それに乗り出すのがマットとアレハンドロであり、彼らは回りくどい方法で麻薬カルテル壊滅を狙います。というのもアメリカから直接メキシコの麻薬カルテル壊滅を起こせば、国家間の緊張を起こしかねないからです。マットとアレハンドロが起こした手はずは、麻薬カルテルのリーダーの娘、イザベルを誘拐して、イザベルを他の麻薬カルテルのテリトリーで解放して、麻薬カルテル間の軋轢を狙うという複雑な内容であります。この辺は日本語字幕があってもなかなか理解しがたい複雑な展開になっています。
しかし、マットとアレハンドロの作戦も途中でメキシコ警察が介入したことにより失敗してしまい、マットは作戦の中止とアレハンドロとイザベルの殺害を指示されます。アレハンドロとイザベルはメキシコの砂漠に取り残され、なんとかしてアメリカに戻ろうとしますが、そこでまた問題が起こり、アレハンドロの身に大きな出来事が起こります。このシーンは、予想外の展開で、この先どうなるのかと緊迫感を与えます。
一方アレハンドロとイザベル抹殺を指示されたマットは気が進まないながらもメキシコに戻りますが、そこで起きた出来事は、マットらしい行動だと思います。彼らはメキシコの麻薬カルテルを殺害しますが、この辺はテンションの上がる場面であるといえます。イザベルの命や、アレハンドロの運命など、後半に行くに従って、次第に想像を絶する展開になっていきます。
一方で物語に絡まない展開だなと感じたテキサスの学生が麻薬カルテルに雇われる話は、後半でアレハンドロとの間で重い展開になっていて、物語の展開が一致する場面で納得するところであります。その後の経過も印象的で、この学生がどうなるのか、視聴者に考える余地を残して映画は終わります。しかし、麻薬カルテルの話なのに、麻薬の売買の場面がない映画というのも珍しく、意外な映画であるといえます。
映像はHD画質ではありますが、夜のシーンや明るくない室内のシーンが多く、ストリーミングのビットレートが厳しいのか、ブロックノイズが散見されるシーンが多いです。昼間や外のシーンでは色鮮やかなシーンが多く、見ていて気持ちいいものになっていますが、夜や室内のシーンではHD画質に至っていないと言えるかと思います。音響はDOLBY DIGITAL 5.1chですが、音楽や銃撃シーン、ヘリコプターのシーンなどでサラウンド感満載の映画になっています。AVアンプのDOLBY SURROUNDモードで視聴すると、ヘリコプターのローターの音が頭上で定位するなど、イマーシヴな音響効果になっています。
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