エンジェル ウォーズ(エクステンデット・カット)(4K UHD/iTunes Movies)
No Image | 原題 | SUCKER PUNCH:EXTENDED CUT |
レーベル | WARNER BROS. HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2011年 | |
上演時間 | 128分 | |
監督 | ザック・スナイダー | |
出演 | エミリー・ブラウニング、アビー・コーニッシュ、ジェナ・マローン | |
画面 | 2.40:1/DOLBY VISION | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語 | |
字幕 | 日本語 |
あらすじ
ベイビードールの母親が死去し、遺言に「遺産は二人の娘に譲る」と書いてあった。それを知った継父は怒り狂い、ベイビードールを精神病院に入院させてしまう。精神病院ではロボトミー手術が待っていて、少女たちはダンスを顧客に披露する役割を担っていて、ベイビードールもその役割を与えられる。ベイビードールがダンスを始めた時、彼女は別の次元の世界にいて、そこでは新たなミッションを与えられる。その世界で「地図」、「炎」、「ナイフ」、「鍵」を入手すれば、現実世界でもそれらのアイテムを入手できるというのである。それを知ったベイビードールは、現実世界でアイテムを入手してロボトミーを仕掛けようとする病院から脱出しようと、少女たちにも呼びかけ、彼女の世界に引き摺り込む。そして、病院から脱走するための戦いが始まった。
レビュー
「300」や「ウォッチメン」などの監督で知られるザック・スナイダーが、自身の脚本を元に少女たちが空想の世界で壮絶な戦いをするというアクション大作がこの「エンジェル ウォーズ(エクステンデット・カット)」です。残念ながら評価はそんなに高くなく、興行収入も制作費に届かず、失敗作とみなされている作品であります。今回は、劇場公開版ではなく、ビデオ化された時に追加シーンを加えた拡張版での鑑賞になっています。
物語は二重の世界を描くものになっています。一つの世界は現実の世界で、ベイビードールが継父の作戦で精神病院に入れられ、ロボトミー手術を受けるまでのわずかな時間で、この病院から脱出を狙うためのアクションを他の入院少女たちと協力して動くというものです。もう一つは、ベイビードールがダンスをしている間に描かれる空想の世界で、そこではベイビードールや少女たちが激しいバトルを様々な世界で繰り広げるというものになっています。
ベイビードールが何を考えているのかが実はあまり描かれておらず、物語の主人公としては物足りないところがあるのですが、ベイビードールをはじめとして入院少女たちが空想の世界で激しいバトルを繰り広げるという展開は、日本のアニメに影響を受けたのではないかと思わせるぐらいによく似ているところがあります。彼女たちを導く男性にスコット・グレン演じる上司が登場することは、インパクトがあると言えます。
その一方で現実世界の精神病院では、登場するキャラクター、特に男性キャラのゲスぶりが目立っており、それがひどいために少女たちに感情移入させる要素になっているかと思います。精神病院の管理者であるブルーをはじめとして、食堂のコック、ダンスを見に来る市長など、その変質めいたキャラクターには、同情の余地はなく、少女たちが彼らをどうお仕置きするかに期待がかかるものになっています。
物語が進むにつれ、少女たちに試練の時がやってくるのですが、その中でベイビードールが最終的には主人公から降りてしまい、スイートピーに視点が変わっていくのは、意外な展開であると言えます。ベイビードールの最後は物悲しいものがあり、それが印象に残るところであります。また、入院少女たちの運命もそれぞれ過酷なものであり、あまり救いがないかなと感じる点でもあります。
映像は4K UHDでかつDOLBY VISIONで収録されています。マスターが2Kのデジタルであるためか、解像度はそんなに高くはないですが、それでも映像の魅力には逆らえないところがあります。色彩がカラフルなわけではなく、どちらかというとモノトーン的な色調が強いのですが、それでもシーンによってはHDRが映えるシーンも多々あり、4K UHDでDOLBY VISIONの規格が生きている部分があると言えます。音響はDOLBY DIGITAL 5.1chですが、諸事情によりAVアンプのサイレントシネマによるバーチャル・ヘッドフォンでの聴取になります。5.1chをバーチャルで2chに押し込めているのですが、音の空間的広がりはかなりあり、意外とリアリティを感じる部分はあります。重低音は思ったほど出ていませんが、それでもワイドレンジでの収録には迫力を感じるところであります。
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