アバウト・タイム 〜愛おしい時間について〜(HD/Netflix)
No Image | 原題 | ABOUT TIME |
レーベル | UNIVERSAL STUDIOS HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2013年 | |
上演時間 | 123分 | |
監督 | リチャード・カーティス | |
出演 | ドーナル・グリーソン、レイチェル・マクアダムス、ビル・ナイ | |
画面 | 2.35:1/SDR | |
音声 | DOLBY DIGITAL PLUS 5.1ch 英語 | |
字幕 | 日本語 |
あらすじ
ティムは家族に囲まれ、幸せな人生を歩んでいた。ティムが21歳になった時、ティムの父がティムの家系にまつわる秘密を話し出す。それは、ティムが暗闇に行って拳を握り、自分が経験した場面を思い出すと、その経験をやり直せる、というものだった。一種のタイムトラベルなのだが、世界の歴史には影響は与えず、ティム個人にまつわる部分だけ歴史をやり直せる、というものだった。ティムは家を出てロンドンで弁護士として働き出し、あるパーティでメアリーという女性と出会い、恋に落ちる。メアリーと一緒にいたいティムは、メアリーとの交際で失敗するたびにタイムトラベルをして経験をやり直し、二人は結婚をして子供をもうける。ある時、ティムの妹のキットカットが交通事故で入院したことを受けて、ティムはキットカットにタイムトラベルの秘密を話し、キットカットの人生をやり直させるが、それにはティムの子供にも影響を与えてしまい、結局キットカットの人生をやり直させることは中止する。その後、ティムの母からティムに父の病気のことを聞かさせ、父と共に人生のやり直しを行いながら、父との絆を強くする。
レビュー
リチャード・カーティス監督によるタイムトラベル&ロマンティック・ラブ・コメディ映画が、この「アバウト・タイム 〜愛おしい時間について〜」です。大作映画ではく、小規模の佳作と言ってもいい作品ではあります。劇場公開時には興行収入は製作費を上回り、スマッシュヒットを放っています。批評は水準並みですが、Rotten Tomatoesの批評家評価は69%なのに対し、観客評価は81%と、比較的好意的に取られています。
物語は、タイムトラベル物と、ロマンティック・ラブ・コメディを組み合わせたものになっていますが、タイムトラベルの影響が主人公であるティム個人とティムと関わった人に対してのみ受けるという展開のため、話的には大袈裟にならずにティムの人生観を淡々と描いたものになっていると言えます。ティムは21歳を迎えて、父から自身にタイムトラベルの能力を持っていることを聞かされますが、これがティムの家系の男性のみに与えられた能力であることが、ティムの主役感を強く印象付ける展開になっています。
物語はティムがメアリーという女性に恋をして、メアリーと一緒にいたいがためにタイムトラベルを繰り返して自身の歴史をやり直し、最終的にはメアリーと結ばれ、結婚をして、子供を授かるというところまでいきます。メアリーもチャーミングな女性で、観客に対しても魅力を放っていますが、ティムがメアリーに恋するのが納得する設定になっています。
しかし、ティムのタイムトラベル能力自体にも限界があることにティムは気づきます。自身の妹であるキットカットが交通事故を起こしたことを受けて、キットカットと共にタイムトラベルをして事故をなかったことにしてしまうのですが、そのタイムトラベル自体がティムの子供にも影響を与え、もともと女の子の赤ちゃんだったティムの子供が男の子の赤ちゃんに変わってしまいます。そのため、キットカットが事故を起こすのは避けられない事実としてティムは受け入れざるを得なくなります。
さらにティムの父が病気で余命が長くないことが判明します。ティムは父と共にタイムトラベルをして何回も親子の交流を交わしますが、ティムに新しい子供が授かったことを受けて、子供に影響を与えないため、父と永遠の別れをすることになります。この辺は切ない展開かなと思います。ティムの父もそれはわかっていたようで、ティムと共に最後のタイムトラベルをして、ティムと交流を深めます。
映像はHD/SDRで収録されています。マスターデータが2Kなので、HDでも劇場の上映スタイルとそう大きな変化はないと思っています。ただ、色に関して言えば、劇場は色彩豊かなのに対し、Netflix版の配信では、色の鮮やかさが足りないところはあります。ティムがメアリーと初めてであったパーティ会場は真っ暗で、豆電球だけが光っている状態ですので、映像的にはインパクトを与えます。ティムをはじめその他の人物の姿が全く見えず、豆電球だけが映っている状態は、映像表現として面白いと思います。音響はDOLBY DIGITAL PLUS 5.1chで収録されていて、テイムを始めとする登場人物の会話がサラウンドを活用して移動するなど、うまいサラウンドの使い方をしていると言えます。
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