AWAKE/アウェイク(DOLBY VISION/Netflix)
No Image | 原題 | AWAKE |
レーベル | Netflix/ENTERTAINMENT ONE | |
制作年度 | 2021年 | |
上演時間 | 96分 | |
監督 | マーク・ラソ | |
出演 | ジーナ・ロドリゲス、アリアナ・グリーンブラット、フランシス・フィッシャー | |
画面 | 2.00:1/DOLBY VISION | |
音声 | DOLBY ATMOS 英語 | |
字幕 | 日本語 |
あらすじ
病院で働いていたジルは、廃棄された薬を密かに持ち出し、ドラッグディーラーに売り捌くことで、小遣い稼ぎをしていた。そんなジルには二人の子供がいたが、ジルの母親に親権が渡っていた。ジルの母親に用事ができたために、二人の子供ノアとマチルダを預かり、車で移動していた。その途中、突然停電が起こり、車まで影響を受けて交通事故を起こしてしまい、車は川に水没してしまう。マチルダは一旦仮死状態になるが、警官の蘇生術により息を吹き返す。その後、ジルたちは周りの人間全てが全く眠れないことに気づく。睡眠が取れないと、人間は行動がおかしくなっていく。眠れない人々が増える中、マチルダだけは眠ることができた。それを知った周りの人は、マチルダに手を出そうとする。それを阻止するジルは、ノアの助けもあって、軍が確保している一人だけ眠れる人間を管理しているハブにたどり着こうとする。その途中で様々な危機があり、刑務所に入っていたダッジという男とも合流してハブに辿り着くジルたちだったが、そこも異常事態が起きていた。
レビュー
NetflixがENTERTAINMENT ONEとともに製作したSFスリラーが、この「AWAKE/アウェイク」です。Netflixオリジナル映画として配信されましたが、映画批評家、観客ともに評価は低く、ROTTEN TOMATOESでのスコアは、批評家が32%、観客が31%と散々な評価を得ている作品です。一応全世界では劇場公開をした国もあるようですが、この興行収入もかなり低レベルの収入しか稼げず、失敗作として評価されています。
映画は、一種のゾンビ物と見てもいいかと思います。ある日、突然停電が起こり、その後登場人物全てが眠れなくなる、という展開が繰り広げられます。眠りを取れない人間は、次第に精神に異常をきたして、主人公たちに襲いかかるという話で、死者が生き返るゾンビではないものの、ほぼゾンビ物の展開を踏襲している映画であると言ってもいいでしょう。
眠れないのは、主人公のジルと息子のノアも同様ですが、主役であるためか、眠れないがための精神の異常の発症をなかなか起こさず、物語的には違和感を感じるところであります。ただ、ジルの娘マチルダだけはなぜか眠れるので、ジルはマチルダを守るべく奮闘するという、モチベーションを保っているのが特徴です。マチルダが眠れると知った眠れない人々は、マチルダにあやかろうと彼女に襲い掛かろうとしますが、ジルがそれを防御するという展開になっています。
物語はマチルダのほかに眠りを取ることのできる人に会いにいくために、その人が確保されているハブにジルとノア、マチルダが旅をするという話になっていますが、ハブではマチルダが実験体にされてしまいそうになります。それをジルがどう助け出すかが鍵ですが、ハブでの軍隊の異常行動が物語のクライマックスになっていて、救いのない展開になっています。
物語のラストで、マチルダとノアは、自分たちが眠れる理由を推測し、ジルに対してある行為をしますが、それが正しかったのかどうかは、視聴者の想像に委ねられているのが、物語の完成度を下げている感じはします。個人的にはその行為は正しい行為であると思っていますが、実際に正しい行動だったとして、眠れない人々をどう救うのかが見えないので、救いのない展開になっていると思います。
映像は4K/DOLBY VISIONで収録されています。自宅の環境の関係からHDR10での視聴になりますが、映像は高精細で、カラーコントラストが芳醇な色彩を放っていて、見ていて爽快な気分になれます。アスペクト比が2.0:1という変則比率になっていて、画面いっぱいに映像が広がる効果はあると思います。音響はDOLBY ATMOSで収録されていて、特に物語前半の交通事故のシーンで、音がぐるぐる回る効果を発揮しています。その他にもイマーシヴなサラウンドが随所で発揮され、聞き応えがあるといえます。
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