チャイナタウン(4K UHD/iTunes Movies)
No Image | 原題 | CHINATOWN |
レーベル | PARAMOUNT PICTURES HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 1974年 | |
上演時間 | 131分 | |
監督 | ロマン・ポランスキー | |
出演 | ジャック・ニコルソン、フェイ・ダナウェイ、ジョン・ヒューストン | |
画面 | 2.40:1/DOLBY VISION | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語 | |
字幕 | 日本語 |
あらすじ
私立探偵のジェイク・ギテスは、モウレーという女性から、自分の夫の女性関係についての調査を依頼される。モウレーの夫はロサンゼルスの水道局に勤めていて、新たなダムを建設する計画をめぐって地元住民と紛糾していた。ジェイクはモウレーの夫を調査し、若い女性と密会している現場を写真に撮る。しかし、その写真が新聞に掲載される。その新聞によってジェイクはモウレー夫人と会うのだが、初めにジェイクに調査を依頼した女性とは全く違う人だった。その後、モウレーの夫は溺死体で発見される。ジェイクは次第にダムの建設にまつわるモウレーの夫とモウレーの父クロスとの関係から、話が複雑になっていることを突き止めていくが、彼自身もそれによって脅迫を受ける。ジェイクは次第にモウレー夫人と関係を持つようになり、彼女の秘密を知っていくことになる。モウレー夫人はロサンゼルスを離れ、メキシコで静かに暮らそうとしていたが、彼女の父と警察が彼女を追い詰めていく。
レビュー
ロマン・ポランスキー監督が、廃退的な映像美を提供し、フィルム・ノワールな映画を制作・公開したのが、この「チャイナタウン」です。映画としての評価はかなり高く、批評家、観客ともに高評価を上げ、興行収入も大成功を収める結果になっています。また、この映画はアカデミー賞で脚本賞を受賞していて、その出来の高さを伺うことができます。1990年にはこの映画の続編「黄昏のチャイナタウン」がジャック・ニコルソンの監督、主演で製作されています。
映画はハードボイルドな探偵物であります。主人公はジェイク・ギテスという私立探偵で、彼がモウレー夫人から夫の浮気調査を依頼されるところから、物語は始まります。ジェイクをジャック・ニコルソンが演じていることで、独特の雰囲気が漂ってくるのがわかる映画になっています。ジャック・ニコルソンという俳優の独特感が映画に色付けをしています。
モウレー夫人の夫の浮気調査は最初簡単かと思われたのですが、彼が死体で発見され、それが他殺ではないかと疑われるあたりから、物語は複雑化していきます。モウレー夫人の夫はロサンゼルスの水道局で働いており、ダム建設について一言持っていたのですが、それが原因で他殺されることが後々明らかになり、水道の利権を握る人々の闇が見え隠れします。
また、ジェイクは事件を調査するうちにモウレー夫人と関係を持つようになりますが、モウレー夫人にはいろいろ秘密があり、それが白日のもとに明らかになるにつれ、モウレー夫人の人生の破滅性が見え隠れするようになります。彼女の人生は、不幸の連続であると言わざるを得ず、それは父であるクロスのせいでもあり、クロスと共同で仕事をしていた夫のせいでもあります。
物語のタイトルである「チャイナタウン」とは、物語のクライマックスの舞台になっているロサンゼルスのチャイナタウンのことを指しますが、その一方で中国人の話を例えに出して浮気を正当化するギャグを飛ばすジェイクの話とも関係してきます。クライマックスのチャイナタウンでの出来事は、物語が破滅的に解決していく展開であり、深い印象を残します。
映像は4K/DOLBY VISIONで提供されています。システムの都合上HDR10で鑑賞していますが、廃退的な映像を作るためか、色調はあまり鮮やかではありませんが、その分物語の雰囲気にあっている感触はあります。1974年の映画ということもあり、フィルムからの4Kテレシネではありますが、フィルムに特有のグレインはほとんど見られず、解像度も十分に出ています。音響はオリジナルの劇場公開時にはモノラルオーディオでしたが、おそらくDVDがリリースされた時に製作されたと思われるDOLBY DIGITAL 5.1chで収録されています。空間オーディオとしては十分な広がり感がありますが、年代的な音のナロー感まで取り除くことはできず、聞いていてきつい感じはします。その分古い映画を見ている感覚は味わえます。
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