ガタカ(HD/Netflix)
No Image | 原題 | GATTACA |
レーベル | SONY PICTURES HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 1997年 | |
上演時間 | 106分 | |
監督 | アンドリュー・ニコル | |
出演 | イーサン・ホーク、ユマ・サーマン、アラン・アーキン | |
画面 | 2.39:1/SDR | |
音声 | DOLBY DIGITAL PLUS 5.1ch 英語 | |
字幕 | 日本語 |
あらすじ
近未来、人間は子供の出産に遺伝子操作をして、疾病を持ったまま生まれないようにしていた。あるアベックはその遺伝子操作をせずに子供を作り、出産する。生まれた子供、ヴィンセントは遺伝的に疾病を多数抱えていて、30.2歳までしか生きられないと宣告される。子供の頃のヴィンセントは病弱で、両親に心配をかけていた。両親はヴィンセントに弟を作ろうとし、今度は遺伝子操作をして、疾病のない健康体を持った弟、アントンが生まれる。子供の頃からヴィンセントとアントンの体力の差は歴然で、遠泳をすると必ずアントンが勝っていた。ヴィンセントはいつの頃からか、宇宙飛行士になる夢を持っていたが、病弱な体では遠い希望だった。しかし、アントンに遠泳競争で初めて勝ったことをきっかけに、宇宙に行くための準備を始める。何年か清掃の仕事をして、宇宙に行くためにガタカ社に入社するために、健康な遺伝子を持った半身不随の元水泳選手ジェロームと接触し、ジェロームになりすましてガタカ社に入社する。ジェロームの血液や尿、髪の毛などを検査のたびにこっそり自分のものと入れ替えて、ジェロームになりすましたヴィンセントは、ようやく後1週間で土星のタイタンに行くチャンスを得る。しかし、社内で殺人事件が起こり、容疑者特定の遺伝子チェックにより、ヴィンセントは正体がばれそうになる。ヴィンセントはアイリーンという女性と知り合い、彼女と親密になっていくが、正体は隠したままだった。
レビュー
アンドリュー・ニコルが初めて監督、脚本を担当したデビュー作が、この「ガタカ」です。SF映画として公開されましたが、残念なことに製作費が36百万ドルかかっているのにもかかわらず、北米の興行収入が12.5百万ドルしか稼げず、失敗作とみなされています。しかし、Rotten Tomatoesの批評家評価は83%、観客評価は87%と比較的高い評価を得ていて、IMDbでもファン投票で10点満点で7.8点と高い評価を得ている作品であります。実際SFスリラー映画としては佳作であると視聴して感じるところがあります。
映画は近未来、人間の優劣が遺伝子の欠点のなさ度加減で決めつけられる世界を描いています。遺伝子の欠陥をなくすため、子供を産むときから精子と卵子に遺伝子操作をして、欠陥のないようにしているところが、ある種管理国家になってしまった世界を描いていると思います。その中で両親が遺伝子操作をしないで生まれた子供がヴィンセントであり、映画の主役になります。遺伝子に欠陥を持っており、余命が30.2歳で尽きるという検査結果を突きつけられているヴィンセントは、何かに取り憑かれたように宇宙飛行士になる夢を徐々に叶えていきます。
遺伝子に欠陥のあるヴィンセントが宇宙飛行士になれるわけはないのですが、闇取引で事故により歩くことのできなくなった元水泳選手ジェロームの血液や髪の毛、皮膚、尿等を使うことにより、ヴィンセントはジェロームという遺伝子的に優秀な人物になりすませて、宇宙飛行士になっていきます。そして、宇宙に行くためにガタカ社に入社して、宇宙を目指すようになります。このヴィンセントとジェロームの関係が次第に友情関係になっていくところは、物語の見どころであると思います。ジェロームが歩けなくなった自分の代わりにヴィンセントが宇宙に行く夢を叶えるために、自分の体を貸しているところなどは、彼のヴィンセントに対する希望なのだと思います。
ヴィンセントはガタカ社に入社して、宇宙を目指しますが、ヴィンセントの上司がヴィンセントがジェロームに成りすませていることを疑っていて、何者かによって殺害されたことから、ヴィンセントの正体がばれそうになっていきます。この辺はSFというよりサスペンスになっているなと思います。そして、ヴィンセントと交流を保つことになるアイリーンという女性との関係は、ヴィンセントの心境の変化を表していると思います。ヴィンセントを疑う警察が、ヴィンセントの弟であるアントン率いるチームであることなどは、ヴィンセントとアントンの関係を示唆していて、興味深いものがあると思います。
クライマックスでは、ジェロームの結末と、ヴィンセントの結末が描かれていますが、切ないラストで終わっているといえます。寿命である30歳を超え、いつ、命が尽きてもおかしくないヴィンセントが、宇宙に行くところなどは、彼のその後を示唆するような終わり方になっていて、悲しい気分になります。また、ジェロームも自分の人生に幕を閉じる行動をしますので、彼の人生に想いを馳せ、切なくなります。
Netflixの映画会社から買い付けた映画はHD画質であることが多く、この「ガタカ」もHD画質で配信されています。解像度はHDで止まっていますが、それなりに高画質であると思います。また、色合いが独特の黄色がかった映像を主体に原色がよく表現されているシーンが多く、映画の雰囲気を漂わせる様子が明らかです。音響はDOLBY DIGITAL PLUS 5.1chですが、EXOFIELD THEATERのDOLBY SURROUNDモードで視聴すると、登場人物の会話のエコー音とか、ロケットがテイクオフするシーンなどで天井に響くようなサラウンドをしています。明らかに5.1chのサウンドフィールドを超えたサラウンドを構築しているといえます。
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