アラビアのロレンス(4K UHD/iTunes Movies)
No Image | 原題 | LAWRENCE OF ARABIA |
レーベル | SONY PICTURES HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 1962年 | |
上演時間 | 227分 | |
監督 | デビッド・リーン | |
出演 | ピーター・オトゥール、アレック・ギネス、アンソニー・クイン | |
画面 | 2.20:1/DOLBY VISION | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語 | |
字幕 | 日本語 |
あらすじ
第一次世界大戦で、トルコはドイツと手を組み、アラビアに圧力をかけていた。そのことを重視したイギリス軍は、ロレンス少尉をアラビアに派遣する。ロレンスはアラビアの部族の長ファイザルと会談し、トルコに対して反撃をかけようとする。トルコが支配していたアカバという街をロレンスたちは奪還しようと、砂漠を延々と渡り、陸地から攻撃する。アカバは海からの攻撃には備えていたが、陸地からの攻撃に対しては無力だったのである。アカバはロレンスたちが支配することに成功する。ロレンスはアラビアの中で信用されるようになり、次第にトルコ攻略のリーダーとして頭角を表す。しかし、ロレンスを利用しようとするイギリス軍や対立するアラビアの部族たち、ロレンス自身の自惚れから、次第に事態は複雑化していく。
レビュー
1963年のアカデミー賞で作品賞、監督賞を含む7部門制覇という偉業を成し遂げた傑作映画が、この「アラビアのロレンス」です。製作費は当時としては破格の15百万ドルを費やして撮影されていますが、北米での興行収入は45百万ドルを稼ぎ出し、大ヒットを記録しています。名作映画としての評価も高く、Rotten Tomatoesの批評家評価では93%、観客評価も93%と極めて高い評価を得ています。さらにIMDbでは人気作トップ250作の中で、103位に位置する高評価を得ています。
映画は、T.E.ロレンスという実在の人物の手記を元に映画化しています。実は実話物なのですが、映画はハリウッド黄金期の映画らしく、大作映画として、その存在感を確立しています。実話ということで、映画の出来事は実際に起こったことになりますが、そうには見えないぐらいに物語が筋が通っていて、主人公ロレンスの孤独感、自惚れ、自信喪失といった心境の変化が、アラビアの砂漠の中で克明に描かれています。
映画は第一次世界大戦が背景にあります。ただ、第一次世界大戦のドイツ対イギリスという構図はメインには出て来ず、ドイツと手を組んだトルコと、トルコに押されているアラビアという対立が物語の主軸になっています。その中に入り込んだロレンスは、アラビアの民を率いて、トルコの圧政に対して反撃し、次第にアラビア有利の情勢を作っていくことになります。
そのロレンスですが、アラビアを深く思っているものの、所属するイギリス軍の上層部に利用され、また、アラビア自体も対立する部族がロレンスを利用して自身の部族を有利に導こうとする所などから、ロレンスは次第に失望へと変わっていくところが、物語の展開上、興味深いところがあると言えます。そのロレンスを含め、人々の思いを飲み込むのがアラビアの砂漠であり、砂漠の描写が映画の主題を描写しているようにも思います。
上映時間が227分と長いので、映画には途中で休憩時間が入ります。映画館だと本当に休憩時間になるのですが、ビデオ化されると、休憩時間は視聴者が映像のポーズをしない限り作れません。長時間の上映なのでトイレ休憩等は必要で、この途中休憩の場面は貴重な状態になっています。最近の映画だと休憩時間がない長時間上映の映画がいくつもあり、結構疲れるものですが、この「アラビアのロレンス」は休憩できて疲れは取れます。
映像は4K/DOLBY VISIONで収録されています。元々は65mmのフィルムで撮影されているので、4Kはネイティブ4Kで収録されていて、素晴らしい高精細な映像を提供しています。また、HDRの効果も十分に出ていて、アラビアの砂漠と熱い太陽のコントラスト、トルコの街の色彩、イギリス軍の舞台の映像などで威力を発揮しています。音響は劇場公開時には磁気の6トラックサラウンドで公開されましたが、DVDリリースの時に5.1chサラウンドにリミックスされ、今回のiTunes Moviesでのデジタル配信もDOLBY DIGITAL 5.1chサラウンドで提供されています。音質は硬い感じで高音がきつい印象があり、またサラウンドも不自然な感じはしますが、1962年のオリジナルのテープからリミックスしたにしては、それなりの効果を発揮するサラウンドになっています。
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