ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(4K UHD/Netflix)
No Image | 原題 | ONCE UPON A TIME… IN HOLLYWOOD |
レーベル | SONY PICTURES HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2019年 | |
上演時間 | 161分 | |
監督 | クエンティン・タランティーノ | |
出演 | レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット、マーゴット・ロビー | |
画面 | 2.39:1/HDR10 | |
音声 | DOLBY DIGITAL PLUS 5.1ch 英語 | |
字幕 | 日本語 |
あらすじ
1969年のハリウッド。TVドラマのスターだったリックと、そのスタントダブルであるクリフは、次第に仕事が少なくなっており、悪役の演技ばかり求められるようになる。リックの元にはマカロニウエスタンに出演するよう依頼が来るが、リックはそれを拒否していた。先行きが暗い二人だったが、悪役の仕事は引き受け、演技を絶賛される。リックの近所にはロマン・ポランスキーとその妻シャロン・テートが住んでいた。しかし、リックとの近所付き合いはなかった。クリフは、街でヒッピーをヒッチハイクさせ、彼女が住む屋外撮影所で、多数のヒッピーたちと出会うが、世界が違っていた。リックは最終的にはマカロニウエスタンに出演し、それがヒットする。ハリウッドに凱旋帰国したリックとクリフは、コンビを組むことはできなくなっていた。そして、ヒッピーたちがクリフとリックに襲いかかる。
レビュー
「レザボア・ドッグス」、「パルプ・フィクション」のクエンティン・タランティーノが、監督、脚本を担当した彼の9作目の映画が、この「ワンス・アポン・ア・タイム・ハリウッド」になります。1969年のハリウッドを描いたこの作品は、製作費が90百万ドルかかっていますが、北米の興行収入だけで142百万ドルを稼ぎ出していて、成功作として認識されています。また、Rotten Tomatoesの批評家評価は85%、観客評価は70%と、比較的高い評価を得ています。
映画は1969年のハリウッドの内幕を、虚実入り乱れて描いている作品になっています。実在の人物が登場し、歴史を感じるものになっています。その実在の人物の中には、ロマン・ポランスキー監督とその妻シャロン・テート、ブルース・リーなど、映画好きならば楽しめるような設定になっています。ただ、ブルース・リーの描き方については、彼の遺族が「描写がおかしい」と批判をぶつけたことでも話題になっています。シャロン・テートについても、現実の世界では殺されてしまうのですが、映画では殺人者がシャロン・テートに向かわずにリックとクリフに向かうところが、虚実入り乱れているところかなと思います。
物語は、TVスターだったリックとそのスタントダブルであるクリフの友情と、落ち目の彼等の逆転人生を描き出すものになっています。その二人の会話が、タランティーノお得意の会話劇で済ませていて、詳細に二人の関係を描き出しているところが、物語のポイントであると言えます。リックはTVスターでしたけれど、仕事も少なくなっており、役にありつけなくなっています。リックが役にありつけないということは、そのスタントダブルであるクリフにも仕事が回ってこないということであり、二人の人生に対する焦りが感じられます。
その二人の生活を中心にして、1969年のハリウッドの世界をじっくり描いているところがこの映画の特徴で、ハリウッドが映画、TVドラマの中心である現実を映画の世界の中で、見事に描き出しています。劇中劇も多数登場しますが、その中ではTV画面サイズの4:3の画面だとか、モノクロの画面だとか意図的に劇中劇であることを知らしめる役割を果たしています。
物語後半では、リックとクリフはイタリアに渡り、マカロニウエスタンに出演し、成功を収めることになりますが、その時点でリックとクリフの友情には修復不能な状態に陥っていて、二人は別れようとします。その時にヒッピーたちが襲いかかってきて、二人が撃退するという唐突な展開の中で、物語は終わりを告げることになります。おそらく、この展開は現実ではシャロン・テート殺人事件につながる展開だったのだと思いますが、映画ではリックとクリフに襲いかかる展開に変わっています。
Netflixが映画会社から買い付けた映画はほとんどがHD画質なのですが、一部SONY PICTURESの映画は4K UHD画質であることがあります。この映画も4K UHDで映像が提供されていて、高精細な画質を提供しています。マスター・フォーマット自体が4Kですので、ネイティブ4Kでの映像になっていて、HDRの効果とともに、華やかなハリウッドを描写するのに成功しています。音響はDOLBY DIGITAL PLUS 5.1chサラウンドで、音の移動感や、空間的騒音が視聴環境を満たすようなサウンドデザインをしています。
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