クワイエット・プレイス(4K UHD/iTunes Movies)
No Image | 原題 | A QUIET PLACE |
レーベル | PARAMOUNT PICTURES HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2018年 | |
上演時間 | 90分 | |
監督 | ジョン・クラシンスキー | |
出演 | エミリー・ブラント、ジョン・クラシンスキー、ミリセント・シモンズ | |
画面 | 2.39:1/DOLBY VISION | |
音声 | DOLBY ATMOS 英語 | |
字幕 | 日本語 |
あらすじ
世界はある日突然に音に対して反応するクリーチャーの襲撃を受け、多くの人々がこの世を去った。イヴリンとジョーの夫婦は、子供たちと音を立てない生活を強いられながらも、なんとか生き延びていた。しかし、末息子が雑貨店で見つけたおもちゃが音を出してしまったので、末息子は、イヴリンとジョー、子供たちの目の前でクリーチャーに殺されてしまう。それから約1年が経ち、イヴリンはお腹に新しい命を宿していた。相変わらずクリーチャーは世界を跋扈し、イヴリンとジョー、子供たちは音を立てない生活を続けていた。会話も娘であるリーガンが耳が聞こえないこともあって、手話で成り立っていた。ジョーは息子のマーカスと共に川に魚を取りに行ったときに、イヴリンは破水してしまい、赤ん坊が生まれてしまう。その音を聞きつけて、クリーチャーはイヴリンに迫るが、ギリギリのところでクリーチャーの攻撃を交わす。一方ジョーと関係がうまく行かないリーガンは、家を出て末息子の墓におもちゃを置いてくるが、異変に気づき、家に戻る。そしてマーカスと再会し、危機を知らせようとする。
レビュー
低予算のホラー映画ながら、全米公開時に大きな話題になり、大ヒットを記録した作品が、この「クワイエット・プレイス」です。製作費は17百万ドルしかかかっていませんが、興行収入は188百万ドルも稼ぎ出していて、2021年に続編の「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」が公開されるほどの人気を誇っています。Rotten Tomatoesの評価でも、批評家の評価は96%と極めて高い評価を得ていて、観客評価も83%とこちらも高評価を得ている作品です。
この映画が斬新なのは、「音を立ててはいけない」という設定にあるかと思います。音を立てると音に敏感なクリーチャーが襲いかかってくるので、主人公たちは物音を立てないよう静かに生活を行い、主人公たちの娘であるリーガンが耳が聞こえないという設定もあって、手話で会話を交わすという斬新な手法で物語を進めていきます。登場人物のセリフが手話のため、セリフが極端に少ないというのは、とてもインパクトある設定かと思います。
その主人公であるイヴリンとジョーの夫妻は、クリーチャーによって末息子を殺されるという悲劇を生み出してしまいます。末息子がジョーが取り上げたおもちゃをリーガンによって再び手にして、思わず鳴らしてしまうところと、その音のためにクリーチャーが反応して末息子を抹殺してしまうシーンは、結構怖い展開だと思います。そして、その事件がリーガンとマーカスの子供たちに強い影響を与えているところは、物語の核になっている展開かと思います。
ただ、見ていて疑問なのは、クリーチャーが跋扈している状況で音を出さないよう生活しているはずなのに、イヴリンが子供を宿してしまうところにあり、そもそも夫婦生活と赤ん坊という音を出す最たるものをなぜ行ってしまうかな、と疑問も生じます。赤ん坊の鳴き声は当然クリーチャーを惹きつける要素になってしまい、イヴリンが赤ん坊と危機に陥る展開は、やっぱりそうなるかと思わざるを得ません。
耳が聞こえないために補聴器を装着しているリーガンは、父であるジョーが作り上げた新しい補聴器を耳につけていますが、これが唯一クリーチャーに衝撃を与えうる武器になっているところは、面白い展開だと思います。手話で会話するという斬新さと同時に、クリーチャーの襲撃を補聴器が撃退するという展開は、面白い効果を発揮しています。
映画は90分という短い上映時間なので、テンポよく進んでいきます。ラストは、まだ続きがあるかのような終わり方をしていて、それは多分「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」で描かれると思うのですが、生き残った主人公たちが今度はどういうクリーチャーとの戦いに挑むのかは、気になるところであります。クリーチャーはCGで描かれていて、悍ましい姿をしているので、主人公たちがクリーチャーを倒すと、安堵感を感じます。
映像は4K/DOLBY VISIONで収録されています。マスターが2Kなので、アップスケール4Kになりますが、解像度は十分にあると感じます。また、HDR10による色彩の拡大は、臨場感を豊かにしています。クリーチャーのCGのアラを隠すためか、夜のシーンでクリーチャーが姿を表し、恐怖感を煽るようになっています。音響はDOLBY ATMOSでミックスされていて、クリーチャーが家の中で動き回るシーンなどで、頭上を移動しまくっているところなどに三次元サラウンドの効果を発揮しています。また、環境音も頭上から聞こえるシーンが多く、ATMOSの効果はかなりあるといってもいいでしょう。
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