ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット(4K UHD/iTunes Movies)
No Image | 原題 | ZACK SNYDER’S JUSTICE LEAGUE |
レーベル | WARNER BROS. HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2021年 | |
上演時間 | 242分 | |
監督 | ザック・スナイダー | |
出演 | ベン・アフレック、ヘンリー・カヴィル、エイミー・アダムス | |
画面 | 1.33:1/DOLBY VISION | |
音声 | DOLBY ATMOS 英語 | |
字幕 | 日本語 |
あらすじ
強敵であるドゥームズデイを倒すために共同で戦っていたバットマン、スーパーマン、ワンダーウーマン。ドゥームズデイをかろうじて倒すことに成功するが、その戦いでスーパーマンも命を落とす。そして、その戦いから「次の強敵が来る」と確信したバットマンことブルース・ウェインは、世界に散らばるヒーローたちを集結させ、新たなる脅威に備えようとする。しかし、ブルースのもくろみとは裏腹に、スーパーヒーローたちは過去にいろいろな問題を抱え、ブルースの誘いに乗ってこなかった。その頃、異星人であるステッペンウルフが地球にやってきて、アトランティス人、アマゾン人、地球人が保護していたマザーキューブを手に入れようと、暗躍する。3つのマザーキューブが一体化すると、暗黒の帝王ダークサイドが地球に侵攻を開始できるのである。昔の地球にもダークサイドは侵攻をかけにきたが、その時はアトランティス人、アマゾン人、地球人の活躍により撃退していて、3つのマザーキューブはそれぞれが隠し持っていた。そのマザーキューブを手に入れ始めたステッペンウルフに対し、ブルースはアクアマンことアーサーと、ワンダーウーマンことダイアナ、フラッシュことバリー、サイボーグことビクターを仲間にして、ステッペンウルフと対峙する。しかし、彼らに勝つには、死んでしまったスーパーマンの力が必要だった。
レビュー
2017年に劇場公開された「ジャスティス・リーグ」は、監督のクレジットとしてザック・スナイダーの名が載っていますが、実際は映画制作途中でザック・スナイダーの娘さんが自殺してしまったために映画制作を降板し、途中から「アベンジャーズ」のジョス・ウェドンが制作に携わっています。途中から監督が変わったために2017年の「ジャスティス・リーグ」は評判があまりよろしくなく、ファンの間では「ザック・スナイダーが編集した”ジャスティス・リーグ”が見たい」という要望が映画会社に多く寄せられました。そのファンの希望を引き受けたザック・スナイダーが、初期の構想を元に2017年版では使われなかった未使用シーンを大量に使用し、また追加撮影まで行って、上映時間がなんと4時間2分に及ぶ超大作として完成したのが、「ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット」です。劇場では公開せず、アメリカではHBO MAXでの配信、その他の日本と中国を除く全世界でも2021年3月18日から配信で公開されていて、概ね好評の評価を得ています。
2017年の「ジャスティス・リーグ」が監督交代のためにチグハグなストーリー展開だなと感じたものですが、今回の「ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット」は、全編に渡ってザック・スナイダーの意思が感じられ、ストーリーに一貫性があるのが特徴です。2017年版ではマーベルの「アベンジャーズ」に全く敵わない出来の作品だと思いましたが、今回の「ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット」は、それなりに互角の戦いをしていると感じます。
上映時間も4時間2分ととても長いものですが、有名ヒーローであるバットマン、スーパーマン、ワンダーウーマン以外のアクアマン、フラッシュ、サイボーグの過去がじっくりと描かれているため、これらスーパーヒーローのことを知らないで初めて見る人でも、キャラクター設定がしっかりわかるようになっているのが、大きな特徴ではないかと思います。キャラクターのバックグラウンドがしっかり描き込まれているために、ヒーローたちが苦戦する際にも感情移入しやすく、物語に厚みが出ています。
2017年版も「ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット」も敵になるのはステッペンウルフになるのですが、今回の作品ではステッペンウルフの更にラスボスであるダークサイドというキャラが登場し、敵役に深みが出ているのが特徴です。メインで敵となるのはステッペンウルフなんですが、その背後に更に強大な悪がいることで、ヒーローたちの戦いに苦戦が強いられる要素が混じっていて、とても重い展開になっていると思います。
物語冒頭ではスーパーマンの死が描かれますが、死んだはずのスーパーマンがマザーキューブの力によってまた復活し、ジャスティス・リーグに加入して、ステッペンウルフとの戦いに参戦するという展開には胸を熱くする思いがあります。そのスーパーマンも復活後すぐには味方にならず、ジャスティス・リーグの面々と戦ってしまい、記憶が混濁している様は、物語を盛り上げる要素になっています。
映像は4K/HDR10およびDOLBY VISIONで収録されています。マスターフォーマットは4Kですので、ネイティヴ4Kになります。なぜかアスペクト比が1.33:1と昔のブラウン管テレビと同じ比率で映像が収録されていますが、解像度は4Kならではの美しさで、見通しが晴れた感じを受けます。色調もHDR10での収録で、コントラストは効果ありますが、硬めの色調をしているためか、色鮮やかな画面というわけではありません。ただ、スーパーヒーローたちの戦いのシーン等で光が輝くなど、効果を発揮している場面は多々あります。音響はDOLBY ATMOSで、アクション映画に相応しく、終始音が視聴者を取り巻くようなサラウンドが展開されています。まるで映像に取り囲まれるかのようなサラウンドが特徴で、天井からの効果もバッチリ出ていて、重低音の響きも見事なものです。
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