50/50(Blu-ray)
邦題 | 50/50 フィフティ・フィフティ | |
レーベル | SUMMIT ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2011年 | |
上演時間 | 100分 | |
監督 | ジョナサン・レヴィン | |
出演 | ジョセフ・ゴードン=レヴィット、セス・ローゲン、アナ・ケンドリック | |
画面 | 1.78:1/アナモルフィック | |
音声 | dts-HD MA 5.1ch 英語、DOLBY DIGITAL 5.1ch スペイン語 | |
字幕 | 英語、スペイン語 |
あらすじ
27歳の健康志向の青年、アダムはある時期から背中の痛みに苦しむことになる。病院に行き診察を受けたアダムは、自分が珍しい種類のガンにかかっていることを知る。アダムは薬物療法で治療をし始め、またキャサリンという若いインターンのセラピーを受けることになる。彼の友人であるカイルは余計なおせっかいを焼き続け、恋人であったレイチェルとは破局の道を歩み、彼の母はただ心配するだけという状況で、アダムは次第に鬱憤を貯めこんでいくことになる。
レビュー
今ハリウッドで注目の若手俳優、ジョセフ・ゴードン=レヴィットを主役に置き、ガンに罹った若者という難しい問題をテーマにしながらも、なんとなくお笑いに持って行こうとするドラマがこの「50/50 フィフティ・フィフティ」です。劇場公開時にはそこそこのヒットを記録している作品であります。
一般的にガンに罹った主人公の物語というテーマだと重苦しい話になりそうなものですが、意外とそうはなっていません。主人公アダムを演じたジョセフ・ゴードン=レヴィットの演技によるものもありますし、彼の友人カイルのコメディ・リリーフぶりが作用しているというのもありますが、脚本がそう重苦しくないように書かれているのも要因かと思います。
このBlu-rayのジャケットによりますと、実話をベースにした脚本だという話ですので、現実にガンに罹ってそれを克服した人がいるということだろうと思います。タイトルの50/50とは、アダムの罹ったガンの生存率が50%であるというところからきていますが、50%の生存率が高いか低いかと言われると、決して高くないなと思います。もっとも物語上では友人のカイルが「50%なら高いほうだ」と言い放っていますので、高いのかもしれませんが。
ガンに罹るまでのアダムは健康志向で、積極的でもない性格であったように見て取れるのですが、ガンであることが判明すると、カイルの勧めるままに女性をナンパしたり、ドラッグをやったりとちょっと羽目を外すようになります。しかしながら元々の性格からそれは無理してやっているような気がして、合わないなというように取れます。
一方インターンのキャサリンとセラピーを受け始めるアダムは、次第に医者と患者という関係から少しずつ変わっていっているように思えます。それはラストでちょっとだけ進展するというところで終わるのですが、元々のアダムの恋人であったレイチェルとの破局がこの二人の関係を変えていっているように思えてなりません。
また、家族の絆についても考えさせられるのもこの映画の特徴で、アダムは母の心配ぶりに嫌気が差してしまうために、連絡を密に取ろうとしません。それでも心配して、力づけようとする母親とアダムの関係はやっぱり物語の中で少しずつ変化していきます。
一貫して物静かな佇まいを見せるアダムですが、物語後半で一瞬だけ切れる瞬間があります。そのシーンを観た時にアダムの自分がガンになってしまったことに対する鬱憤や、これまでの自分を取り巻く環境といったものに対する憤慨が一瞬で表されているような気がして、観ていて共感できるシーンだと思います。
画質はフィルム調で、ノイズやフィルム・グレインもなく、大変綺麗な色調をしています。舞台がシアトルのようですが、時期が冬の設定なのか、冷たい雰囲気が漂っています。色乗りも十分ですが、白が飛び気味のような感じを受けます。音響はdts-HD MA 5.1chで、あまりサラウンド感のない感じのする音場です。正確に言うとフロントの音場感が強く、サラウンドはそれをわずかに補強しているような感触です。したがって、フロントの厚みが強いサウンドになっています。また、セリフのセンターチャンネルの発声が強い感触を受けます。
余談ですが、このBlu-rayはメインタイトルに入る前に予告編が入っているのですが、その予告編もdts-HD MA5.1chで収録されています。たいていのディスクは予告編だけはDOLBY DIGITALのことが多いので、珍しいと思います。
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