BATMAN:THE DARK KNIGHT RETURNS-PART 2(Blu-ray)
邦題 | バットマン:ダークナイト・リターンズ-PART 2 | |
レーベル | WARNER HOME VIDEO | |
制作年度 | 2013年 | |
上演時間 | 76分 | |
監督 | ジェイ・オリヴァ | |
声の出演 | ピーター・ウェラー、アリエル・ウインター、マイケル・エマーソン | |
画面 | 1.78:1/アナモルフィック | |
音声 | dts-HD MA 5.1ch 英語 | |
字幕 | 日本語、英語 |
あらすじ
ミュータント団のボスを倒したために、残されたミュータント団はバットマンの息子たちを名乗り、自警活動に動き出すことになる。その状況を苦々しく思っていたゴッサム・シティ警察だったが、バットマンの自警活動を阻止できないでいた。バットマンの活動復活とともに、かつての宿敵、ジョーカーも犯罪行為を起こし始め、笑いガスにて200名以上の市民の殺害を起こしてしまう。そのジョーカーの犯罪行為を止めるべく、バットマンは移動遊園地でジョーカーを追いつめるが、死闘の末にジョーカーは自ら命を絶ってしまう。一方バットマンと少なからず縁のあったスーパーマンは、米ソの領土問題に関与し、ソ連の核ミサイルを阻止するがそのためにアメリカが停電を起こし、街は混乱を起こす。唯一バットマンの存在で平和の保たれたゴッサム・シティであったが、バットマンの存在を苦々しく思っているアメリカ大統領の指示により、スーパーマンがバットマン征伐に向けて動き出す。
レビュー
前作「バットマン:ダークナイト・リターンズ-PART 1」に引き続き、復活したバットマンの活躍を描くシリーズ第2弾がこの「バットマン:ダークナイト・リターンズ-PART 2」です。1980年代の半ばに刊行されたコミックの後半2話を映像化したもので、劇場公開はされていません。
第2弾の今作は、バットマンの存在意義を問うと同時に、バットマンの宿敵ジョーカーと、共に正義のために活動したスーパーマンとの死闘が描かれるのが特徴であります。圧倒的存在感を持つジョーカーと、DCコミックのヒーローの中で人気の高いスーパーマンの登場は、本作の物語としての面白さを示しています。
ジョーカーは、バットマンが10年ぶりに自警団として復活をしたという報道を見て、自分の立ち位置を再び思い出し、悪事を働くという展開になっています。しかもその存在は実はバットマンと表裏一体のようなもので、どちらも法に縛られないという状況にいます。バットマンの信条として、「犯罪者を殺しはしない」というのがありますが、この作品においてそれに関して躊躇する場面があります。ジョーカーを追いつめたときにバットマンはジョーカーを自ら手にかけようとしますが、やはりそれは出来ずにジョーカーは自ら命を絶ってしまいます。
バットマンの理解者だったゴードン市警本部長が退任し、インデルという女性が市警本部長に就任して、バットマンの逮捕に向けて様々な手段を講じていますが、バットマンを阻止することが出来ないというのも物語の肝です。むしろ後半において次第にバットマンを放置し始める感触のあるところが彼女の立ち位置であると感じます。インデルとしては、最初法を犯して犯罪者を血祭りに上げるバットマンを警察のメンツにかけて逮捕しようとしているのですが、バットマンの行動を何度も目のあたりにするにつれ、バットマンを容認していくような感じがあります。
物語の後半は、政府の犬と化してソ連との戦争に参入するスーパーマンとバットマンの一騎打ちが目玉になっています。昔は共に正義のために悪の一掃に協力しあった二人ですが、バットマンが引退していた10年の間に時代は変わり、自警団はいらないという世論になっていました。スーパーマンはその状況下で自身の身を守るためにアメリカ合衆国の政府の手先となって、ソ連との局地戦に参戦しています。これなんかある意味スーパーマンのイメージを一掃するものとして、強烈な印象を残しています。
スーパーマンがソ連の放った核ミサイルの軌道をそらせて、空中で爆発されるところは、後の展開に大きく影響してきます。爆発した核ミサイルの影響で合衆国のインフラが停止し、各地で暴動が多発するという展開は、バットマンによって秩序が保たれるゴッサム・シティとは対照的です。しかし、その状況を快く思わない合衆国大統領はスーパーマンにバットマンの始末を命じるのです。
普通に考えるとスーパーマンとバットマンとでは力が違いすぎて戦いにならないと考えがちですが、核ミサイルの爆発の影響と、その後の日照不足によってスーパーマンの活動能力が落ちているところと、バットマンが特殊アーマーを着て戦いに投じるという展開で、この二人の死闘は結構互角の戦いで、面白みがあります。政府の犬と化しているスーパーマンに説教するかのようなバットマンの姿勢には、見ていて喝采を挙げたくなる感じがします。
今作でも少女キャリーが扮したロビンが要所要所でバットマンを助けています。彼女の存在自体も結構面白いもので、バットマンことブルースが色々禁止事項を告げるにも関わらず、その約束を破って、結果的にバットマンの危機を救うというところが、魅力的かなと思います。でバットマンもその破った行為を咎めないというのは彼女を認めているのだと思います。
前作に引き続き、画質は大変きれいの一言につきます。デジタル処理をしているのでしょうが、クリアでノイズのない魅力的な画質です。発色もすばらしいと思います。音響はdts-HD MA 5.1chで、音に包み込まれるような物語を引き立たせるサウンドデザインをしています。またワイドレンジですので、迫力もあります。
なお、このBlu-rayは輸入盤ではありますが、ワーナーの世界共通盤としてリリースされているもので、日本のプレイヤーで再生すると日本語字幕、吹き替え音声が選択できるという仕様になっています。
コメント