THE BIG BOSS(Blu-ray/CRITERION)/ドラゴン危機一発/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

THE BIG BOSS(Blu-ray/CRITERION)

BRUCE LEE HIS GREATEST HITS Blu-rayジャケット 邦題 ドラゴン危機一発
レーベル CRITERION COLLECTION
制作年度 1971年
上演時間 100分
監督 ロー・ウェイ
出演 ブルース・リー、マリア・イー、ジェームズ・ティエン
画面 2.35:1/アナモルフィック
音声 LPCM 1.0ch 北京語、英語
DOLBY DIGITAL 1.0ch 北京語、広東語
字幕 英語

あらすじ

チェンは叔父を頼って、タイ王国のシューの元に出稼ぎに出かける。チェンは母との誓いがあって、トラブルに巻き込まれないように、と言われていた。シューはチェンを歓迎し、チェンはシューやその仲間が働く製氷工場で働くことになる。その製氷工場で氷の中にヘロインが入っているのを、シューの仲間が偶然発見する。それを知った工場長はシューの仲間を密かに抹殺する。シュー達は仲間が消えたままなのを不審に持ち、工場長に詰め寄るが、逆に襲撃に遭ってしまい、シューも行方不明になる。シューの仲間達はシューまで行方不明になったことでストライキを決行するが、そこで争いになる。そして、チェンは母との誓いを破ってトラブルに巻き込まれていく。その後、チェンは工場長から工場の主任に任されるが、工場長の接待を受け、シューの行方を探さなかったことで、シューの仲間達から反感を買ってしまう。その後、チェンは工場長がヘロインの取引で儲けを出していること、シューが殺されていることを知る。そして、工場長の部下達がチェンを抹殺しようとする。その攻撃をチェンは打破して、工場長との戦いに挑む。

レビュー

香港が産んだマーシャルアーツの達人、ブルース・リーの第一回主演作品が、この「ドラゴン危機一発」です。香港では劇場公開当時、大ヒットを記録している作品であります。また、映画批評家、観客からも水準以上の評価を受けている作品でもあります。既にDVD、Blu-rayで鑑賞済みの映画ですが、ブルース・リー生誕80周年を記念して、アメリカの画質、音質に定評のあるTHE CRITERION COLLECTIONが4KスキャンでHD画質に落とし込んだ究極のボックスセット「BRUCE LEE HIS GREATEST HITS」が2020年の7月に発売されましたので、その中に入っていた「ドラゴン危機一発」の再度の視聴をしています。

映画は、中国からタイ王国に出稼ぎにやってきたチェンという若者が、シューという若者の世話になって製氷工場で働き始めるが、その製氷工場はヘロインの取引に使われていて、それを知ったものは抹殺されるという事件が立て続けに起こり、チェンも母との誓いを破って事件の真相と黒幕との対峙をするという話になっています。

話的には結構適当な話であると言えるのですが、ブルース・リー扮するチェンが母との誓いを破って戦いに身を投じるようになると、チェンの魅力が輝きだすという仕掛けになっていて、ブルース・リーという人物の魅力がよくわかる展開になっています。監督やアクションシーンの振り付けなどはブルース・リーが関わっているわけでもないのですが、それでもブルース・リーのアクションは素晴らしいものがあると言ってもいいと思います。

チェンが母との誓いである「争いごとに首を突っ込まない」という誓いを破ると、チェンは悪党を次々に殺していきます。その辺は爽快なのですが、映画上ではチェンが人殺しをしたために罪の意識に苛まれるというシーンもあり、ラストも黒幕を倒すと警察に捕まってしまうという因果応報な展開には、他のアクション映画にはないシリアスな現実があり、ブルース・リーが伝えたかったことがよくわかるようになっています。

チェンが悪党を倒すシーンや、悪党がチェンの仲間達を始末するシーンでは、相当量の血糊が使われており、よりリアルな負傷シーンが描かれていると言えます。その血糊には痛みが伴っており、チェンも傷つき、悪党達も血糊を噴き出して倒れていくという派手な演出がなされています。ここまで血糊が使われるアクション映画というのもあまりないのではないかと思います。

THE CRITERION COLLECTIONは、世界中に散らばるフィルムと音声トラックの中から最良の状態のものを探し出し、それを独自のテレシネでビデオ化することで高画質、高音質を達成することで有名なメーカーです。この「ドラゴン危機一発」も4Kでフィルムをスキャンし、それをBlu-rayのHD画質に落とし込むという手法を取っています。HD画質ですので、解像度はHD画質の中では最良だが、4Kには敵わないと言ったところがあります。フィルムグレインは終始現れていますが、それが気になる感じではないです。また、色調はナチュラルで、ロケーションの美しさが現れていると言えます。音響は香港劇場公開時の北京語LPCMモノラルという仕様で鑑賞しましたが、変に5.1chサラウンド化していたShout!Factoryのディスクと比較して、音の広がり感こそないものの、厚みのある音質が堪能できます。英語字幕が付いていますので、北京語音声でも鑑賞にはあまり辛くないところであります。

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