THE BOURNE ULTIMATUM
邦題 | ボーン・アルティメイタム | |
レーベル | UNIVERSAL STUDIOS HOME VIDEO | |
制作年度 | 2007年 | |
上演時間 | 116分 | |
監督 | ポール・グリーングラス | |
出演 | マット・デイモン、ジュリア・スタイルズ、デヴィッド・ストラザーン | |
画面 | 2.40:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、フランス語、スペイン語 | |
字幕 | 英語、フランス語、スペイン語 |
あらすじ
自分の正体を探すジェイソン・ボーンは、その存在を危険視するCIAのノアとその部下たちによって追跡されていた。一方同じくCIAながらノアの実行するトレッドストーン作戦を知らないパメラは、彼と手を組んでボーンを探すようになるが、彼の企みを知り、ボーンに協力的になっていく。ヨーロッパから中東と、自分探しをするボーンは、そのきっかけをニューヨークのCIAの秘密オフィスに見つけ、ついに自分の記憶を消した人物との再会に成功する。ボーンの知った驚愕の事実とは?
レビュー
前2作が大ヒットを記録したために制作された第3作目がこの「ボーン・アルティメイタム」です。監督と主演のコンビが前作「ボーン・スプレマシー」と同じポール・グリーングラス監督とマット・デイモンになっており、前作の世界観を踏襲しております。この二人、相性がいいようで、「グリーン・ゾーン」という映画でもタッグを組んでいます。
物語冒頭はロシアで警察に追われるボーンを描いていて、最初から物語のテンションが高いのが分かります。このテンションが切れることなく、最後まで続くので、見ていてアドレナリンが出っぱなしという状態になります。
前作でも登場したCIAのエージェントノアとパメラが再登場をし、同じCIAでありながら秘密作戦を実行しているものとしていないもののコントラストをきれいに描き出しています。このパメラ、ノアの実行している作戦を公の場にさらすという行動をすることで、ボーンに借りを返した格好になっています。
前作では復讐の鬼と化したボーンの描き方が魅力的でしたが、本作では再びCIAや現地警察に追われる身となっており、追いかけ方の作品に戻っています。しかし物語としては自分の正体を知ろうとするボーンと、それを阻止しようとするCIAの駆け引きが物語の骨格をなしていて、ハラハラドキドキさせるものとなっています。
物語は絶えずボーンを助けようとする人々が登場してくるのも特徴ではあります。物語前半ではマスコミのサイモンという男がボーンの正体を探ろうとボーンに接触してきますし、中盤は同じく工作員のニッキーという女性がボーンの行動を助けることとなります。こういった人々の行動がボーンの自分探しの手助けとして働いているのが、作品を形作っているものと思います。
物語終盤ではついにボーンの元の姿を知るドクター・ハーシュという男との面会を果たすボーンですが、その過程でアメリカの正義の元に作戦に参加したボーンの考えみたいなものに触れられます。これは意外な設定で、ボーンが志願して作戦に加わったというのはラストとしては面白いのではないかと思います。
散々続いたCIAとの戦いもパメラの情報リークにより片を付けることとなりましたが、ボーンが最後川の中で泳いでどこかに行こうとする様は、感動の一言に尽きます。
画質はフィルム調で、シーンによってはグレインが見えるシーンもありますが、おおむね良好です。ヨーロッパや冬のニューヨークという舞台設定のためか、冷たい感じのする色調をしています。緊迫感を出そうとしているためか、カメラが結構ぶれているシーンが多く、多分ステディカムを使っていないのだろうなと思います。サウンドは前作と同じくDOLBY DIGITALしか収録されていませんが、絶えずといってもいいほどサウンドトラックが流れていて、それが、物語のテンションを持続するのに役立っています。でもあまりサラウンド感はないといってもいいでしょう。2chステレオでの鑑賞ということで、さほど空間的広がりは感じませんでした。
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