CLOVERFIELD
邦題 | クローバーフィールド/HAKAISHA | |
レーベル | PARAMOUNT HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2008年 | |
上演時間 | 84分 | |
監督 | マット・リーヴス | |
出演 | リジー・キャプラン、ジェシカ・ルーカス、T.J.ミラー | |
画面 | 1.85:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、フランス語、スペイン語 | |
字幕 | 英語、フランス語、スペイン語 |
あらすじ
ニューヨークのマンハッタンで、ロブの日本への引越し祝いのパーティーが開かれていた。その模様をホームビデオで撮影していたハドは、外からの爆音に皆と一緒に外に出る。そこで目にしたものは異様な怪物だった。通りに出たロブたちは、怪物が街中を破壊していくのを目にする。しかし最初脱出しようとしていたロブたちは、恋人のベスが取り残されているのを知り、彼女の救助に向かう。その間にも街は破壊の一途をたどるのだった…。
レビュー
テレビドラマ「ロスト」や「スター・トレック」、「スーパー8」などですっかり人気者になってしまったプロデューサー・監督のJ.J.エイブラムスが、製作に回り、監督をマット・リーヴスに添えて怪物がニューヨークを破壊しまくる映画を作ったのがこの「クローバーフィールド/HAKAISHA」です。公開当時は、かなりの人気を博し、大ヒットを記録しています。
この作品の特徴を一言で言えば、主人公がたまたま記録していたホームビデオで撮影された視点でのストーリー展開であるということが言えるでしょう。話としては、怪物が街を破壊しまくる「ゴジラ」のような映画であると言えるので、そう目新しくもないのですが、主人公が記録しているホームビデオの視点というところから、パニック感がより強く発揮されているような気がします。
実際ハドが撮っている視点でのカメラワークであるがために、怪物の全体像があまりはっきりと捉えられず、断片的な映像表現となっていて、怪物の巨大感および恐怖感を煽るような雰囲気を出しています。
また、ホームビデオということから、視点がぶれたり、斜めになったり、仲間を撮影している時も画面の中心に捕らえないといったような少々映画としては反則気味の撮影方法を駆使して臨場感を出していると思います。
実際には怪物がニューヨークを破壊しまくるという怪獣映画お得意の定石をなぞっているのですから、もっと個人的には怪物の破壊シーンなどを多くして欲しかったなと思うところでもありますが、それだと斬新さはないと思うので、こういう作風もありかなと思います。
このホームビデオは、アメリカ合衆国のセキュリティの管轄下に置かれ、ダビング禁止の扱いを受けているという設定になっていて、そのリアリティ感はなかなかに面白いと思うのですが、実はホームビデオ風の映像と言っても使っているのはパナビジョンカメラなので、映像クオリティが結構高かったりしますし、サラウンドが大活躍するなど、ちょっと設定と現実の差があるなと思うところもあります。「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」のように徹底するとまた違った感じを持つのではないかと思いますが。
怪物が最後どうなったのかが不明なところも面白い展開だと思います。最初何故登場したのかも分からず、その目的も不明、そして最後も不明と、市井の主人公では知ることのない情報は映像でもカットされていて、疑問が残ったままというストーリーが面白くさせている要因でしょう。
映像は、前述のようにホームビデオのような撮り方をしてはいますが、撮影機材がパナビジョンカメラとコダックのフィルムということもあってか、かなり綺麗な映像をしています。もっと荒れた画のほうがよりリアリティを持つと思うのですが、その辺は考えた末での撮影でしょう。もちろんホームビデオ風の色合いの出し方はしているので、そこは考慮しないといけないかと思います。音響はかなりワイドレンジで、怪物の登場シーンなどでは低域まで音が伸びています。またサラウンドはかなり効果的に使われていて、臨場感を発揮しています。残念なのは、怪物の登場シーンが少ないため、怪物と軍隊の戦いのシーンのサウンドがあまり堪能できない点かなと思います。
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