DOCTOR STRANGE(4K UHD Blu-ray UK)
邦題 | ドクター・ストレンジ | |
レーベル | WALT DISNEY STUDIOS HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2016年 | |
上演時間 | 115分 | |
監督 | スコット・デリクソン | |
出演 | ベネディクト・カンバーバッチ、キウェテル・イジョフォー、レイチェル・マクアダムス | |
画面 | 2.39:1/HDR10 | |
音声 | DOLBY ATMOS 英語 / DOLBY DIGITAL PLUS 7.1ch ドイツ語、イタリア語、日本語、ラテンスペイン語、フランス語 / DOLBY DIGITAL 5.1ch カナダフランス語 | |
字幕 | 英語、ドイツ語、イタリア語、日本語、ノルウェイ語、ラテンスペイン語、スウェーデン語、フランス語、カナダフランス語 |
あらすじ
天才的な神経外科医であるドクター・ストレンジは、音楽を聴きながら患者の手術をするような傲慢な性格を持っていた。ある日、手術を行うために病院に車で向かったストレンジは、途中で交通事故を起こしてしまい、自慢の指が思うように動かせない重傷を負ってしまう。自身の財産を使ってでも指の回復を試すストレンジだったが、西洋医学ではダメだった。絶望に打ちひしがれるストレンジだったが、半身麻痺の男が東洋のパワーで動けるようになったという話を聞いて、ネパールのカトマンズにあるカマー・タージという場所まで赴く。そこで、ストレンジはエンシェント・ワンという師匠と出会い、魔術により不可能を可能にすることを目の当たりにする。ストレンジはエンシェント・ワンに弟子入りし、魔術を学んでいくが、かつて弟子だったカエシリウスとその仲間たちが、暗黒の力を借りて永遠の命を得ようと、カマー・タージに潜入し魔術書の数ページを奪っていく。その結果、必然的にストレンジはカエシリウスと戦うことになり、暗黒の力から世界を守ることになっていく。
レビュー
マーベル・シネマティック・ユニバースの第14作目に当たり、また新たなヒーロー誕生物語を描いた作品が、この「ドクター・ストレンジ」です。魔術を扱う異色のヒーロー映画としては、興行収入は製作費を軽く上回り大ヒットを記録し、映画批評家、観客ともに高い評価を得ている作品であります。
マーベル・シネマティック・ユニバースのフェイズ3の第2作目にして、新キャラクターの登場を描いたこの作品ではありますが、魔術をテーマにした作品であることもあってか、その映像表現には目眩を感じるほど異様な展開になっており、その魅力は映像表現を持ってあまりあるものになっているかと思います。物語冒頭から都市がまるで万華鏡のようにぐるぐる回り込む姿を見ていると、その凄さを実感してしまいます。
その映像表現は冒頭だけでなく、しばしば途中やクライマックスでも表現され、ドクター・ストレンジともどもその展開される映像表現に巻き込まれていて、ドラッグでトリップしたかのような錯覚を得ることができます。クライマックスの香港の破壊と再生のシーンや、暗黒の力との戦いのシーンの多彩な色彩のシーンなどで、その映像の魅力は存分に味わうことができます。
映画そのものは、ヒーロー誕生物語であり、ベネディクト・カンバーバッチ扮する神経外科医、ドクター・ストレンジが交通事故を起こし、自慢の指をまともに使えなくなってしまい、その回復のためにカトマンズにあるカマー・タージに辿り着いて、魔術を習うことになり、そこから世界の危機に対して戦いを開始するというパターンの映画ではありますが、魔術という新たなキーワードと、ストレンジが積極的に戦いに挑んでいるわけではなく、なんかいつの間にか戦いに巻き込まれている、という展開が面白いところかなと思います。
新ヒーローの単独登場作であることから、他の映画との絡みはおまけ映像を除いて何もない作品ではありますが、それでもこれまでのマーベル・シネマティック・ユニバースの登場ヒーローと違って魔術使いということから、異色のヒーローが誕生するという予想外の展開になっていて、これは別の意味で面白い映画に仕上がっているといえます。
おまけ映像では、ドクター・ストレンジがソーと面会していて、「なぜロキがニューヨークを襲ったのか」とか「オーディンの行方を探している」といった会話が交わされています。これは、「ソー」の第3作目の布石かなと思います。もう一つのおまけ映像では、ストレンジと戦っていたモルドが、暗黒の力を借りて平和を維持していることに疑問を提示し、反逆をし始めるところで終わっています。これも「ドクター・ストレンジ」の第2作目を予想させるものになるかなと思います。
映像は4K/HDR10での収録です。映画のマスターデータは2Kですので4K UHD Blu-rayの画質はアップスケールになるのですが、解像度は不満のないところまで仕上がっています。色彩がすごくて、暗黒の世界での色彩がまるでHDR10のデモンストレーション映像のような感じになっていて、映像に引き込まれるところがあります。ただ、映画自体はIMAX DIGITALに最適化されたデータもあるようですが、この4K UHD Blu-rayは終始シネマスコープサイズなので、そこが少し残念かなと思います。音響はDOLBY ATMOSで収録されていて、万華鏡のように変化する都市の移動感に合わせ、音が三次元に移動するという効果的なサラウンドを発揮しています。また、雷や雨の音は天井から降ってくるかのような感覚が味わえ、効果的であります。
なお、このイギリス版4K UHD Blu-rayの「ドクター・ストレンジ」は、日本語字幕、日本語吹き替え音声がついています。メニュー画面も日本語化されているので、視聴するのは非常に楽です。
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