THE GREAT WALL(Blu-ray)/グレートウォール/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

THE GREAT WALL(Blu-ray)

THE GREAT WALL Blu-rayジャケット 邦題 グレートウォール
レーベル UNIVERSAL PICTURES HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2016年
上演時間 103分
監督 チャン・イーモウ
出演 マット・デイモン、ジン・ティエン、ペドロ・パスカル
画面 2.40:1/アナモルフィック
音声 DOLBY ATMOS 英語
DOLBY DIGITAL 5.1ch スペイン語、フランス語
字幕 英語、スペイン語、フランス語

あらすじ

ウィリアムとトヴァーは、火薬を手に入れるべく、中国に入っていたが、万里の長城を守護する兵士たちに捕らえられる。万里の長城を守護する兵士たちは、数百年に一度侵攻を行うタオ・テイという怪物から首都を守るべく、配備された者たちだった。兵士たちの一人、リンという女性は、ウィリアムの能力を買い、彼女とウィリアムは、タオ・テイと戦いを開始する。タオ・テイを倒すには、女王のタオ・テイを倒せば、全てが終わるとされていた。しかし、タオ・テイの侵攻は圧倒的で、万里の長城の兵士たちは苦戦する。そして、戦いの最中、トヴァーは兵士たちに混じっていたバラードとともに、火薬を盗み出し、逃走する。タオ・テイは磁石に弱く、ウィリアムとリンは、タオ・テイを倒す手段を見つける。その頃、万里の長城によるタオ・テイの防御が破られ、タオ・テイは首都に侵攻する。ウィリアムと、リンたちは、首都に足を向け、女王タオ・テイを倒そうと最後の戦いに挑む。

レビュー

中国映画の雄、チャン・イーモウがハリウッド資金で中国を舞台にした、マット・デイモン主演のファンタジー・アドベンチャー大作が、この「グレートウォール」です。ここ数年のハリウッドの中国市場をあてにした作品になっていますが、北米市場では爆死してしまい、日本においては、IMAXで上映されたものの、初回上映時から日に1回しか上映されないという大コケの作品になっています。ただ、当の中国では一定のヒットを記録している作品ではあります。

大失敗を記録した映画でありますが、実際に映画を見ると、ものすごい違和感を感じます。中国を舞台にしながら、主役はマット・デイモンというのがまず大きな違和感を感じさせるところではありますし、タオ・テイという怪物が中国の怪物らしくないデザインで、どう考えても西洋的怪物にしか見えないところも、違和感を感じさせるところではあります。

そして、マット・デイモンやペドロ・パスカル、ウィレム・デフォー以外は全て中国人という配役が、この3人の西洋的な雰囲気を見事に打ち消してしまっているところも、中途半端な感じを醸し出しています。中国人俳優が多いため、随所に北京語での会話が混じり、英語字幕が出てくるところが、話に追いついていくのに苦労するところでもあります。

とはいうものの、映像的魅力には溢れている作品ではあります。ほとんどCGではありますが、万里の長城という歴史的遺産を魅力的に描いているところは、褒めるべき特徴かな、と思います。万里の長城が怪物から王様や市民を守るための要塞である、という設定は、面白いと思います。

また、その万里の長城を魅力的に描くための撮影技術は、注目に値すると思います。広角で撮影された映像は、その巨大感を大きく表していると思います。また、多くの兵士たちを描いていることで、スケール感は出てきていると思います。

チャン・イーモウの特徴として、兵士たちの甲冑の色使いが原色を用いた色彩になっているのも、特徴的かな、と思います。色によって兵士たちの役割が決められているので、誰が何の戦いをしているかが明瞭で、戦闘シーンでも混乱することなく見ていることができます。

中国人俳優たちも、結構頑張って戦闘シーンに挑んでいて、リン役のジン・ティエンなどは、その美貌とともに、魅力に溢れています。ただ、アンディ・ラウは活躍するようで、大して活躍していないのは、ちょっと残念かなと思います。その他の俳優たちも、ちょっと使い方が残念な感じのするところを覚えます。キャラにあまり感情移入できないので、その辺が物語の出来に関係してくるかな、と思います。

映像は、原色を多用した色彩を出していて、非常に魅力的な映像になっています。解像度は結構高いと思いますが、そのためにタオ・テイがCG丸わかりという興ざめするところもあります。残念ながら3D収録ではないので、映像の魅力が少しスポイルされている感はあります。音響はDOLBY ATMOSですので、サラウンド感はクォリティが高いものになっています。サラウンドチャンネルをフルに活用していて、音響に包み込まれる感じがかなり強いです。重低音も迫力があり、音響効果で映画を楽しめる好例になっていると思います。

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