HARDCORE HENRY(Blu-ray)
邦題 | ハードコア | |
レーベル | UNIVERSAL PICTURES HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2016年 | |
上演時間 | 97分 | |
監督 | イリヤ・ナイシュラー | |
出演 | シャールト・コプリー、ダニーラ・コズロフスキー、ヘイリー・ベネット | |
画面 | 1.85:1/アナモルフィック | |
音声 | dts-HD MA 5.1ch 英語 | |
字幕 | 英語、スペイン語、フランス語 |
あらすじ
女性科学者エステルによって目を覚まされた男、ヘンリーは、以前の記憶もなく、片腕と片足を失っており、エステルによって義手と義足を取り付けられる。ヘンリーは頭も負傷していて、目も義眼で、声も発することができなかった。そこにロシアの組織が襲撃に来る。組織のリーダー、エイカンは、ヘンリーを抹殺しようとする。それをからくも逃れたヘンリーとエステルだが、エステルはエイカンに捕まり、ヘンリーは、ジミーという男に助けられる。土地勘のないモスクワでヘンリーはエイカンの手下をかわしながら、自身の記憶と、存在を探し始める。そして、それにはエイカンの企みが存在していた。
レビュー
低予算映画ながら、スマッシュヒットを記録した、シューティングゲームを思わせる一人称視点でのカメラアングルで全編を通して描いたアクション映画が、この「ハードコア」です。アメリカでは制作費を回収していますが、日本ではひっそりと公開され、大した話題にもならずに終わっている映画です。
先にも書きましたが、この映画の特徴は、シューティングゲームを彷彿とさせる一人称視点での物語の進行にあると言えます。見ている観客一人一人が、主人公のヘンリーの視点で映像を鑑賞するので、独特の映像表現を生んでいると言えます。ヘンリーは死の淵からよみがえり、半分体がサイボーグ化しているので、声を発することもできず、終始無言です。それも観客にヘンリーへの同期化を託していると言えます。
ただ、物語のポイントはそれだけで、あとは低予算映画としてのアイデア一発勝負の感は免れません。主人公視点でずっとカメラが周りまくるので、静止画がなく、めまいを感じるところもあります。体調の悪い人がこの映画を見ると、気分が悪くなるのでは、と思います。見ている僕も、見終わったあと、疲れがどっと出たぐらいです。
後は、ヘンリーが戦う相手がロシアの組織というのが、物語的に新鮮かな、と思います。しかし、ロシアの組織のリーダー、エイカンが元々超能力を持っているのに、さらにヘンリーに対して行ったことは、疑問も感じます。設定上、無理があるような感じもします。映画の発想がなんか中学生レベルのような気がしないでもないです。
ヘンリーの妻だというエステルですが、実は…という設定で、エイカンと繋がりがあり、エイカンの企みに協力する敵になる存在というのも、意外といえば意外ですが、ヘンリーの秘密を知ってしまうと、その関係もありかな、といえなくもないです。最終的にはヘンリーは妻を救うためではなく、自身の記憶に従って戦いをすることになりますが、エステルとヘンリーの最後の関係は、絶たれた感じはします。
映像はビスタサイズですが、主人公視点でのカメラワークなため、意図的にカメラ画質が悪くなっている部分が多いと思います。静止画が多ければ高画質だと思うのですが、カメラが絶えず動いているので、あまり高画質とは感じないところではあります。音響は、その動くカメラに合わせてサラウンドするので、迫力は十分です。音響効果的には抜群だと思います。
製作会社に、中国のH.BROTHERSという会社が入っていることから、中国資本が映画にある種の影響を与えているかとは思います。作品の不思議な感覚は、中国の感覚と少し同期しているかと思います。中国で映画が公開されているのかどうか定かではありませんが、そんなにヒットはしないでしょう。
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