HOW TO TRAIN YOUR DRAGON(Blu-ray)
邦題 | ヒックとドラゴン | |
レーベル | DREAMWORKS ANIMATION SKG HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2010年 | |
上演時間 | 98分 | |
監督 | クリス・サンダース、ディーン・デュボア | |
声の出演 | ジェイ・バルシェル、ジェラルド・バトラー、アメリカ・フェレーラ | |
画面 | 2.40:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY TRUE HD 5.1ch 英語 DOLBY DIGITAL 5.1ch スペイン語、フランス語、ポルトガル語 |
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字幕 | 英語、スペイン語、フランス語、ポルトガル語 |
あらすじ
バイキングの長の息子であるヒカップは、心優しい若者であり、他のバイキングの仲間から相手にされていなかった。バイキングは度々ドラゴンに襲撃を受けており、その対策に頭を痛めていた。あるときヒカップは、自分の放った武器によってドラゴンを確保することに成功する。しかしバイキングの掟である「ドラゴンを殺す」ということが出来ず、かえって傷ついたドラゴンの手当を行い、次第にドラゴンと意思疎通を図り始める。そんなヒカップもドラゴンを退治することでバイキングになる試験を受けることになり、傷ついたドラゴン、トゥースレスとの交流を元にドラゴン退治の試験をパスしていくことになる。そしてヒカップはあるときドラゴンの巣を発見する。しかしそれを父に言い出せなかった。
レビュー
2010年の夏に公開され、全米で大ヒットを記録したのが、この「ヒックとドラゴン」です。元々は原作が存在する作品であり、それをCGアニメーション化したものがこの作品になります。2014年には続編も公開されています。
物語は本来敵対関係にあったバイキングとドラゴンが、一人の心優しい若者の手によって、最終的には和解をするという、物語としてはよくあるストーリーになっています。しかしながら、その設定も物語の語り口がすばらしいので、飽きずに、また最後のネタバレも分からずに楽しむことが出来ます。
物語の語り口がすばらしいのは、主人公であるヒカップと、敵対関係にあったはずの傷ついたドラゴン、トゥースレスが次第に友情関係を築いていく過程が、しっかりしているからだと思います。傷ついたトゥースレスの尾びれの修復をヒカップが一人で行い、飛ぶことが出来なかったトゥースレスが次第に飛べるようになっていく様が、魅力的に感じられるところです。
また、物語として魅力的なのは、飛べるようになったトゥースレスが、ヒカップのコントロールの元、空を飛翔する場面であり、これがCGとは思えないほど空間的に広大な感触を持っているところが、心を奪われるところであります。
一方でヒカップは、一人前のバイキングになるべくドラゴン退治のテストを受けていくことになりますが、それがトゥースレスとの友情関係からドラゴンの扱い方を学び、次々とパスしていく様も、一種コメディーチックで面白いところだと思います。それをおかしく思ったアストリッドという少女が、ヒカップを追いつめ、ついにトゥースレスとの関係を知ることとなることと、ドラゴンとの共生関係を築けるのではないかと気付くのも、物語の肝かと思います。
物語は一方で父であるストイックとヒカップの親子の関係も描いています。息子を信頼していなかったストイックが、最終的には息子を誇りに思うようになるまでを、どのように関係を変化させながら描いていくか、それもストーリーの中心にあるといえます。
物語はラスト、ちょっと単なるめでたしめでたしとはならない最後を迎えます。特にヒカップの身に起きるある出来事は、少々ほろ苦いラストではありますが、トゥースレスとの関係を考えると、二人で一つという関係が強調されていると思います。
映像はCGアニメということもあり、大変クリアであります。少々画面が暗いかなと感じるところもありますが、ノイズも感じず、解像度も十分で画面に引き込まれる映像美を放っています。音響は最近では珍しいDOLBY TRUE HD 5.1chでの視聴ですが、サラウンドを積極的に使っていて、映像とマッチする空間を作り出すことに成功していると思います。
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