THE INVISIBLE MAN(4K UHD Blu-ray)
邦題 | 透明人間 | |
レーベル | UNIVERSAL PICTURES HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2020年 | |
上演時間 | 124分 | |
監督 | リー・ワネル | |
出演 | エリザベス・モス、オルディス・ホッジ、ストーム・リード | |
画面 | 2.39:1/DOLBY VISION | |
音声 | DOLBY ATMOS 英語 / DOLBY DIGITAL 5.1ch フランス語 / DOLBY DIGITAL PLUS 7.1ch スペイン語 | |
字幕 | 英語、フランス語、スペイン語 |
あらすじ
セシリアは科学者のエイドリアンと付き合っていたが、エイドリアンの支配的性格に嫌気と恐怖感を感じ、妹の手を借りてエイドリアンの家から逃走する。そして警察官であるジェームズとその娘シドニーの家に居候をすることになる。その後、新聞でエイドリアンが自殺したというニュースを見かけ、エイドリアンの弟のトムはセシリアにエイドリアンの遺産を受け継ぐという話を持ちかける。しかし、エイドリアンが自殺した後、セシリアの身に異変が起こる。それがエイドリアンの企みであるとセシリアは感じ取るが、周囲の人々はセシリアの話を信じなかった。セシリアは一人、エイドリアンが自分に圧力をかけていると調査を開始するが、その過程で次々に事件が起こり、セシリアは立場的に追い込まれる。
レビュー
「透明人間」という古典的ホラーの映画を、現代に蘇らせ、主人公である女性セシリアの身に起こる異変が、透明人間の仕業であるという設定で話が展開していくのが、この「透明人間」であります。CGは使っているものの、比較的低予算の映画で、批評家や観客から高い評価を受けていて、また興行収入的にも成功を収めている作品であります。
透明人間の物語といえば、過去から様々な展開で映画化されていますが、今回の映画は若い女性であるセシリアが、自分に支配的なエイドリアンが襲ってくる、それも透明人間になって、という展開がユニークかなと思います。それも透明人間がエイドリアンだと思っているのはセシリアだけで、セシリアの身の回りで起きる事件は、他の人にはセシリアが起こしたことだとしか取られない部分は、面白い展開だと思います。
セシリアはエイドリアンと交際をしていますが、エイドリアンの支配欲に恐怖感を感じ、妹の助けを借りて逃走することになります。そのため、エイドリアンが彼女に暴力を振るうという展開も当たり前の状態になっていて、透明人間がセシリアに襲い掛かる時、透明人間はエイドリアンの仕業だろうと信じ込ませられることになります。その透明人間も最初はほとんど姿を見せず、クライマックスに至ってようやく特殊スーツで透明化していることが明らかにされます。
ただ、ストーリーの展開上とは言え、セシリアは透明人間に対抗しているのに、警察が透明人間にあっという間にやっつけられてしまうのは、警察弱すぎ、と思わなくもないではないです。透明人間の存在を信じていない警察だからこそ隙があるとは言え、それでも警察は透明人間の攻撃をかわすことができず、一瞬で無力化されるのは、ちょっと話の展開上ご都合主義的かなと思います。
セシリアも観客も、透明人間はエイドリアンの仕業だと思い込んでいますから、クライマックスの意外性と、ラストのセシリアの行動には意外性を感じるところであります。特にセシリアがラストでとった行動は、セシリア自身の決着の付け方のようなものを感じ取られ、余韻が残る展開になっています。それもセシリアが取った行動は記録には残らず、ある人物が自滅したかのような処理になっているので余計に余韻を感じられます。
映像は4K/DOLBY VISIONで収録されています。マスター映像は4Kですので、ネイティヴな4K映像が楽しめます。機材の都合上、DOLBY VISIONでの再生ではなく、HDR10での再生になりますが、映像が室内のシーンが多く、薄暗い映像を適切な明るさで表現しています。たまに出てくる明るいシーンは、HDRの効果が出ていて、臨場感を感じます。音響はDOLBY ATMOSでの収録で、視聴者を取り囲む三次元サラウンドが効果を発揮しています。サウンドトラックは頭上に定位し、周囲の音は適切に広がり、自分がその場にいるかのような音響効果が味わえます。
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