JCVD
邦題 | その男 ヴァン・ダム | |
レーベル | PEACE ARCH ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2008年 | |
上演時間 | 97分 | |
監督 | マブルク・エル・メクリ | |
出演 | ジャン=クロード・ヴァン・ダム、フランソワ・ダミアン ジヌディーヌ・スレアム |
|
画面 | 2.35:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch フランス語、英語 | |
字幕 | フランス語、英語、スペイン語 |
あらすじ
かつて一世を風靡したアクションスターのジャン=クロード・ヴァン・ダム。しかし彼も47才を越してアクションがきつくなり、仕事は激減、娘も離れ離れになり、散々な状況に落ちている。クレジットカードも使えなくなったヴァン・ダムは故郷の郵便局に資金を取りに赴くが、なんとそこには強盗が金を狙って籠城しているところだった。しかも地元ではヴァン・ダムが強盗を犯したと勘違いしている。ヴァン・ダムはこの状況に対してどう対応するのか。彼の立ち位置が試される。
レビュー
1990年代ハリウッドでアクションスターとして一世を風靡したジャン=クロード・ヴァン・ダムが自身の立ち位置を自虐的に演じて話題になった本作が「JCVD」です。2000年に入り出演作がめっきり減っていたヴァン・ダムですが、本作で相変わらずのアクションを見せてくれています。
しかし、この映画アクション物と言うよりは実はコメディーの要素が強いのではないかと思います。ヴァン・ダムが自分自身を演じるという点が、発想がユニークで、結構楽しめるところであります。この映画が公開されたのは2008年ですが、その時のヴァン・ダムの年齢は47歳と劇中で言っていますので、かなりアクションスターとしては年齢的に厳しくなっているものと思います。
それを如実に表しているのが冒頭の映画のアクションシーンの撮影ではないかと思います。かなりすごいアクションシーンを演じているのですが、最後で共演者がミスをしてしまい、苛立つシーンなどは笑わせてくれます。
そんな彼に色々試練が立ちはだかっていてお金が必要になってしまったために故郷の郵便局にお金を下ろしに行くのですが、そこで強盗と遭遇したことからさらなる不幸が彼を襲います。ここで彼が映画のようにマーシャル・アーツを使って強盗を退治すればかっこいいのですが、実際はそんなことはなく、強盗に振り回され、マスコミや地元の人からは犯罪者と誤解され、散々な目に遭うという点がスターらしくなく、面白みを感じる点であります。
物語は途中回想シーンを交えながらヴァン・ダムと警察との交渉シーンを交互に描き、事態の推移を描いていきますが、ヴァン・ダムがいつ強盗を退治するかと期待して観てしまうところなどは作品の作りが上手いと唸らされます。実は劇中で強盗を退治するのは最後の最後、しかも空想のシーンだけという所が外していて爆笑物だったのですが、良い意味で面白い作品だったと思います。
劇中ではヴァン・ダムの両親まで登場し、お約束とも言える交渉ごとが描かれていますが、すべてが勘違いの中での出来事ですので、そこに笑いを提供していると思います。その他にも警察にパンツ一丁で救急キットを届けさせるシーンなど、アイデアが凝っていて、楽しく観賞することができます。
映像は、独特の色調をしています。基本は緑がかった硬い感じの映像で、回想シーンなどが赤みがかかった色調になっています。どちらにしてもドキュメンタリー的な感覚を出そうという意図があるのではないかと思われる色を抜いた色使いであります。音響は5.1chですが、結構サラウンド感のある音響です。終始サラウンドが鳴っている感覚を記憶しています。レンジもワイドレンジのようで、拳銃の音など迫力があります。
なお、この映画はオリジナルの言語はフランス語音声の英語字幕という形式ですが、さすがにそれは視聴がきついので、英語吹き替え音声で視聴しています。しかし製作したのがフランスのためなのか、英語のトーンがフランスっぽく、アメリカ英語やイギリス英語ではない所がまた独特のトーンを生み出しているように思います。
コメント