KUBO AND THE TWO STRINGS(Blu-ray 3D)
邦題 | KUBO/クボ 二つの弦の秘密 | |
レーベル | UNIVERSAL PICTURES HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2016年 | |
上演時間 | 102分 | |
監督 | トラヴィス・ナイト | |
出演 | アート・パーキンソン、シャーリーズ・セロン、マシュー・マコノヒー | |
画面 | 2.40:1/アナモルフィック | |
音声 | dts-HD MA 5.1ch 英語 dts 5.1ch スペイン語 |
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字幕 | 英語、スペイン語、フランス語 |
あらすじ
片目を失っている少年、KUBOは、村で三味線を弾いて、村の人々と交流をしていた。KUBOは正気を失っている母と共に生活していたが、母は彼女の父と姉妹からKUBOを守るため、逃亡をしていたのである。KUBOの祖父にあたる老人は、KUBOのもう一つの目を必要としていて、母の姉妹がKUBOを捕まえに村までやってくる。母は最後の力を振り絞って、KUBOを守り、消滅する。KUBOは、母の魔法で自身が持っていた猿の木彫りと、クワガタの侍が実体化し、KUBOとともに、KUBOの父にあたる侍、ハンゾウの武器を探しに冒険に出ることになる。その彼らを母の姉妹が攻撃しようとする。KUBOの祖父は、ハンゾウを倒そうとして母と姉妹を派遣し、母はハンゾウと恋に落ちていたのであった。
レビュー
「コララインとボタンの魔女」などで評価の高いストップモーションアニメを制作しているライカ社が、日本を舞台にして作り出したファンタジー・アドベンチャー・アニメがこの「KUBO AND THE TWO STRINGS/KUBO/クボ 二本の弦の秘密」です。映画としての評価は悪くはないのですが、残念ながら全米での興行は成功とは言いがたく、また、日本での公開も1年遅れでの公開になってしまった、残念な扱いを受けている作品です。
日本を舞台にした映画である、と書きましたが、まず主人公KUBOの持っている楽器が三味線であるというところが、日本を強く意識している要素ではないかと思います。その関係もあり、サウンドトラック自体も三味線をフィーチャーした音楽になっていて、東洋と西洋が融合した摩訶不思議な雰囲気を作り出しています。
また、登場する人物や村も、日本の昔の村を意識した映像になっていて、これも不思議な雰囲気を醸し出す要素になっています。そもそも、KUBOやその母、母の姉妹やKUBOの祖父、死んだKUBOの父も侍を描いていて、東洋要素が満載であります。とはいうものの、本当の日本の姿かと言われると、ちょっと違うところもあり、あくまで西洋から感じた東洋という描き方が強いです。
この映画は、片目を失った少年KUBOが、母の庇護から離れ、祖父と対峙すべく、冒険の旅に出る、という話ですが、母の意識はKUBOが持っていた木彫りの猿や昆虫のクワガタが擬人化した状態でKUBOを庇護することになり、彼ら3人の冒険の旅であるということもできます。祖父の野望を打ち砕くため、3人が死んでしまった父、ハンゾウの遺産である鎧や兜、刀などを手に入れるまでと、それを阻止しようとする母の姉妹と祖父との戦いであると言えます。
戦いと書きましたが、最終的にはKUBOの三味線が大きな意味を持っていて、KUBOの母の形見である髪の毛などが、物語の重要な要素を占めているのが、キーポイントであります。ラストの祖父との戦いは、決闘ではなく、魂の浄化という点で、かなり予想外の展開になっているかと思います。そういう意味では、単なるアドベンチャー映画ではなく、ソウルを大事にした映画であると言えます。
映像は、3Dで提供されていますが、色彩が豊かで、かつ立体感がかなりあり、映像に引き込まれる印象を受けます。ストップモーションアニメであるため、その制作過程は大変だったと思いますが、魅力的な映像を提供しています。音響は劇場ではDOLBY ATMOSだったようですが、このBlu-rayはdts-HD MA 5.1chでの提供になります。極端なサラウンドではないものの、映像に引き込まれるようなサウンドデザインは健在で、空間再現力はなかなかなもののだと言えます。
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