MET ME IN(Blu-ray)
邦題 | モールス | |
レーベル | ANCHOR BAY ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2010年 | |
上演時間 | 115分 | |
監督 | マット・リーヴス | |
出演 | コディ・スミット=マクフィー、クロエ・グレース・モレッツ リチャード・ジェンキンス |
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画面 | 2.40:1/アナモルフィック | |
音声 | Dolby TrueHD 5.1ch 英語 | |
字幕 | 英語、スペイン語 |
あらすじ
1983年のニュー・メキシコ、ロス・アラモスという田舎町で、奇怪な殺人事件が起こる。その容疑者の男は自ら酸を浴びて重傷化し、病院に運ばれるが、看護婦が目を離した隙に飛び降りて自殺する。その事件の2週間前、母が父と離婚協定を話し合っている孤独な少年オーウェンは、隣の部屋に父親らしき男と一緒に越してきた少女、アビーと次第に親しくなる。しかしアビーには秘密があって、普通の少女ではなかった。彼女が越してきてから不可解な殺人事件が起こるようになり、オーウェンは次第にアビーの本性を知るようになるが、それとともに彼女に親しみを感じていくようになる。
レビュー
スウェーデンのベストセラー小説「モールス」の映画化作品「僕のエリ 200歳の少女」をハリウッドでリメイクした映画がこの「モールス」です。子役として注目を浴び始めたクロエ・グレース・モレッツが、主役のヴァンパイアを演じていることで一目置かれている作品でもあります。
物語はヴァンパイア物プラス少年少女の淡い初恋を描いたラブストーリーという2段仕立ての構成になっています。ヴァンパイア物ということで、結構血の量は多く、アメリカでは18歳未満は親の同伴が必要というR指定になっていますが、実際のところストーリーの中心はオーウェンとアビーとのラブストーリーであるといえます。
オーウェンがアビーと仲良くなっていくのには理由があって、その一つは両親の不仲であるといえます。離婚の協議をしているようで、オーウェンは母と暮らしています。そして、母の元にいるのが嫌らしく、一人でアパートの前のジャングルジムで座って時を過ごしています。また、オーウェンは学校でもいじめっ子に色々いじめられています。これはラストでの意外な展開に繋がっているのですが、いじめられっ子であるという事実が、オーウェンをアビーと引き合わせるようになっていく要因に思います。
アビーは不思議な少女で、雪の積もっている地面を素足で歩いているという何か違うというところを最初から見せています。そして、次第にオーウェンと親しくなるのですが、彼女には秘密があって、それが次第に明らかにされます。彼女の姿形は12歳なのですが、実際は違うというところが、それを物語っています。また、アビーの父親らしき人物は、不可解な行動をしていてアビーに様々な便宜を図っていますが、彼がトラブルに巻き込まれ(トラブルではないがトラブルと書く)、事故に遭うところは、物語の最初と中盤に描かれ、そこで父親らしき人物の正体と、行動の意義が明らかにされます。
物語はとても静かな展開で進んでいきますので、ヴァンパイア物としてみると少し肩すかしを食らうかもしれません。後半になると、ヴァンパイア色は強くなりますが、基本的にオーウェン視点での物語の進行ですので、彼が関わらない視点での展開はあっさりしているように感じます。一方でオーウェンが関わってくるいじめられっ子の視点は、最初から最後までつきまとってきますので、それが最後どう結実するかで、物語の印象を変えているように思います。
ラストは意外な終わり方をしています。オーウェンは世を捨て去った生き方をしていくのかという展開ですので、永遠の愛を司るのかと思ったりします。それはオーウェンにとっては永遠ではないといえるのですが、アビーの父親らしき男もそうして生きてきたようですので、多分オーウェンも同様の生き方をしてくるのだろうと思います。
映像は昼間のシーンはあまりなく、室内とか夜の照明が輝くシーンが多いです。そのためにどちらかというと暗く、暖色系の色合いをしています。それがホラー色を弱めているように感じます。昼間のシーンは寒い地域を現すかのごとく、冷たい感触がよく出ている色調で、作品の冷たい感じを表現しているように思います。音響はDolby TrueHD 5.1chサラウンドで、ドラマ色の強い作品ながら、サラウンドが効果的に活用されています。また、不気味さを表現する重低音もよく出ていて、迫力を感じます。
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