LOST HIGHWAY
邦題 | ロスト・ハイウェイ | |
レーベル | UNIVERSAL STUDIOS HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 1997年 | |
上演時間 | 135分 | |
監督 | デヴィッド・リンチ | |
出演 | ビル・プルマン、パトリシア・アークエット、バルサザール・ゲティ | |
画面 | 2.35:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語 | |
字幕 | 英語、スペイン語、フランス語 |
あらすじ
ミュージシャンのフレッドは幸せな生活を送っていたが、ある日何者かによる伝言「ディック・ロランドは死んだ」を受けたことから人生が狂い始める。彼の妻レネが玄関にビデオテープが置かれているのを発見し、そのテープを再生してみると、何者かが彼らの家に侵入していることが発覚する。警察に届け出た二人だったが、テープはその後も置かれ続け、ついにフレッドがレネを殺害する様子が収められたテープが再生される。フレッドは妻の殺害容疑で捕まり、拘置所に入れられるが、ある日突然別人の若者ピートに変わってしまう。ピートは釈放され、仕事場に復帰するが、暗黒街のボスの女であるアリスに引かれていき、彼女と一緒に逃避行を決意するまでになる。しかし彼女は最後にピートを付き放ち、再びピートはフレッドに戻るのだった。
レビュー
映画界の鬼才デヴィッド・リンチが映画版「ツイン・ピークス」を公開して興行的に失敗してから約5年後に製作されたのがこの「ロスト・ハイウェイ」です。内容が難解な為、興行的にはあまり成功したとはいえませんが、評価は意外と高いというのがこの映画です。
物語はかなり難解で、ただ観ているだけでは話が理解できない映画ではあります。物語としては二つのパートに分かれていて、ジャズプレイヤーのフレッドとその妻レネが巻き込まれる事件と、自動車泥棒を起こして釈放された若者ピートと暗黒街のボス、ディックの愛人アリスの情愛を、なんとフレッドとピートが入れ替わるという形で描くという変わった形で描いています。
二人は同一人物でありながら、実際にはそれぞれに生活の立ち位置があり、レネとアリスが同一人物であるという一点を除いては接点が全然ないという点で、異色の展開ではあります。前半はフレッドが次第に生活基盤を壊され、ついには妻殺しを起こしてしまうというところまでがポイントであります。それを仕向けるのは謎の白塗りの男であり、この男が要所要所で主人公たちに情報を与えたりします。
物語中盤から後半はピートが主役の展開で、レネと姿格好が同一の女アリスの誘惑に嵌って、次第に情愛にふけり、最終的には殺人事件まで起こしてしまうという展開になっています。そこまでしてアリスは最終的にはピートを付き放してしまうというのが、アリスという女性の魔性の女的立場ではないかと思います。彼女は実際には暗黒街のボス、デックの女であり、二人が愛し合うところをフィルムに撮っているような関係でもあります。それでもピートは彼女のことが忘れられないというところに魔性の魅力があるといえます。
ピートから再びフレッドに戻った後は、暗黒街のボス、ディックを白塗りの男とともに殺害し、物語冒頭に戻るというある種のループ展開が繰り広げられ、話がややこしくなっています。これに限らず、映像的には意味深な映像が結構多くあり、観客に謎を提示しながら回収をしていないような感じも多分にあります。
映像と音楽をうまく組み合わせることで観客に考えさせる場面も多くあり、また台詞が意外と少ないということからも、娯楽作というよりは実験的映画としての立場を取っているのではないかと思います。イマジネーションをどこまでかき立てられるかが、この映画を楽しめるかどうかの分かれ目になっているような気がします。
映像はあまり良好ではありません。ソフトフォーカスで撮影されたかのような感じがしますし、映像自体が室内シーンだとか、夜のシーンが多いせいもあるのでしょうが、暗いシーンが多く、ディスプレイの黒の再現性を試しているかのような感じがします。また、ざらつきも見られ、色調自体が赤に偏っているという点もインパクトを与える要素になっています。音響はDOLBY DIGITAL 5.1chですが、あまりサラウンドはしていないと思います。しかしながら、かすかに鳴っているサウンドトラックが物語のトーンを決めていて、ある種の不思議な感覚を持たせてくれます。これが重低音を駆使しているので、不気味な感じがします。
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