LUCY(Blu-ray)
邦題 | LUCY/ルーシー | |
レーベル | UNIVERSAL STUDIOS HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2014年 | |
上演時間 | 90分 | |
監督 | リュック・ベッソン | |
出演 | スカーレット・ヨハンソン、モーガン・フリーマン、チェ・ミンシク | |
画面 | 2.40:1/アナモルフィック | |
音声 | dts-HD MA 5.1ch 英語 / dts 5.1ch スペイン語、フランス語 | |
字幕 | 英語、スペイン語、フランス語 |
あらすじ
台北で、リチャードという男と知り合ったルーシーは、彼の悪事に加担させられ、ジャンという韓国人の元に新しいドラッグが入ったスーツケースを届けられる羽目になる。しかし、リチャードは殺害され、ルーシーは、英語を話せないジャンの悪事を受け入れざるをえなくなる。ジャンは、新しいドラッグを世界中に持ち出そうとしていて、何人かの男とともに、ルーシーもお腹の中にビニール袋に詰められたドラッグを入れられて、ドラッグの運搬をされられる。その途中、悪の組織の男に腹をけられたルーシーは、ドラッグの一部が体の中にまき散らされ、彼女の脳が通常の人間より遥かに進化した形で活動をし始めてしまう。脳の活動量が20%、30%と増えていくにつれ、ルーシーは、ジャンとその部下を追い詰め、ドラッグの回収に努める。ジャンはドラッグを取り戻そうとするが、ルーシーは脳の研究家であるノーマン博士と連絡を取り、自身に更にドラッグを取り込んで進化していく。
レビュー
フランスの映画監督であるリュック・ベッソンが、撮影したSFアクション映画が、「LUCY/ルーシー」です。「アベンジャーズ」シリーズですっかりアクション女優として評価されている、スカーレット・ヨハンソンを主役に添えて映画化しており、興行収入的には成功を収めている作品であります。
しかし、興行収入的に成功しているからといって、出来がいいかというと、ちょっと違うと思います。通常10%しか使われていない脳の活動が、それを越して20%、30%と増していった場合のルーシーの超人的活動が、マンガチックで、また、最終的にはSFの領域に踏み込んでしまっていることで、現実感があまりない作品になってしまっていると思います。
物語冒頭でのルーシーの行動と、ノーマン博士の脳に関する発表が、バラバラに描かれているので、どうこの二人が絡んでいくのかと思いきや、意外な形で二人が接点を持つことになるのが、奇想天外な部分でもあります。あまりそれが有機的に機能していない部分でもあり、作品の質を下げている感じはします。
ルーシーが、ドラッグを体内で吸収してしまって、超人的活躍をし始めるところは、結構面白いのですが、その後の彼女の進化が唐突な感じがして、唖然とさせられるところでもあります。
犯罪組織が韓国人で、一切英語を話さない、というのはリアリティがあるように思いますが、彼らの行動自体がよく分からない、というところもあり、敵としての韓国人に今一つ脅威感がない、という見え方をしています。
物語前半は、台湾の台北を舞台にしていて、珍しい展開だな、と思います。ハリウッドの現在の立ち位置では、中国を舞台にして中国の観客を動員する、というのを目的にしている部分があり、その中国と対立している台湾がハリウッド映画の舞台になる、と言うのは、変わった展開であると言えます。
後半になるにしたがって、ルーシーが次第に覚醒してくシーンがありますが、彼女の進化の先が、実在の状態ではない、というところに、なんか納得の行かない展開であると感じます。その辺を笑って済ませられるようでないと、この映画は楽しめないのでは、と思います。まあIMDbでもそんなに評価は高くないので、映画の展開に呆れた客が多いのでは、と邪推してしまいます。
映像は、ノイズもなく、また、色のりが十分で、色彩感覚が最高に感じる映画であると言えます。ワイドスクリーンいっぱいに広がる映像は、臨場感を醸し出しています。音響も低音の響きこそ少ないものの、見事なサラウンド音場で、映像の臨場感を高める効果を出しています。
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