MAN OF STEEL(Blu-ray 3D)
No Image | 邦題 | マン・オブ・スティール |
レーベル | WARNER HOME VIDEO | |
制作年度 | 2013年 | |
上演時間 | 143分 | |
監督 | ザック・スナイダー | |
出演 | ヘンリー・カヴィル、エイミー・アダムス、マイケル・シャノン | |
画面 | 2.40:1/アナモルフィック | |
音声 | dts-HD MA 7.1ch 英語 DOLBY DIGITAL 5.1ch フランス語、スペイン語 |
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字幕 | 英語、フランス語、スペイン語 |
あらすじ
惑星クリプトンは、核の暴走により崩壊の危機に瀕していた。しかし評議会は何もせずにいるままだった。それに怒ったゾッド将軍は反乱を起こすが、捕まってしまい、ファントム・ゾーンに追放になる。評議会の一人であるジョー・エルは、自分の息子であるカル・エルを一人地球に逃がして、種の保存を計ろうとする。地球に着いたカル・エルは、クラーク・ケントとしてケント夫妻に育てられ成長していくが、自身の持つ不可解なパワーを時々使ってしまい、周囲から気味悪がられていた。大人になったクラークは各地を放浪し、自身がどこから来たのか、自分にはどのような使命があるのかを、父であるジョー・エルに教えを請う。そしてある時、ファントム・ゾーンに追放されていたはずのゾッド将軍が地球にやって来て、クリプトン再生のために地球人を犠牲にする気でいるのを知ったクラークは、彼に戦いを挑むことになる。クラークは、異星人の痕跡を探っていたロイス・レーンとともに、ゾッド将軍の企みを潰そうと試みる。
レビュー
2006年の「スーパーマン・リターンズ」が、映画会社のワーナー・ブラザースにとって期待通りの収益を上げられなかったために、しばらく休止していた映画製作を、「ダークナイト」シリーズの成功で再び製作開始となり、「ダークナイト」シリーズのクリストファー・ノーランを製作に、「300」、「エンジェル・ウォーズ」等アメコミの映画化が得意なザック・スナイダーが監督したのがこの「マン・オブ・スティール」です。北米での興行収入は3億ドル近い数字となり、続編の製作も決まっています。
作品内容は、1978年の「スーパーマン」及び1981年の「スーパーマンII」を再度リメイクした様な内容になっています。ということで今回のエピソードは、再度スーパーマンが誕生するまでを描いた、エピソード1ということになります。かなり「スーパーマン」及び「スーパーマンII」に敬意を払っているようで、最初のクリプトン星の破滅から、ゾッド将軍の登場とその悪役ぶりは、これらの作品を彷彿とさせる展開になっています。
ただ、先の映画と大きく違うのは、SFXの進化によるスーパーマンを始めとした特殊効果の描き方ではないかと思います。「スーパーマン」では今観るとかなり低速に思えるスーパーマンの飛翔シーンが、今作品ではとんでもない疾走感を持って描かれており、時にその映像表現が物語の興奮感を少し削いでいる所もあります。ただ、時代に合った描き方であるとはいえると思います。
物語前半のクリプトン星の崩壊は、「スーパーマン」の冒頭とかなり似ている展開ではあります。ジョー・エルとゾッド将軍の確執は、物語後半のスーパーマンとゾッド将軍の戦いの先駆けの様な所があり、ジョー・エルを演じたラッセル・クロウが結構見せ場を持っていっていると思います。
スーパーマンことカル・エルが地球に来てからの展開は、幼少期の描写と成人してから自身の使命を探る旅とが平行に描かれます。その辺はちょっと変化球かなと思います。時系列的に描かなかったことで、クラーク・ケントとして育てられたカル・エルの苦悩の人生がより明確化されているかと思います。そして最終的には自身を運んで来たカプセルから父ジョー・エルのデータにアクセスでき、「人類の為になる戦いをしろ」という使命を胸に刻むことになります。
クラークとロイス・レーンの出会いも結構展開が異なっていて、クラークはデイリー・プラネットにはまだ入社していないで、自身のカプセルを調査に来たロイスと出会い、そして二人が腹の探り合いをしながら共に行動をしていく、という変化球を投げています。でも、ロイス自身も後でクラークに頼まれ、ゾッド将軍の野望を阻止する行動をする所は、現代的女性の描き方だと思います。
物語自体は面白いのですが、特殊効果がちょっとやりすぎの感があり、それがストーリーを少々阻害している様な気もします。途中から主人公がスーパーマンではないのではないか、と感じる所が多々あり、一体何の映画を観ているのかが理解できない状態に陥る所もあります。それはスーパーマンのSFXが派手すぎて、鋼鉄の男としての強さがスポイルされている感があるからだと思います。そしてゾッド将軍配下の兵士との戦いも、カンザスの田舎町での戦いと、地味な所での戦いなのもそう感じる所があります。そして軍が結構前に出てくるので、それもスーパーマンの強さの表現を発揮できない要因かなと思います。
ラストは、クラークがデイリー・プラネットに入社する所で終わりますが、クラーク・ケント=スーパーマンであることをロイスが知っているのも今作の特徴かなと思います。そういう意味ではリブート企画としては、色々いじっている作品で、水準以上の出来にはなっているかと思います。
出演している俳優が結構豪華で、前述のラッセル・クロウの他に、ケント夫妻にケヴィン・コスナーとダイアン・レイン、デイリー・プラネットのキャップにローレンス・フィッシュバーンと、面白い顔ぶれが登場しています。その辺を楽しむのも今作の楽しみではないかと思います。
映像は3Dで観賞しましたが、あまり立体感も奥行き感もない、少々平凡な映像であったかと思います。ただ画質という面でいえば、見やすい映像で疲れは感じないようになっているかと思います。SFXのシーンと実写のシーンで画調が少し変わるのが、気になると言えば気になります。音響はdts-HD MA 7.1chを5.1chにダウンミックスして聞きましたが、全編音楽がサラウンドチャンネルを使って鳴り響いていて、また効果音も積極的にサラウンドに回しているので、音の響きはものすごいものがあります。音響だけで楽しめる作品であるといえるでしょう。
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