MARS ATTACKS!
邦題 | マーズ・アタック! | |
レーベル | WARNER HOME VIDEO | |
制作年度 | 1996年 | |
上演時間 | 106分 | |
監督 | ティム・バートン | |
出演 | ジャック・ニコルソン、グレン・クローズ、アネット・ベニング | |
画面 | 2.35:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、フランス語 DOLBY DIGITAL 2.0ch スペイン語 |
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字幕 | 英語、フランス語、スペイン語 |
あらすじ
ある日、ハッブル望遠鏡がUFOを捉える。異星人の到来を知ったアメリカは、大統領を中心にミーティングを行うが、科学者の意見である平和の使者であるという説を取り、平和的接触を図ろうとする。しかしその異星人、火星人は、平和的でも何でもなく、人類を抹殺することに躊躇がなかった。ファースト・コンタクトで火星人は人類に対して攻撃をしかけ、アメリカ軍はそれに対し防戦するが、火星人の兵器の前に無力だった。火星人はアメリカだけでなく、全世界に対し攻撃をしかけ、世界は崩壊の危機を迎えるが、ある事件が元で、火星人を倒す手段が発覚する。
レビュー
前作「エド・ウッド」で伝説の「最低映画監督」エド・ウッドの半自伝的映画を撮ったティム・バートンが、何をとち狂ったか、まるでエド・ウッドの作る映画の様な作品を作り出してしまったのが、この「マーズ・アタック!」です。製作に巨額の巨費を投じながら、そのB級映画的内容のために、興行収入が伸びなかった作品でもあります。
B級映画的内容と書きましたが、出演者はA級俳優ばかりで、結構豪華です。でその俳優たちがB級映画の様なストーリーに嬉々として演じているのが、この映画の楽しみの一つではないかと思います。俳優たちは火星人の侵攻に対して、あくまで平和的解決を図ろうとして、かえってだまされるという馬鹿な判断をして死んでいくところが、結構面白いといえるかと思います。
でこの映画の肝である火星人襲来というのは、元ネタでいうと、1950年代に発行されたトレーディングカードの火星人襲来、というシリーズをネタにしているとのことです。ですので、火星人のシルエットはかなりアナクロチックな姿をしており、いかにもB級映画的印象を強くしているかと思います。でもその火星人は、かなり技術が人類より発展していて、地球人の攻撃にはほとんどびくともしないというところは、手強い印象を与えます。
その強力な火星人をどのようにして倒すのかは、物語のクライマックスで意外な形で現れるのですが、これを見た時には呆気に取られてしまいました。軍ですらかなわなかった火星人にも意外な弱点があるということ、それを発見するのが貧乏な若者という点、その辺がティム・バートンらしいと思います。ティム・バートンからすれば、権威を持った人々が事件を解決するよりも、無名の若者が事件を解決する方が自然なのだと思います。
ティム・バートンとしては、自分本来が持っているオタク的魂を映画に込めた様な気はします。火星人という1990年代にしては古くさいテーマや、それに太刀打ち出来ない地球の軍隊、映像の合間には「ゴジラ」が登場するギミック、その辺辺りがバートンの趣味丸出しという感じがして、彼の映画ファンなら、結構楽しめるのではないかと思います。馬鹿馬鹿しい映画ですが、ティム・バートン映画に共通の「社会からのはぐれ者が社会と係わり合う」というテーマはこの映画でも見ることが出来ます。
映画を語る上で欠かせないのが、音楽です。前作「エド・ウッド」では喧嘩別れしたために参加しなかったダニー・エルフマンが、ティム・バートンと仲直りをして、今作から再び音楽を担当しています。ティム・バートンとダニー・エルフマンの強力タッグが、映画のおかしさに深みを与えていると思います。また、アメリカでは人気の歌手トム・ジョーンズが本人役で出演し、歌を歌うばかりか、演技までしてインパクトを与えています。
映像はあまり良好な映像とはいえません。DVDが初めて発売された1996年から日が経たないうちにリリースされたディスクですので、データ転送量が低く、解像度が全く足りていません。また、デジタル処理をしていると思うのですが、何となく色がにじんでいる感じがあり、全般的に赤に色が傾いている様子も見てとれます。音響はDOLBY DIGITAL 5.1chですが、こちらはかなり良好です。派手にサラウンドに回す音響ではありませんが、包み込まれる様な立体感は健在で、また重低音もかなり響くサウンドになっています。
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