RATATOUILLE
邦題 | レミーのおいしいレストラン | |
レーベル | BUENA VISTA HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2007年 | |
上演時間 | 111分 | |
監督 | ブラッド・バード | |
声の出演 | パットン・オズワルド、ブライアン・デネヒー、ブラッド・ギャレット | |
画面 | 2.35:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch-EX 英語 DOLBY DIGITAL 2.0ch 英語 |
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字幕 | 英語 |
あらすじ
ネズミのレミーは食べ物に対して特別な感性を持っていて、仲間の持ってくる食料がいいか悪いかを判断できる能力を持っていた。レミーはテレビで放映されているグスタウというフランスレストランのコックを敬愛していて、彼のようになりたいと思っていた。ある時住んでいる家の住人が彼らを発見して銃で追い払い、レミーは仲間と離れて、パリにたどり着いてしまう。そこでグスタウのレストランに近づいたレミーは見習いコックのリングイニと出会い、彼をコントロールすることで、素晴らしい料理を客に提供することに成功する。しかしそれを不審に思った支配人は、リングイニを調べるようになる。また、レニーは同じくパリにたどり着いていた仲間と再会し、人間世界で料理をとるのか、あるいは仲間のネズミと共に生活するのかの選択を迫られる。そんなある日、リングイニの血筋が表面化し、批評家がレストランに訪問することになり、事態は進展化する。
レビュー
「アイアン・ジャイアント」で批評家から高い評価を得た監督のブラッド・バードを今作の監督に迎え、2007年のサマーシーズンでヒットを記録した作品が「レミーのおいしいレストラン」です。ストーリーテラーとしては外しの少ないピクサー社の制作で、今作も高い評価を得ています。
物語としては、ネズミのレニーが主役、人間のリングイニがサポート役といった布陣で設定されています。レニーがネズミとしては人間っぽく、料理に興味のある若者として描かれているのが特徴で、ディズニー/ピクサーお得意の動物の擬人化に成功していると思います。
レニーは人間のグスタウというレストランのコックに憧れているというのが前振りであって、それが終始貫かれています。グスタウ自身は物語中ではすでに亡くなっている人物ですが、レニーにアドバイスする空想の人物として重要な役割を演じています。また、レニーがたどり着き、自分の料理の腕を発揮させるフランスレストランの店もグスタウの店というのが、物語中で大きな意味を持っています。
ネズミのレミーが主役ではありますが、当然人間のパートもあるわけで、その人間のパートで重要な役割を持っているのがリングイニという若者です。彼の血筋には重要な秘密があるのですが、それは物語中盤で明らかになると同時に彼の料理に対する能力のなさを変に思わせる一因にもなっています。
レミーとリングイニの1匹と1人の対話は当然ないのですが、レニーがリングイニの髪の毛を引っ張ることで、体をコントロールできるという面白い設定が生きていて、料理のできないリングイニがレミーの能力を借りて素晴らしい料理を作るという事態を招いています。
クライマックスに近づくにつれて、この1匹と1人のコンビが危うくなると同時に、実は意外な展開を持って話は進んでいくのですが、結構カタルシスが感じられます。小悪人も出てきますし、ちょっとした危機的状況があったりもするのですが、予定調和的に感じられなくもありません。しかしながら、話の展開がうまいので、その辺をあまり気にすることなく、面白いと感じさせるところがあります。
観ていて感じたのは、何となく日本の漫画「美味しんぼ」を彷彿させるところがあるな、というところでしょうか。料理に対するアプローチが似ているなと感じさせなくもありません。特に後半レストランの批評家が出てくるあたりから、その辺を妙に感じてしまい、「まさか参考にしたわけでもあるまいに」と感じさせてしまっているところもあります。
画質はもともとがフルCGというアニメのためか、大変に美しく、またDVDという仕様でありながら解像度も気になるところがなく、物語に没頭できる色彩を放っています。ノイズもなく、きれいな映像を提供しています。音響はDOLBY DIGITAL 5.1-EXで、アニメということもあってか、かなり誇張されたサウンドフィールドを形成しています。キャラの声がわざと背後から聞こえたり、効果音を有効的にサラウンドに振ったりしているので、視聴していて楽しい映画に仕上がっています。
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