SHERLOCK HOLMES
邦題 | シャーロック・ホームズ | |
レーベル | WARNER HOME VIDEO | |
制作年度 | 2009年 | |
上演時間 | 128分 | |
監督 | ガイ・リッチー | |
出演 | ロバート・ダウニー・JR.、ジュード・ロウ、レイチェル・マクアダムス | |
画面 | 1.85:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、フランス語、スペイン語 | |
字幕 | 英語、フランス語、スペイン語 |
あらすじ
1890年のロンドン。ブラックウッド卿は黒魔術を用いて何人もの犠牲者を出していた。それを阻止したのがシャーロック・ホームズと助手のワトソン。ブラックウッド卿は逮捕され、絞首刑を適用される。しかし、ワトソンが死んだことを確認したのにもかかわらず、ブラックウッド卿は死者から蘇り、再び犯罪に手を染めようとする。ブラックウッド卿の背後に見え隠れする謎の人物に惑わされながら、ホームズはブラックウッド卿を再び阻止すべく、調査を開始するのだった。
レビュー
コナン・ドイルの生み出した名探偵シャーロック・ホームズとその助手のワトソンの活躍を描いたガイ・リッチー監督の新たなるホームズの物語がこの「シャーロック・ホームズ」です。興行的にも大成功を収め、第2弾が製作・公開されるという運びになっています。
テレビや映画で何回も映像化されている「シャーロック・ホームズ」ですが今回の「シャーロック・ホームズ」は一味違います。アクションに重きを置いた設定のため、原作のイメージでは沈着冷静のはずのホームズが、武闘派で尚且つお茶目な性格に変更されています。それに伴いワトソンも単なる相棒兼物語の語り部役からホームズと同じく武闘派でホームズの暴走を抑える役割に変わっています。
ホームズの性格が原作から変えさせられているために、愛らしいキャラクターになっているのが特徴で、演じるロバート・ダウニー・JR.の楽しそうな演技とあいまって、魅力にあふれる新たなシャーロック・ホームズを生み出しています。
また、1890年のロンドンが舞台ということで時代的には前時代を思わせる感じながら、実際は現代に通じるものがある雰囲気を漂わせています。これは製作者の意図したものであると思います。観ていてちょっと近代のロンドンではないなと感じる所があって、それも物語の雰囲気を変えるのに一役買っているかと思います。
物語は一貫してブラックウッド卿の犯罪とそれを追うホームズ、ワトソンの活躍を描いたものになっていますが、何故一度死んだはずのブラックウッド卿が生き返ったのか、彼の真の目的はなんなのか、ということが徐々に明かされているところにこの映画の肝があると思います。謎解きはホームズの得意技ですが、それをセリフでだけ語るのではなく、映像をスローモーションやインサートなどを活用して、視覚的にも謎解きの説明をしているところがガイ・リッチー監督の手腕が光っているかと思います。
その特殊映像効果をまたホームズがこれから敵を倒すときなどにも頭の中で考えた作戦の時にも使っているので、「本当にその通りになるのかな?」と鑑賞していて疑問に思い、実際にその通りに敵が倒されるので、この辺の仕組みも面白いなと思ったところであります。
ホームズを撹乱したり、助けたりするヒロインにアドラーという女性がいますが、彼女はホームズの宿敵として有名なモリアーティ教授の意向にそって動いているというのもファン的には唸らされるところでしょう。そのモリアーティ教授は今作ではちゃんとした形で姿を表しません。謎の人物という位置づけで出てきていて、「続編があれば出るかもね」という感じを醸し出しています。
映像的に面白いなと思ったのが冒頭の映画会社のロゴです。時々幾つかの映画でロゴを遊びに使っているのを見かけますが、今作ではワーナーのロゴから地面の石畳の模様として表れていて、作品の雰囲気を作り出すのに一役買っているかと思います。
画質は陰鬱なロンドンの雰囲気がよく出ていて、DVDでの解像度もあまり不満には感じません。もちろんプレイヤーのアップスケーリング機能を使っているからでありますが、暗いシーンでこそ少々見辛い感じを受けますが、それ以外はまずまずの映像であるといえるかと思います。音響はDOLBY DIGITAL 5.1chで鑑賞ですが、意外と自然なサラウンドで空間包囲網がナチュラルに感じます。もちろんサラウンドに音を意識的に振っているシーンもありますが、基本前方サウンドと言う感じです。重低音はあまり鳴りませんが、レンジは比較的広いと感じます。
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