SPEED RACER
邦題 | スピード・レーサー | |
レーベル | WARNER HOME VIDEO | |
制作年度 | 2008年 | |
上演時間 | 135分 | |
監督 | ザ・ウォシャウスキー・ブラザース | |
出演 | エミール・ハーシュ、クリスティナ・リッチ、ジョン・グッドマン | |
画面 | 2.35:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、フランス語、スペイン語 | |
字幕 | 英語、フランス語、スペイン語 |
あらすじ
レーサー一家は、自動車競走に命をかける一家だった。元レーサーだったレックスの事故死を乗り越え、スピードは、数々のレースに参加する。その中、巨大企業の代表であるロイヤルトンがレーサー一家に接触をする。彼はスピードのレースの手腕を見込んでレースの勝利に利用しようとするのである。しかし、それを拒否してレースにかけるスピードに、ロイヤルトンがさまざまな悪事を働いてレースに勝利しようとする。強力な仲間を得たスピードは、レースで優勝しようと必死の努力をするのだが。
レビュー
原作は言わずと知れた日本アニメの「マッハGoGoGo」をCGと実写を組み合わせて制作されたのがこの「スピード・レーサー」です。オタクであるザ・ウォシャウスキー・ブラザースが脚本と監督に当たり、日本では東京ドームでのIMAX試写会というプロモーションまでしましたが、残念なことに大コケしてしまい、日本アニメのハリウッド実写化の失敗の歴史にその一コマを刻んでしまった作品です。
作品を見て思ったことは、まず始めにCGと実写の合成のまずさが見受けられたという点です。CGと実写がうまく溶け込んでいないため、見ていて、なんとなく違和感を感じさせるものになっていると思います。これは豪華な俳優を使うより、すべてCGアニメにしてしまったほうがいいのではないかと思います。
俳優達も結構有名どころを起用していて、豪勢なはずなのですが、CGの印象が強すぎて、演技のしようがないといった感じを受けます。基本的にはレーサー一家の家族愛を描いているのではないかと思うのですが、レーサーの弟とチンパンジーの演技が浮いてしまっていて、お子様向けという印象を受けます。
またこれも演出上の効果を狙っていると思うのですが、登場人物が流れるように登場してくるシーンが多く、印象に残るのですがこれが何を意味しているのか、よく分からない点があります。
レースシーンも、もともとのアニメをCG化したという点を考えても、リアリティがなく、音響効果がなければもろにCGそのままという物理法則を無視したかのような描き方に賛否が分かれるのではないでしょうか。僕個人としては、この辺りのカット割とかに少々不満があって、ちょっと見づらいかなという印象を受けました。
とはいうものの、個人的には見ていて結構面白く、サマーシーズンムービーとしては、出来は悪いと思うものの、その点を意識しなければ結構楽しめるのではないかと思っています。話の筋は単純ですし、CGの美しさは魅力的に移ります。
多分興行的に失敗してしまったのは、「マッハGoGoGo」という日本でも最近はお目にかからなくなってしまった作品としての知名度のなさと、子供向けに作ったという感じがぷんぷん匂ってくるストーリー展開にファミリーが敬遠したのではないかと思います。あからさまなCGが観客を辟易させているのだと思います。その点を考慮すれば、結構楽しめるというのがこの作品だと思います。
映像は何度も書いていますがCGあからさまということで、原色を多用した色調をしていて、大変きれいに描かれています。実写パートもCGに合わせ原色多用なのですが、それが逆に浮いた感じをもたらすぐらいにきれいです。サウンドは結構作ってあって、CGのリアリティのなさをカバーしている感があります。意外と低音は鳴らない感じで、サウンドフィールドはそれなりにあります。
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