SPIDER-MAN:INTO THE SPIDER-VERSE(Blu-ray)/スパイダーマン:スパイダーバース/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

SPIDER-MAN:INTO THE SPIDER-VERSE(Blu-ray)

SPIDER-MAN:INTO THE SPIDER-VERSE Blu-rayジャケット 邦題 スパイダーマン:スパイダーバース
レーベル SONY PICTURES HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2018年
上演時間 117分
監督 ボブ・ペルシケッティ,ピーター・ラムジー,ロドニー・ロスマン
声の出演 シャメイク・ムーア、ヘイリー・スタインフェルド、リーヴ・シュレイバー
画面 2.39:1/アナモルフィック
音声 dts-HD MA 5.1ch 英語
DOLBY DIGITAL 5.1ch フランス語、スペイン語
字幕 英語、フランス語、スペイン語

あらすじ

ニューヨークに住むマイルスという若者は、学校になじめずにいたが、警察官の父に連れられ、学校に渋々通学していた。マイルスの唯一の逃避先は、叔父であるアーロンであった。ある夜、アーロンに連れられ地下鉄の立ち入り禁止地帯に入り込んだマイルスは、放射能を帯びた蜘蛛に刺され、スパイダーマンの能力を持ってしまう。その後、また地下鉄の立ち入り禁止地域に一人で入ったマイルスは、スパイダーマンがキングピンという男と戦っている場面に遭遇する。スパイダーマンことピーター・パーカーは、キングピンの野望を阻止するようマイルスに頼んで、この世を去ってしまう。戸惑いを感じていたマイルスだったが、キングピンが平行次元を解放したために、別の世界から何人ものスパイダーマンが現れ、彼らは開いた次元の穴を防ごうと奮闘を始める。マイルスは能力を発揮できずにいたが、次第に自身の役割を理解し、平行次元を閉じようと行動を始める。

レビュー

2018年のアカデミー賞で長編アニメ賞を受賞した、スパイダーマンをアニメ化した作品が、「スパイダーマン:スパイダーバース」です。マーベル・スタジオが制作には関わっていますが、マーベル・シネマティック・ユニバースとは無関係であり、独立したスパイダーマンのアニメ映画として成立しています。アカデミー賞を受賞したこの作品は批評家の評価も高く、また、興行収入でも大ヒットを記録しています。

この映画が面白いのは、アニメーションではあるものの、独特の演出効果を出していて、その効果が映画の面白さを増しているところにあると思います。セリフが画面内にコミックブックのように現れたり、CGに夜特殊効果など、映像を見ているだけでその出来が従来のアニメとは違うということを表しています。映像は2Dですが、劇場では3Dで上映されている場合もあり、3Dだったらその効果は抜群ではないかと思われる映像表現をしています。

また、物語がスパイダーマンであるピーター・パーカーが死んでしまう、という設定から、並行世界の中年ピーター・パーカーや、グウェン、日本のアニメキャラなどが登場し、主人公であるマイルスに対して奮起を促すというところに面白さがあると思います。ピーター・パーカー亡き後の世界で、新たなスパイダーマンが誕生するという展開は、かなり興味深いものになっているかと思います。

マイルス達が戦うのはキングピンという男でありますが、彼は失った家族を取り戻すために並行世界を開くという野望を抱いているので、その分、敵としてのキャラクターの存在感に一定の数値をつけられると思います。彼自身の野望は自分の家族を取り戻すことにあり、その辺は悲しい存在であると言えます。そのキングピンに仕える様々な敵は、それぞれ手強いところがあり、マイルスをはじめとする様々なスパイダーマンがどう戦っていくのかというところに物語の面白さがあると言えます。

マイルスの父は警官であり、マイルスとなかなか関係がうまくいかないところがあるものの、次第に親子の関係を築いていくところも、映画の見所であると思います。その一方で叔父であるアーロンの本性は意外性があり、マイルスに心の傷を残す結果になっています。その辺の対比が見どころかなと思います。

アニメではありますが、原作者であるスタン・リーがこの作品でも登場するのは、面白いところであります。マーベル・シネマティック・ユニバースでは必ずカメオ出演していたスタン・リーですが、アニメまで出てくるというのは、一種の隠し要素であり、笑える場面であると思います。また、隠し要素としては、エンドクレジット後のおまけ映像があり、その辺はユニークであると言えます。

映像はアニメーションということもあり、解像度、発色等大変良好な画質を提供しています。映像には魅力があり、取り込まれる感覚を覚えます。音響は残念ながらdts-HD MA 5.1chでの収録ですが、サラウンド感が満載で、観客が音に包み込まれるイマーシヴ感は十分にあります。サラウンドを積極的に活用しているので、物語を音で伝える効果を出しています。

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