SUCKER PUNCH EXTENDED CUT(Blu-ray)
邦題 | エンジェル ウォーズ | |
レーベル | WARNER HOME VIDEO | |
制作年度 | 2011年 | |
上演時間 | 127分 | |
監督 | ザック・スナイダー | |
出演 | エミリー・ブラウニング、アビー・コーニッシュ、ジェナ・マローン | |
画面 | 2.40:1/アナモルフィック | |
音声 | dts-HD MA 5.1ch 英語 | |
字幕 | 英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語 |
あらすじ
ベイビー・ドールは母を失う。継父はその遺産を狙うが遺書には二人の娘に遺産を残すと書いてあり、継父は逆上する。身の危険を感じたベイビー・ドールは継父に対抗するが誤って妹を殺してしまい、継父によって精神病院に入院させられてしまう。そして入院後5日でロボトミー手術を受けるという段取りになっていた。それから逃れ自由の身になろうとしたベイビー・ドールは、空想の世界で賢者から5つのアイテムを手に入れれば自由になれると聞き、同じく精神病院に入院している少女たちに助けを求める。そして仲間を集めたベイビー・ドールは踊っている時にのみ入れる空想の世界で、5つのアイテムを入手すべく戦闘を開始する。
レビュー
2011年に公開されたものの完全にこけてしまい、あまり話題にもならなかった作品がこの「エンジェル ウォーズ」です。興行収入的には芳しくなく、日本でも劇場がガラガラだったこの映画がBlu-ray発売にあたって監督自ら再編集したエクステンデッド・バージョンで登場しています。劇場公開版とエクステンデッド・バージョン、DVDの3枚組で発売されていて、作品を少しでも良くしようという意欲を感じられます。
今回エクステンデッド・バージョンで鑑賞しましたが、劇場公開版にかなりの補足をしている印象が強く、説明が分かりやすいものになっているように感じました。ベイビー・ドールが空想の世界で戦うシーンは劇場公開版と違いないように思いますが、精神病院での仲間との交流や、施設の管理者であるブルーの見解、少女がダンスしているシーンなどが補足されていて、物語に厚みが出ていると感じます。
まあその説明シーンが多くあっても、この映画の基本的なスタンスは「美少女が武器を使ったりして戦闘をする」というまるでジャパニメーションの特徴のような物をメインに持ってきているという点かと思います。特にベイビー・ドールが最初に空想の世界に入るシーンでの侍とのバトルは完全にジャパニメーションそのものかと思いました。
その後も美少女が武装して戦闘するというシーンがメインでそれにハマれるかハマれないかがこの映画の評価をできるかできないかという分かれ目になるような気がします。世界的にコケたということはこの辺の評価をしていないということに違いないと思います。僕個人的にはこの映画のその辺の戦闘シーンは結構面白くてハマれたのですが、まあ否定的でもしょうがないだろうなと思います。
物語ではベイビー・ドールが踊っている段階で現実の世界でも仲間が脱走のためのアイテム入手を企てているという段取りになっていますが、どうやって入手しているかは少しわかりづらいかと思います。エクステンデッド・バージョンでは補足が入っているので分かりやすくはなっているかと思いますが、それでもストーリーが空想の世界でのアイテム入手にメインで描かれているために、現実の世界での展開がちょっとお座なりな感じはします。
主人公であるベイビー・ドールが最後脱出出来るか出来ないかは物語の根幹に関わることなので書きませんが、後半仲間が次々と消えて行くのはちょっと意外な展開かなと思います。空想の世界で仲間を失うと現実の世界でも仲間を失うというのは対比みたいなもので考えられているなと思います。それでもベイビー・ドールの最後の決断とその後はちょっと寂しいものを感じます。
映像はCGを使った映像が多いのですが、精神病院でのシーンと空想のシーン、双方にフィルムグレインが感じられ、それなりに立体感が表れているかと思います。色使いが特徴的で、精神病院でのモノクロっぽい感じや、空想の世界でのざらついた感じなど、魅力的に感じる映像です。音響はdts-HD MA 5.1chで鑑賞しましたが、ナチュラルなサラウンド感が魅力的な作品だと思います。これみよがしにサラウンドを使ってはいないのですが、立体音響は確実に存在しており、作品世界に没頭できる音場を作り出しています。
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