SULLY(Blu-ray)/ハドソン川の奇跡/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

SULLY(Blu-ray)

SULLY Blu-rayジャケット 邦題 ハドソン川の奇跡
レーベル WARNER HOME VIDEO
制作年度 2016年
上演時間 96分
監督 クリント・イーストウッド
出演 トム・ハンクス、アーロン・エッカート、ローラ・リニー
画面 2.40:1/アナモルフィック
音声 DOLBY ATMOS 英語
DOLBY DIGITAL 5.1ch フランス語、スペイン語
字幕 英語、フランス語、スペイン語

あらすじ

ニューヨークのラガーディア空港を飛び立った、U.S.エアウェイの1549便は、離陸後すぐに鳥の大群と衝突し、両方のエンジンが停止してしまう。緊急事態に空港の管制官は、ラガーディア空港に引き返すよう機長の’サリー’サレンバーガーに進言するが、サリーはとっさの判断でラガーディア空港に引き返すのは無理だと判断し、ハドソン川に緊急着陸をすることを決断する。1549便は、ハドソン川に不時着し、幸いなことに乗客155人を無事に救助することに成功する。乗客の無事をマスコミは讃え、サリーは一躍ヒーローになってしまう。しかし、航空事故調査委員会が開催され、その席で調査委員はコンピューターのシミュレーションでは、空港に引き返すことが可能だったと、サリーの判断ミスを追求する。サリーはヒーローであるということと、自己の判断ミスの可能性の間で苦悩し、追い詰められていく。

レビュー

2009年の1月15日に実際に起きた、航空機のハドソン川への不時着事故を描いた映画がこの「ハドソン川の奇跡」です。実際の事故のみならず、その後の事故調査委員会での機長である’サリー’サレンバーガーへの追及までも描いた、知られざる裏側まで知ることのできる、優れた映画になっています。映画自体の興行収入も好成績を上げていて、ヒット作になっている作品になっています。

物語は冒頭から、事故調査委員会でのサリーの判断に対する追求から始まっています。事実の映画化にしては、最初に事故のその後から始まる、というのは、面白い描き方だと思います。サリーがハドソン川に航空機を不時着させたのは、判断ミスだったのでは、と事故調査委員会は考えていて、その線でサリーを追求しているのは、かなり厳しいものがあると思います。

その追及を受けるに従って、サリー自身も自身の判断が正しかったのか、次第に追い詰められていくところが、物語の肝であると思います。一方で乗客155人をケガもなく救出したことで、サリーはマスコミにヒーローとして祭り上げられており、そのギャップにも悩んでいるところが、人間臭い部分だと思います。

物語自体は結構淡々と進んでいきますが、中盤から後半にかけては、その航空機の事故と不時着の過程が、細かく描写されていて、物語におけるサリーの判断が正しいのかどうか、というところが見ている観客にも訴えかけていると言えます。このシーンにおける映像のリアル感はなかなかのものであると思います。

サリー自身は、事故の後、次第に追い詰められていて、家族に救いを求めるようになりますが、家族も何もできない状況であると言えます。結局サリーをフォローするのは、副機長であるジェフであり、彼らのチームワークぶりが、サリーを奮い立たせていると言えます。

クライマックスでは、事故調査委員会の提出した事故のシミュレーションと、サリーの判断のタイミングの違いが、ハドソン川への不時着の是非を引き出していて、最終的にはサリーの判断が正しかったと言えますが、そこに至る過程で、何度もシミュレーションの描写が入るのは、緊迫感を与えているかと思います。

画質はかなりクリアで、かつ室内と室外での温度差を感じさせる色調になっていて、リアルな冬のニューヨークを描いていると思います。ただ、この映画の撮影カメラはIMAX DIGITALが大半を占めているはずですが、画角は通常のシネマスコープサイズになっているので、その点は残念な仕様になっています。解像度も申し分なかったので、できればIMAX画角で収録して欲しかった、というのが正直な気持ちです。音響はDOLBY ATMOS仕様です。ドラマではありますが、航空機の飛行シーンや不時着シーンなどで、サラウンドがフルに発揮していて、かなりリアルな状況を演出していると思います。

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