SUPERMAN RETURNS
邦題 | スーパーマン リターンズ | |
レーベル | WARNER HOME VIDEO | |
制作年度 | 2006年 | |
上演時間 | 154分 | |
監督 | ブライアン・シンガー | |
出演 | ブランドン・ラウス、ケイト・ボスワース、ケヴィン・スペイシー | |
画面 | 2.35:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、フランス語 | |
字幕 | 英語、フランス語、スペイン語 |
あらすじ
刑務所から出所したレックス・ルーサーは、新たなる野望を持ってスーパーマンの隠れ家に手下とともに訪れる。そこで惑星クリプトンのクリスタルを入手し、スーパーマンの父ジョー・エルから知識を取得したルーサーは、自分の王国を作り、アメリカの大半を水没させるという壮大な計画を立てる。一方クリプトンのゾッド将軍らを退治したスーパーマンは地球を離れ、クリプトンの辺りを探索していた。5年の月日が流れ、再び地球に戻ってきたスーパーマンは、ロイス・レーンが結婚をし、子供までいることに衝撃を受ける。それとは関係なく、様々な事件・事故が起こり、スーパーマンはかつてと同じように救助活動にいそしむのだったが、そこにルーサーの野望が立ちふさがり、スーパーマンは生命の危機に陥ってしまう。
レビュー
「スーパーマン 4/最強の敵」から18年もの期間を得て、銀幕に復活したスーパーマンの活躍を描くリブート作品がこの「スーパーマン リターンズ」です。北米での興行収入は2億ドルを越していますが、制作・配給会社のWarnerはこの興行収入に満足しておらず、その後再び沈黙をたどることになり、2013年の夏に「マン・オブ・スティール」という形で再リブートする予定になっています。
前4作のスーパーマンシリーズとは違って、2000年代のアメコミヒーロー物と同じく、ダークな印象のするスーパーマンになっています。クリストファーリーヴのスーパーマンに慣れた身からすると、今回スーパーマンを演じたブランドン・ラウスはちょっと優男に見えてしまいますが、見ているうちに意外と慣れるものであり、最後は「いい感じにスーパーマンを演じている」という印象を受けます。
スピード感というのも今作の魅力の一つのように感じます。前4作のスーパーマンは飛んでいるときのスピード感が「ふぁ」という感じな印象を受けますが、今作ではかなり早い疾走感を持って飛んでいるなという印象を強く受けました。特殊効果の進歩によるものだということも言えるかと思いますが、スーパーマンの力強さみたいなものを感じ取ることができます。
今作は「スーパーマン II/冒険篇」の直接の続編という形で制作され、3と4はなかったことにされていますが、まあそれは正解だったような気がします。1と2は元々リチャード・ドナーが監督予定だったものですから、展開に一貫性があるのですから、話としても続けやすいのだろうと思います。
今作ではレックス・ルーサーをけヴィン・スペイシーが演じていますが、ジーン・ハックマンに比べて悪の雰囲気がいい感じに漂っているような気がします。それでいてジーン・ハックマンの演技に敬意を払っている雰囲気も漂わせています。今回スーパーマンをクリプトン・ナイトで苦しめて絶命寸前まで追い込むところには、かなりの悪党ぶりを感じさせます。その彼が最後にちっぽけな王国を手に入れる(というか単純にヘリコプターのエネルギー切れ)というのは皮肉が効いていて面白いと思います。
スーパーマンの恋人といえばロイス・レーンですが、今作では結婚してしまい、息子までいるという設定でスーパーマン/クラーク・ケントの心を悩ませている存在になっています。しかしその息子のジェイソンが実は…という話は面白いと思います。やっぱりロイスの恋人は永遠にスーパーマンなのかなと思います。
その息子のジェイソンがスーパーマンを助けるというところが実は…の部分と絶妙にリンクしていて、彼が今後どうなるのか気になる終わり方をします。スーパーマンもその真実を悟っているようですし、最初は単にロイスに子供がいる、という存在から最後はスケールが大きなところまでもっていっていると思います。
音楽はジョン・オットマンという人が担当していますが、テーマ曲としてちゃんとジョン・ウィリアムズのテーマを演奏しているのは、見ていて高揚感を感じます。スーパーマンのテーマ曲がいかに優れているかという見本のような感じがします。映画の中でもしばしばジョン・ウィリアムズ調の音楽が流れ、「スーパーマンの映画を観ているぞ」という感じに自然とさせてくれます。
画質は実は2006年の映画にしては今一つのような感じがします。DVDの圧縮の弊害が出ているような感じで、画面が暗いことも踏まえると、情報量がかなり削られているような気がします。音響はDOLBY DIGITAL 5.1chで鑑賞しましたが、さすがに2006年の音響らしく、素晴らしいサラウンドを醸し出しています。リアチャンネルからもかなりの情報量が流れ、映像と相まって魅力的なサウンドを提供しています。
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