TROPIC THUNDER
邦題 | トロピック・サンダー/史上最低の作戦 | |
レーベル | DREAMWORKS HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2008年 | |
上演時間 | 120分 | |
監督 | ベン・スティラー | |
出演 | ベン・スティラー、ジャック・ブラック、ロバート・ダウニー・Jr. | |
画面 | 2.35:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、フランス語、スペイン語 | |
字幕 | 英語、フランス語、スペイン語 |
あらすじ
ベトナム戦争の実態を描いた本「トロピック・サンダー」の映画化で、タグやカークらが撮影を行っていた。しかし撮影はトラブル続きで、怒った出資者が、監督にドキュメンタリー風の撮影を行うように指示する。監督はタグら数名の出演者を連れてジャングルの奥地に潜入し、撮影を行おうとするが、そこはベトナムの麻薬密造組織の支配下にある土地だった。そうとは知らずにジャングル内を行動するタグたちに麻薬密造組織の間の手が迫っていた。
レビュー
自身がコメディアンでありながら、監督も俳優もできる才人、ベン・スティラーが製作・脚本・出演を果たした映画がこの「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」です。製作費は戦争ものの宿命ゆえか、結構かかっていますが、北米の収益だけで製作費は回収しているので、結構ヒットした部類に入るのではないかと思います。
この映画は戦争アクション映画でありながら、コメディでもあるという複雑な構造を示しています。そのせいで笑わせるシーンが結構多いながら、アクション映画ファンにも一定の理解を示すことができているという変わった映画になっています。
映画が映画会社のロゴから始まるのではなく、フェイクの予告編から始まるというのもコメディであると同時にこの映画の特徴を示していると思います。この映画、他の映画からの引用がとても多いばかりか、モニターに映し出される映像が他の映画やテレビドラマだったりという細かい仕掛けがしてあるのが、知っている人には笑わせてくれるという仕掛けになっています。個人的には雨の中、主人公のタグがiPodで見ている映像が「宇宙大作戦」の「怪獣ゴーンとの対決」というのがツボにはまって笑ってしまいました。
そういうギャグと同時に、物語冒頭はかなり迫力のある戦争映画を組み込んでいて、サラウンドギンギンで爆発過多という手の込んだ映像も仕掛けています。とはいうものの、その戦闘シーンで人が死ぬシーンがやりすぎ感満載なので、観ていて笑ってしまうと同時に、「これ、子供には見せられないよな」と感じてしまうところもあります。劇場公開時の指定はRレートだったようですが、このDVDはディレクターズ・カットということで無指定になっていますから、多分バイオレンスシーンは派手になっていると思います。
途中から本物の戦闘部隊と遭遇してしまうタグ達ですが、捕虜になったタグを心配するエージェントと、出資者とのやり取りは、映画会社の内幕をばらしているようで、なんだか納得してしまう展開です。変なところでテロには屈しない、などと語っている様はアメリカ映画だなと感じてしまいます。
この映画は結構有名俳優が出演していて、それぞれが一人ででも主演を張れる人たちばかりですが、何故か黒人の振りをしているロバート・ダウニー・Jr.や、出資者役で、面影すらよく分からないトム・クルーズなど、「なんでこんな人たちが出演しているの?」と意外に思うところが多い作品だと思います。2時間、気分をすっきりさせたいと思っている人にはぴったりの映画ではないかと思います。
映像は解像度も不満ないし、発色もジャングルの緑の色をはじめ、クリアに出ていると思います。魅力的な映像を提供していると思います。サウンドも5.1chサウンドがフルに活躍していて、映画の魅力を補助していると思います。
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