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邦題 | カールじいさんの空飛ぶ家 | |
レーベル | WALT DISNEY STUDIOS HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2009年 | |
上演時間 | 96分 | |
監督 | ピート・ドクター | |
声の出演 | エドワード・アズナー、ジョーダン・ナガイ クリストファー・プラマー |
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画面 | 1.78:1/アナモルフィック | |
音声 | DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語 DOLBY DIGITAL 2.0ch 英語 |
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字幕 | 英語 |
あらすじ
少年で冒険好きのカールは、マンツという冒険家の南米探査のニュースを楽しみに見ていた。カールは、そんな時に同じく冒険好きのエリーという少女と出逢い、二人は仲良くなる。成長した二人は、結婚し、仲良く暮らしていたが、子供に恵まれず、年老いたエリーは、この世を去ってしまう。カールも年老いていたが、彼らの住んでいた地域は再開発の波にさらわれ、カールの家のみが残るのみだった。カールは、あるときエリーとの思い出のポストを工事作業者に壊され、つい、相手を傷つけてしまう。そして、裁判で老人ホームに入ることを義務付けられる。カールはそれを嫌い、多数の風船を家につけて、空に旅立つ。カールは、エリーとの約束であった南米の未開の土地に旅立つつもりだった。その旅に、カールが拒否していたラッセルというボーイスカウトも、偶然同行することになり、彼らは南米にたどり着く。そして、目的地を遥か彼方に見つける。しかし、そこに行くには風船の数が足りなかった。カールらは、歩いてその土地に目指そうとするが、その途中で、タシギという珍しい鳥と出会い、それを追いかけていた年老いたマンツとも出会う。マンツはタシギを我が手のものにしようとして、配下の犬たちを操っていた。ラッセルはタシギを守ろうとし、カールもそれを追いかけるようになる。
レビュー
CG映画として、極めてクオリティの高い作品を放ち続けるピクサー社の、2009年度の作品が、この「カールじいさんの空飛ぶ家」です。制作費も極めて高い作品ですが、北米では、3億ドル近い興行収入を稼ぎだし、その映画の評価の高さを物語っています。
物語は、映画として珍しく老人が主人公の映画であると言えます。しかもその老人が、自身の愛した妻の夢を叶えるために、住み慣れた家を風船で吊って、南米の未開の土地に目指すという設定が、結構泣きの入る映画であると言えます。
カールという老人は、妻であるエリーとの約束を叶えようと、南米に風船で吊った家でたどり着こうとしますが、そこでラッセルというボーイスカウトや、ダグという人間の言葉を喋る犬、そしてタシギという珍しい鳥と出会い、その中で次第に頑なな心が溶かされ、最終的には過去の思い出から脱出し、現在を生きる老人として、自立していく姿が描かれているのが、キーポイントであると思います。
その頑ななカールについていき、次第に心境を変えさせる要因の一人が、少年でボーイスカウトであるラッセルであると言えます。彼の冒険心の高さと、タシギを助けようとする姿勢が、カールの心に影響を与えていると思います。カール自身も最初は鬱陶しく思っていたラッセルのことを、次第になくてはならない相棒として認識していきます。カール自身に子供がいなかったこともあり、カールにとっての子供、もしくは孫という位置付けになっていくのが、物語の描き方だと思います。
そのカールが子供の頃に憧れていたのが、マンツという冒険家です。彼は南米で様々な生物の化石を発掘しますが、他の人から相手にされず、新種を探しに南米に止まることになります。そして、カールやラッセルと出会うことになります。カールにとっては、憧れの人物だったので、最初はカールもマンツの存在を受け入れていますが、彼がタシギを確保しようと企んでいたことから、次第に彼の企みを阻止しようとする行動に出ることになります。
この映画も他のピクサーの映画と同じく、主人公の成長物語と言えるかと思いますが、主人公が老人と少年ということもあり、特に大人にとっては、涙無くしては見られない内容になっているかと思います。カールの自身の新たなるフェーズへの成長は、感動するところであります。また、ラッセルもカールと行動を共にすることで、単なる少年から、正義感を持った少年に成長していて、見終わった後は、爽快感に包まれていると思います。
DVDでの鑑賞ではありますが、もともとCGアニメだったこともあり、解像度も色調も不満のない魅力的な映像を提供しています。もちろんBlu-rayと比べれば、低解像度だとは思うのですが、作品の出来が良いため、あまり気にならないところがあります。音響もDOLBY DIGITALではありますが、サラウンド感、音質ともになかなか出来がよく、映画を堪能するのに十分な質を提供していると思います。
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