WHIPLASH(Blu-ray)
邦題 | セッション | |
レーベル | SONY PICTURES HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2014年 | |
上演時間 | 107分 | |
監督 | デイミアン・チャゼル | |
出演 | マイルズ・テラー、J.K.シモンズ、ポール・ライザー | |
画面 | 2.40:1/アナモルフィック | |
音声 | dts-HD MA 5.1ch 英語、フランス語、スペイン語 | |
字幕 | 英語、フランス語、スペイン語 |
あらすじ
アンドリュー・ナイマンは、音楽学校に入った新人だったが、偉大なジャズ・ドラマーに憧れ、彼らのようになりたいと夢想する若者だった。そのドラムのセンスを見込んだ学校の教師、フレッチャーは、アンドリューを自分の楽団に招き入れ、指導を開始する。しかし、その指導は狂気の域を越していた。自分の完璧なテンポに合わないと、罵声を浴びせかけ、徹底的に指示に従うように指導するフレッチャーによって、アンドリューの精神は次第に狂気の淵に落ち込んでいく。そして、楽団の競技大会で、アンドリューはフレッチャーと対立をしてしまう。
レビュー
2014年度のアカデミー賞で、J.K.シモンズの助演男優賞をはじめ、3部門で受賞をした作品が、この「セッション」です。青春映画ではありますが、それと同時に素晴らしい、というか本当に緊迫感のある音楽映画としても成立している映画でもあります。
子供の頃からドラムに親しんでいた、若きアンドリューが偉大なジャズ・ドラマーに憧れ、音楽大学に入学するのはいいのですが、その才能を見込んだ教師のフレッチャーにスカウトされたところから、この映画は気違い染みた様相を呈していきます。
音楽を演奏する側には立たない僕が見ていて、その差がさっぱり分からないドラムのテンポがわずかに違う、と言って、アンドリューに罵声を浴びせかける鬼教師フレッチャーのそのスパルタ振りには、鬼気迫るものがあり、ものすごい緊迫感を感じさせるものがあります。
物語がそれで終わらないのは、アンドリューがそのフレッチャーの狂気の指導に喰らい付いていこうと、自身を追い込んでいくところが、その狂気さをさらに増幅させていて、目が全く離せないストーリーになっていきます。
物語途中で、フレッチャーの指導した生徒が事故で死んだ、と言ってフレッチャーが涙する場面もあり、フレッチャーにも人間性があるのだなと思いきや、実はその死んだ生徒は事故ではなくて…、という展開には、やはりフレッチャーのスパルタ振りが目立つ場面でもあります。
アンドリューは、映画館のバイトをしている女性を口説いて、彼女にしますが、ドラムに向き合い過ぎたばかりに、その女性との交際に終止符を打たざるを得ない状況にまでなります。その関係は、後半でも回復せず、アンドリューの喪失感を強く描いています。
物語は後半、一旦はドラムを諦めるアンドリューの姿が描かれますが、人間性を垣間見せるフレッチャーに話しかけられ、再びドラムに向き合おうとします。しかし、そこにフレッチャーの罠があり、それをアンドリューがどう乗り越えていくかが、クライマックスの驚くべき展開に繋がっていきます。
音楽映画ということもあり、ジャズが存分に堪能できるのもこの映画の特徴であり、その疾走感には驚くべきものがあります。映画のストーリーとともに、ジャズが映画の主人公であることが、強く感じられるところであります。
映像は、解像度、色乗り共十分で、かなり魅力的な映像を提供しています。ハイビジョンの映像が、映画に引き込むのに十分な魅力を発揮しています。特徴的なのは音響で、dts-HD MAのハイレゾサラウンドサウンドが、音楽を魅惑の域に引き込んでいます。重低音も十二分に出力されていて、音楽の質が高まっていると思います。
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