佐野元春 & The Coyote Band 2014年 秋ツアー Zepp Fukuoka
2014年11月15日
佐野元春がアルバム「ZOOEY」をリリースしてからというもの、アルバムのライブ再現を楽しみにしていた。今回、「2014年 秋ツアー」が開催されるということで、特にアルバム「ZOOEY」と「COYOTE」を中心にしたライブになりそうだということで、期待をしていた。
今回のライブ開催地であるZepp Fukuokaはヤフオクドームのそばにあり、2回目の来場だが、今回は様相が違った。ヤフオクドームではジャニーズの人気グループ、嵐のコンサートがあるということで、ヤフオクドームと隣接するホークスタウンは嵐ファンの女性でごった返していたのである。少し早めに着いて、お茶でも飲んで開場時間を待とうかと思ったら、お茶を飲むスペースを確保するのすら大変だった。
今回はチケットがSOLD OUTしているということもあり、観客動員はぎっしり。前回のライブの時は空席も目立っていたが、土曜日開催ということもあるのか、好調な感じだった。立ち見席も出ていたので、盛り上がりが期待できた。
開演はいつものライブとは違って17時37分と早い。嵐のコンサートの終了時間とバッティングしないような配慮らしい。まずバンドのメンバーがぞろぞろ出てきて、1曲目のイントロを弾き出した段階で元春が登場するという趣向だった。
本編
- ナポレオンフィッシュと泳ぐ日
- スターダスト・キッズ
- ダウンタウンボーイ
- 星の下 路の上
- 夜空の果てまで
- US
- 黄金色の天使
- 呼吸
- La Vita é Bella
- ポーラスタア
- 食事とベッド
- スーパー・ナチュラル・ウーマン
- 詩人の恋
- 君がいなくちゃ(新曲)
- 優しい闇(新曲)
- ボヘミアン・グレイブヤード
- 約束の橋
- 悲しきレイディオ
- ナイトライフ
1曲目に「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」を持ってきたのは意外だった。今晩の元春のMCは饒舌で、「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」が演奏し終わった後は、「今日は嵐ではなく僕のコンサートに来てくれてありがとう」と、「スターダスト・キッズ」を演奏し終わった後は、「大相撲冬場所ではなく僕のコンサートに来てくれてありがとう」と、かなりお笑いを取っていた。そう、大相撲九州場所は、場所は離れているが、福岡国際センターで開催されていたのである。
3曲演奏し終わったところで、しばらくはアルバム「COYOTE」からの演奏になった。比較的ポップで静かな曲が続く。「呼吸」の前には「詩をじっくり聴いてほしい」とのことで、観客を席に座らせる配慮もあった。MCでは「COYOTEとZOOEYは自信のあるアルバムなので、ぜひ聴いてほしい。アルバムは後ろの方で売っている」と宣伝をしていた。
そして「La Vita e Bella」からはアルバム「ZOOEY」からの曲が続く。この辺の元春のMCは結構笑いを取っていた。特に「食事とベッド」と「スーパー・ナチュラル・ウーマン」では、男女の関係について、元春独自の概念を発表していて、なかなか面白かった。「スーパー・ナチュラル・ウーマン」の前には、「山があると男はそれを征服しようと登りに行くが、女性は山を迂回して平原を悠々と歩いて行くんだ」と話ししていて、なるほど、と思った。「詩人の恋」では再び観客を座らせ、じっくり詩を聴かせていた。この曲は結構好きである。
そして、現在Coyote Bandとレコーディング中のニューアルバムから、新曲を2曲披露した。「君がいなくちゃ」という曲は、なんと元春が15歳の時に作った曲を現代風にアレンジして録音しているそうで、かなりご機嫌なナンバーになっていた。「優しい闇」という曲もタイトルとは裏腹に、結構ポップな曲である。これはニューアルバムへの期待が膨らむというものである。MCでは「来年の春か初夏あたりに届けられればいいなと思っている」と話ししていた。
新曲の後は意外な選曲。「ボヘミアン・グレイブヤード」なんて、何年ぶりの演奏だろうと思う。もしかすると「See Far Miles Tour Part2」以来かもしれない。この曲の後半で、観客にも「トゥ、トゥ、トゥ」というコーラスを一緒に歌わせる。この曲が聴けたのは嬉しい。「約束の橋」の前のMCでは、「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」からシングルカットした時にはチャートが今ひとつだったのに、90年代に入ってテレビドラマの主題歌に使われたらチャートを駆け上った、とぼやきとも取れるMCで笑いを取っていた。で、シングルヒット曲の作り方の話をして「約束の橋」を演奏。続く「悲しきレイディオ」の前には、「ラジオについて歌った曲は2曲ある。悲しきレイディオとラジオ・デイズ。でも今日は悲しきレイディオの方をやる」と話しして歌い出した。後半は「I Love You,You Love Me」のコール&レスポンス。今晩初めて来た客のための練習を含めて、楽しい演奏になっていた。演奏後はメンバー紹介。ギターは深沼元昭と藤田顕、ベースは高桑圭、ドラムは小松シゲル、キーボードは渡辺シュンスケという布陣である。藤田顯がパーマの髪をストレートにしてしまったので、印象がだいぶ違う。そして本編最後は「ナイト・ライフ」。ご機嫌なアレンジでライブを一旦終了させた。
アンコール
- サムデイ
- ソー・ヤング
- アンジェリーナ
アンコールの1局目はお馴染み「サムデイ」。MCで「80年代からずっと歌ってきて、思い入れのある曲です」と話していた。冗談なのか、本気なのか、MCが長引くと元春自身が「こんなにしゃべっている場合じゃない。時間がない。曲を演奏しなきゃ」と話ししていて、これも笑いを誘っていた。多分嵐のコンサートとかち合わないように時間制約はあったと思う。アンコール2曲目は「ソー・ヤング」。いつものように「佐野くんは考えが若すぎる、と言われる」という話をしていた。そしてアンコール最後は「アンジェリーナ」。会場はものすごく盛り上がった。
演奏がすべて終わり、元春が「来年、デビュ−35周年なので、アルバムを皆さんの元に届け、また来ます」と話しをしていた。このZepp Fukuokaのライブは全国ツアーのロードの最終日ということで、残すは東京、渋谷公会堂だけなので、元春の気分はかなりご機嫌だったと思う。また、それに同調するようにバンドの演奏もアグレッシブで、ファンの盛り上がりも凄かったと思う。個人的にはベースの高桑圭のピックをゲットできたのはいい思い出である。
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