佐野元春 & THE COYOTE BAND 2015 サマー・ツアー DRUM Be-9 v1
2015年10月11日
佐野元春の「2015 サマー・ツアー」は今回の熊本が長崎に続いて2回目である。長崎は博多から特急で2時間かかるが、熊本は九州新幹線があるので博多から約40分で行ける。それで今回日帰りツアー参戦を決めた。
当然ながら、せっかく熊本行くので半日観光をした。水前寺と熊本城、旧細川刑部邸である。それでも時間はあまり、コーヒーショップで時間をつぶしていた。
開場15分前にDRUM Be-9 v1に行くと、すでに多くの人がいた。BRUM Be-9 v1は市電の通町筋から歩いて5分ほどである。福岡天神のDRUM Logosの系列店であり、繁華街に近い。今回の整理番号はあまり良くないく、ステージが見えないかもな、と思っていたが、会場に入ると、まだ前の方が空いていて、何とかステージが見える位置に場所を固定できた。藤田顕がちょっと見切れてしまい見えなかったが、渡辺シュンスケと小松シゲルは何とか見えた。
開演前のBGMはこの9月末に始まった「元春レイディオ・ショー」を流していた。17:35にメンバーが下手から出てきて、ライブが開始された。
本編
- 君をさがしている
- La Vita e Bella
- ポーラスタア
- 月と専制君主
- 紅い月
- 本当の彼女
- バイ・ザ・シー
- 優しい闇
- 私の太陽
- 境界線
- 誰かの神
- キャビアとキャピタリズム
- 空港待合室
- 誰かが君のドアを叩いている
- スターダスト・キッズ
- 悲しきレイディオ
- ダウンタウン・ボーイ
ゴリゴリのロック&ポエトリーリーディング調の「君をさがしている」を演奏した後、最初の挨拶。続けて「La Vita e Bella」が演奏された。最初のMCは、「2015 サマー・ツアー、しかし、(藤田顕を指差し)季節は秋、そこでツアータイトルを「2015 オータム・ツアー」に変える」とギャグを飛ばしていた。
続けて「ポーラスタア」を演奏し、「80年代のCafe Bohemiaに入っている曲ですが、今歌うと不思議な感じがします」というMCで「月と専制君主」を演奏した。前回の長崎公演では、セットリストのボード表に手書きでこの曲が入っていたので、長崎だけの特別選曲かな、と思っていたのだが、どうもその後定着したみたいである。
「アルバム「Bood Moon、聞いている?まだの人は後ろで売っている」とジョークを交えたMCでアルバム「Blood Moon」からの演奏が始まる。今回も「紅い月」から。聞いていると、深沼元昭のコーラスと、ギターソロがライブ全般的に映える構成になっている。続けて「本当の彼女」を演奏し、「本当の彼女ってどんなだろう?僕もわからない」とMCが入り、続けて「この日本には10代、20代向けのロックは沢山ある。しかし、30代、40代、50代が楽しめるロックが少ないように思う。僕はそういう人たちに向けて曲を書いていきたい」と話し、「バイ・ザ・シー」へと流れ込む。イントロが変わっているので、ノリノリである。
「優しい闇」を演奏し、続けて、「私の太陽」へと続く。そしてMCで「誰の中にも境界線はある。僕の中にも境界線はある。境界線があったら、それは乗り越えないと駄目だ」と話し、「境界線」を演奏。サビの部分でビデオクリップで見せた謎の「境界線ダンス」をするので、ファンも興奮する。ここからはノンストップで「誰かの神」、「キャビアとキャピタリズム」、「空港待合室」へと続く。アンコールのある曲でもそうだが、今回、このあたりの曲をノンストップで演奏したことで、佐野元春の抱える現状認識が見え隠れする気がする。
ここでアルバム「Blood Moon」からの曲は終わり、メンバー紹介を行う。ギターは深沼元昭と藤田顕、ベースは高桑圭、ドラムは小松シゲル、キーボードは渡辺シュンスケという構成で、ここでメンバーの愛称を紹介する。藤田顕は「アッキー」、渡辺シュンスケは「シュンちゃん」というように一人一人に愛称があったのだが、なぜか高桑圭だけは「高桑くん」だったので、会場から笑いが起きた。
そして、「80年代、いや90年代に書いた曲をやります」と「誰かが君のドアを叩いている」を演奏。意外な選曲に会場内は盛り上がる。そして「さらに80年代に戻ります。ハーモニカで始まる曲、知っている?」とMCをした上でなんと「スターダスト・キッズ」が演奏された。この辺りで会場内大合唱である。「80年代の曲、好きだね。次も80年代、Radioの曲」とMCを行い「悲しきレイディオ」を演奏。今回もストレートに演奏し、その後メドレーに流れ込む。メドレーでは「また佐野元春はやっているよ、と古くからのファンはいうけれど、初めての人もいるかもしれない。それでみんなとやってみたいことを紹介するよ。僕が「I Love You」と歌ったら「You Love Me」と返して欲しいんだ」と話しコール&レスポンスをする。当然ながら古くからのファンばかりなので、タイミングはばっちり。
「熊本に下町はあるのかな?」で始まったMCは「僕は下町の生まれなんだ。浅草とかその辺。神田明神下の生まれ。銭形平次のいた場所だ。下町っ子は「ひ」と「し」の区別がつかないんだ。だから僕「ししゃも」を「ひしゃも」だと思っていた。だって店のメニューに「ひしゃもって書いてあったんだ、おっと、こんな話をしている場合じゃない、時間が…」と爆笑MCに変わり、下町の曲ということで「ダウンタウン・ボーイ」が本編ラストの曲だった。曲の終了後、佐野元春は舞台下手に去る予定が勘違いして、上手に去っていこうとし、高桑圭に止められるという一幕もあった。
アンコール1
- 国のための準備
- 約束の橋
「みんな、足大丈夫?」という話から始まった曲は、「Blood Moon」と共感するような「国のための準備」の選曲で盛り上がる。もともとThe Hobo King Bandでもツインギターの曲だったので、今のバンド構成がそのまま活かされていると感じた。そして「この曲は最初88年に書いた曲です。アルバム「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」に入れた曲です。88年にリリースした時はチャート12-13位あたりをうろうろと。それが90年台に入って、テレビドラマの主題歌になったら、チャート1-3位をうろうろと。だったら最初から売れて欲しかった。それはともかく、今の僕にとって大切な曲です。知っている人がいたら、一緒に歌ってください」としゃべって「約束の橋」が演奏された。
「約束の橋」の後、バンドのメンバーが舞台前方に並び、佐野元春のMC。「僕来年カン…、カン…その言葉は嫌いなんだ、カン…記念ライブなんて、絶対にしない、赤いちゃんちゃんこ着るなんて大嫌い。だからみんなも赤い服着てこないで。」と結構年齢にこだわり、還暦祝いを拒絶する楽しい一幕があった。これで全ての公演は終了のはずで、場内も照明がつき始め、客を送り出すBGMも流れ始めた。しかし、ファンの熱狂は止まらない。拍手が続き、ついに2度目のアンコールが決定。
アンコール2
- アンジェリーナ
「みんな、本当に大丈夫?」と話をした後、デビュー曲の「アンジェリーナ」を演奏。会場の盛り上がりといったらなかった。それが終了して、ライブは完全終了。しかし、演奏時間は長崎より10分短く、1時間50分だった。長崎は10年ぶりのライブだったのでMCが饒舌だったが、熊本は昨年も来ているので、その辺は若干割愛されていたと思う。しかし、どうも遠征組も多い中、いい感じのライブだったと思う。ライブ終了後、ドリンクでビールが選択できたのは嬉しかった。疲れた体にビールは効いた。
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