佐野元春 & THE COYOTE BAND 2012 Early Summer Tour Zepp Fukuoka
2012年6月26日
3月の大阪でのライブに引き続き、佐野元春のクラブハウスツアーが6月から7月にかけて開催されることになった。今回はThe Hobo King Bandではなく、アルバム「COYOTE」で制作に関わったTHE COYOTE BANDでツアーを回るという。福岡に引越してきてから初の地元でのライブ開催ということで楽しみにしていた。
会場のZepp Fukuokaはヤフードームのそばにあるホークスタウンモールの一角にある。平日ということもあり、会社を定時に上がって早々に会場に向かった。着いたのは6時15分で、既に開場していたが、人が閑散としていて観客動員大丈夫かな?とちょっと心配になった。
ライブハウスということもあり、1ドリンクを別途購入するので、ご機嫌に行こうとビールを頼んで開演前に楽しんでいた。会場内は大半が指定席、後方の一部が立ち見という感じだった。神奈川に居た時には横浜Blitzや、Zepp Tokyoなどに行ったことはあるが、ここ福岡は会場が一回り小さい印象を受けた。僕の取った席は前から4列目ということもあり、視野的には見やすいところだった。チケットが売れていないという話もあったが、観た限り9割は埋まっていたと思う。
開演は大体7時10分ぐらいだと思う。最初バンドのメンバーがぞろぞろと出てきて、元春以外がポジションに付いた後、演奏が始まった。なんとこの日のためにインストゥルメンタルナンバーを作ったらしい。かなりゴリゴリのギターサウンドが目立つ曲だった。
本編
- COYOTE Theme 2012
- ナポレオンフィッシュと泳ぐ日
- 荒地の何処かで
- 夜空の果てまで
- Us
- 欲望
- VISITORS
- ニュー・エイジ
- レインガール
- マナサス
- La Vita e Bella
- 虹をつかむまで
- 僕は大人になった
- 警告どおり 計画どおり
- 僕にできること
- 約束の橋
- サムデイ
- ダウンタウンボーイ
- アンジェリーナ
1曲目のインストゥルメンタル曲が終わると佐野元春が登場、歌モノとしては1曲目に当たる「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」が演奏される。ここでもギターサウンドがかなりインパクトを残していた。「荒地の何処かで」から「Us」まではアルバム「COYOTE」からの選曲で、既に手慣れたものでいい感じにグルーヴしていった。元春の声はまずまずという感じはしていた。ここ最近元春の声は復調しているなというのが感想である。
次に演奏された曲はちょっと驚いた。「ALL FLOWERS IN TIME」で演奏されて、強い印象を与えた「欲望」がブラスセクションなしで奏でられたからである。ファンクラブ会報誌では「この曲は長田進のディストーション・ギターでないと駄目なんです」と語っていた元春がダブルギターをバックに歌う姿は現在の世情を反映しているようで興味深かった。続いて演奏された「VISITORS」も驚いた。この曲が演奏されることはめったにないからである。ライブビデオ「VISITORS TOUR」での収録が有名だが、今回アレンジされたこの曲はある種の感慨を思い起こさせる何かがあった。
またアレンジが少し変わった「ニュー・エイジ」、ワルツ・バージョンの「レインガール」を演奏した後、また珍しい曲を演奏した。アルバム「THE BARN」のライブビデオでの収録が唯一ない「マナサス」が歌われたのである。こちらは比較的オリジナルに忠実なようだったが、個人的に好きな曲なので、嬉しく思った。
MCは今回あまりなかったが、「COYOTEバンドでレコーディングしている」、「早ければ夏…いや来年初頭にみんなに届けられるかも」というようなちょっと笑いを誘う話をして、新曲を2曲演奏した。歌詞が少々聞き取りにくかったが、結構ポップなナンバーで仕上がりに期待が抱かせるものになっていた。1曲目は「La Vita e Bella」という元春の曲の紹介があったが、2曲目は紹介なしで演奏。後でセットリストの掲示板で曲名を知った。「La Vita e Bella」の終了後、「皆に受け入れられてホッとしている」旨のMCがあった。
「僕は大人になった」のイントロでメンバー紹介。ギターは深沼元昭と藤田顕、ベースは高桑圭、ドラムは小松シゲル、キーボードは渡辺シュンスケという布陣である。昨年末のライブ以来ギターの藤田顕が加わったことで、ギターの音が強化された印象がある。「僕は大人になった」は「COYOTE TOUR」以来ずっと演奏されているので、手慣れた印象を受ける。
次の曲はついに演奏したか、という衝撃があった。シングルリリース以来演奏したことのない問題作「警告どおり 計画どおり」が演奏されたのである。反原発というより原発の危険性をちゃんと伝えようとしないマスコミを批判する元春としては珍しい異議申し立てソングであるが、東日本大震災以来一向に収束しない福島原発に何か意見しなければという意味合いがあるかのように感じる。
最初イントロだけでは何の曲か分からなかったアルバム「Fruits」から「僕にできること」を挟んで、ライブ後半はお馴染みの曲が続く。おなじみの曲と言ってもTHE COYOTE BANDでは演奏したことないと思う曲ばかりである。「サムデイ」の前にはMCがあり、「普遍的に伝えたいことがある。それは言葉にすると難しいのだけれど、音楽にするとうまく行くときもある。それをやってみたい」と語っていた。その前に「ニュー・エイジ・キャッシュバック」制度の話をして脱線し、観客の笑いを誘っていた。
「約束の橋」は「Smoke & Blue」の時とアレンジが似ていた。そして初期の懐かしい「ダウンタウンボーイ」を演奏して、「アンジェリーナ」で本編は幕。ここまで演奏してしまうとアンコールが何か思いつかなくなってしまった。
アンコール 1
- 黄金色の天使
- 君が気高い孤独なら
アンコールの1回目はアルバム「COYOTE」からのナンバーで占めた。アレンジが実は変わっていて、「君が気高い孤独なら」は跳ねるような演奏が印象深くて、心地よかった。
アンコール 2
- ヤングブラッズ
再びメンバーがステージに登場すると、元春はステージ上をウロウロしまくり、なにか考えている模様。しばらくウロウロした後、演奏されたのは「ヤングブラッズ」。ぼくのMY FAVORITE SONGなので、ラストにこの曲が来たことはとても嬉しかった。演奏が終わり、大歓声の中、「また福岡に来れることを期待しています」と元春は語って、ライブは終了した。演奏した曲は結構多いが、時間はわずか2時間。あっという間のライブだったと思う。
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